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西田優大(シーホース三河 #19)
シーホース三河での1年目、西田優大は平均11.6点を記録し、チームに欠かせない存在となった。アンダーカテゴリー代表の経験も豊富で、2017年にはU19ワールドカップで世界レベルを体感するなど、学生時代から将来を嘱望されていた選手。ワールドカップ予選では全試合出場を果たすなど、日本代表でも中心選手となりつつある。左利きのシューターからオールラウンダーへと成長を続ける西田に、5月31日に話を聞いた内容をここで紹介しよう。
Q 特別指定選手時代を含めるとBリーグ3年目ですが、プロ1年目の今季における自身のパフォーマンスをどう評価しますか?
「すごくいい流れに乗れたというか、流れに身を任せながら目の前のことを一つ一つやっていった結果、いい方向につながったのかなと感じています」
Q シーズン終盤での連敗でチャンピオンシップ進出を逃すことになりましたが、今季のチームについてどのような印象を持ちましたか?
「正直ここまでやれるというか、1年目なので何もわからなかったので、ここまで戦えるとは思っていませんでした。自分の役割としては、チームが終盤のクラッチタイムでボールを持たせてくれるようになったり、ここまでできると思っていなかったので、そこが一ついい自信にするというか、収穫でもあるかなと思っています」
Q シーズン最後の4試合が1ケタ得点に終わったことは相当悔しく、来季へのモチベーションにしなければという思いにさせられるものでしたか?
「なりますね。あのような終盤でチームをどう勝たせていくかを来シーズン考えていかなければいけないし、本当にファイナルでも比江島(慎)さんばかり見ていて、あのような選手像というか、本当にチームを勝たせられる選手になれたらいいなと尚更強くなりました」
Q 今ファイナルの話が出ましたけど、宇都宮ブレックスが今季のチャンピオンになりましたが、琉球ゴールデンキングスとのファイナルをどんな思いで見ていましたか?
「どんな思いでというよりは、ポジションがかぶる選手。チームとしてもそうですけど、どうあるべきかを見つつ、こういうプレーをしていかなければいけないな、本当に一つのドライブにしても変幻自在のステップでバスカンも奪っていましたし、そういうところがさすがだなという思いで見ていました」
Q 今季三河でプレーしていてよかったなと思えることは?
「よかったなと思えることばかりです。よくないなと思うことが全然なく、本当に個人の結果にしてもそういうことばかりだったので、これに満足せずに来シーズンも上を目指せればと思っています」
Q チームと代表活動で今までに経験したことのない厳しいスケジュールだったはずですが、今後も似たような状況が予想される中、身体のケアや疲労回復への取り組みといったことで何か気づいたことはありますか?
「シーズン終盤でどうしてもコンディショニングが落ちたと自分自身でも感じていて、そこで疲労をとることを優先してトレーニングをあまりせず、食事を摂りつつだったのですが、コンディションを維持するためには週1回でもウェイトトレーニングを入れておけばよかったという反省があります。ケアの部分ももっとできた部分もあると思いますし、このオフシーズンにもう少し勉強して、自分自身で考えて取り組みたいと思っています」
Q 三河の鈴木貴美一コーチと代表のトム・ホーバスコーチの間には大きな違いがあると思います。プレースタイルや戦術・戦略といった面で、それぞれに順応するのが難しいと思ったことなどはありましたか?
「難しいと思うことはあまりなくて、自分自身まず三河に決めたのも“すごいミスしてもいいからどんどんやりなさい”と伸び伸びやらせてくれるというのがいいなと思って選んだのもあるし、トムさんのバスケは役割をきっちり与えられて、それをしっかりこなすということで本当に正反対です。逆に言えば、代表での役割をしっかりこなして、それが今の自分の強みにもなってきているので、そこをうまく活かしながら自チームでも伸び伸びやれたらなと思います」
Q この1年で三河だけでなく、日本代表でも主力として活躍しました。自分の中のある自信のレベルが上がったと感じた試合、プレーやシーンがあったら話してもらえますか?
