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吉井裕鷹(アルバルク東京 #8)
大阪学院大学2年の時に大阪エヴェッサの特別指定選手としてB1を経験し、昨季からアルバルク東京に所属し、今季プロデビューを果たした吉井裕鷹。実績のある選手の多いチームの中で、非凡な身体能力とフィジカルの強さを武器に、少しずつ出場機会を得てチームに貢献する機会も増えている。ルカ・パヴィチェヴィッチコーチの熱いコーチングの下、レベルアップの階段を着実に登り続けている吉井が、横浜ビー・コルセアーズとの2連戦を迎える前日の4月8日午後、J SPORTS取材に応じてくれた。
Q アウェイで宇都宮ブレックスから貴重な勝利を手にしましたが、CSのホームコートアドバンテージ獲得を目指すチームの状態をどう見ていますか?
「勝ち星を積み重ねていますし、めちゃくちゃ悪いというわけでもなく、いい雰囲気でできていると思います」
Q ライアン・ロシター選手の故障があったとはいえ、3月以降少し出場機会を得られるようになりました。プロとしての1年目となる今季、自身のプレーをどう評価しますか?
「自分自身もっとできると思いますし、チャンスは自分なりに多少掴めていると思うので、もっとチームに貢献できるようにという感じで見ています」
Q 実績のある選手たちが揃う強豪チームですが、日々の練習や試合を通じて、プレーやメンタル面でより自信が深まったことはありますか? 何かいい例があればぜひ。
「3シーズン前に大阪エヴェッサさんと練習し、特別指定選手として入団させてもらったとき、“ここはどういったプレーだったのか”というところがわかりきらずに終わってしまったのを、アルバルク東京さんに入団してから“ここはなんでこうなっていたのか?”というのが大分明確になりました。いろいろこのチームに来てから学んだことがめちゃくちゃ多いです。アルバルク東京のヘッドコーチの教えは、どれだけ再現度が高く同じことができるかが肝になってきています。そこはなかなか揺るがないというか、一発性のものではなく、常にでき続けるものになってきているのかなと、自分自身は思います」
Q ルカ・パヴィチェヴィッチコーチが指揮官としてすごいと思えることは?
「個人の瞬発的な技に頼るのではなく、ルカ自身が持っている信念を全選手に常に再現度高くやらせることを教える熱意・熱量がすごくて、できるまでやらせるというのがすごいです。みんなも練習中からもミスを少なくしようとしていますし、練習に熱を入れさせるという気迫もすごいです。やはり熱量ですね」
Q コロナの影響でチームとして活動できない時期がかなりありました。その期間にコンディションを落とさないためにどのように生活し、新たに何か学んだことなどはありますか?
「コロナ(の隔離)期間は外に出られなかったので、家でできるトレーニングや食事も出前になってしまいますけど、気を遣って頼んだりしていました。なるべく気持が休まり過ぎずに、バスケットの動画を見たりしていました」
Q 3月5日の三遠ネオフェニックス戦で12点を記録しました。3Pも決めただけでなく、フリースロー試投数も8本という点でも、積極性を出せた点で今まで一番いい試合だったのですか?
「積極的にやっていけたのは自分自身よかったなと思えるのですが、もっと積極的にこれからもやっていければいいなと思います。あの時を振り返ってみて、積極的にできたのはプラスに捉えて、これ以上もっと積極的かつミスを少なくチームに貢献できていければなと思います」
Q 特別指定選手として大阪エヴェッサに入ったことが、B1の選手となるきっかけとなったと思います。大学2年でプロになることを意識したということですが、そのように思えるようになったきっかけはどんなことでしたか?
「大阪エヴェッサに入るきっかけは、僕が所属していた大学の監督が“チャレンジしてみるか?”ということで、入ってきてからかなり意識し始めた感じです。それまでは全然意識していなかったです」
Q 高校と大学を大阪学院で過