「ピックの後のステップやフィニッシュというのは、代表戦が終わってから少しずつ変わってきているのかなと自分自身でも感じています。代表戦が終わってすぐの広島(ドラゴンフライズ)戦だったり、ホームで戦った京都戦だったり、うまくフィニッシュまで行ける部分というのがシーズン序盤より増えたと思うので、そこは自信にしてもいいのかなと思います」
Q アンダーカテゴリーから代表メンバーとなって世界の舞台を経験しました。今のキャリアにすごく役立っていると感じる部分はありますか?
「外国人に対しても向かっていく姿勢というのは、本当に世代別の代表の時からなっていて、ずっとよかったなと感じています」
Q U19ワールドカップで一緒に世界と戦ったシェーファー・アヴィ幸樹は、西田選手とチームにとってどんな存在ですか?
「ずっと一緒に代表でやっていましたし、そういった選手が自チームにいるのだけでもすごく心強いです。身体のコンディションのところだったり、2人でうまく話し合いながらできた結果が、1シーズンケガなくやれたことにつながっていると思うので、本当にアヴィの存在は大きいです」
Q これからワールドカップ予選やアジアカップといった代表の活動があります。来季のB1、そして国際試合でより高いパフォーマンスを発揮するために、今後レベルアップしたいと感じるところ、何かありますか?
「フィニッシュやステップのところはもう少しうまくならなければいけないです。チャイニーズ・タイペイ戦(27点)であれだけできても、オーストラリアに対してはあまりできなかった部分もあるのでもう少し強化するのとスポットアップ(のシューティング)。トムさんのバスケットは3Pが求められるので、そこの確率をもう少し上げることが大事かなと思っています」
Q オーストラリアは他のアジアのチームとは違いますが、あの試合でプレーできたことをどう捉えていますか?
「チャイニーズ・タイペイ戦でやれたことをオーストラリアでもやれればいいなという思いで望んだんですけど、スカウティングもされていましたし、大分シュリンクした(縮まった)ディフェンスをしていたので、そこでうまく捌いたり、ボールを1度離した後にもう1回もらってからアタックしたり、そういった技術を身につけなければいけないと感じました」
Q 代表内での競争も激しくなってくるはずですが、沖縄で行われる来年のワールドカップでプレーすることは、自身のキャリアにどんな意義があると感じますか?
「ずっとそこを目標にしてきました。オリンピックに出られなくて悔しい思いをしましたし、まずはワールドカップにという思いは僕の中にあるので、まずはそこを通過点じゃないですけど、一つの目標としてそこに向かっていくことができるというのが、今の自分のモチベーションでもあるので、まずはしっかりそこに選ばれるように頑張りたいです」
Q 福岡大学附属大濠高校の先輩である中村太地選手と来季一緒にプレーできます。彼のいいところは何ですか?
「よくも悪くも周りのことを気にしないところが彼のいいところだなと思います。あれだけ身長(190cm)があってガードができるのは強みだと思うので、歳が近い分しっかりコミュニケーションも取れますし、(角野)亮伍さんやアヴィといった若いメンバーがたくさんいるので、さらにチームを勢いづけられたらいいなと思います」
Q 西田選手はコアとなる選手が変わらずに挑める来季のチームで何をもたらすことが、三河の成功につながると考えますか?
「今シーズンは代表だったり、自チームでもあれだけ活躍させてもらって、自分の中で自覚と責任がすごく芽生えたというか、持たなければいけないと感じたので、そういったことを出したプレーでチームをひっぱっていくことができれば、(いい意味で)変わるんじゃないかと思っています」
Q 最後の質問になります。この24時間でちょっとだけ幸せだったこと、何かありますか?
「この24時間じゃなくてもいいですか? マジで最近なので…。自分がハマっているカプセルトイで、出てほしかったキャラクターが出たことです。鬼滅の(刃)のガチャガチャをやったんですけど、宇髄天元というほしかったキャラクターが出たので、プチ幸せです」
文:青木 崇
【Bリーガーインタビュー】
【Bリーガーインタビュー】シーホース三河 19番 SG 西田優大(取材日:2022年5月31日)
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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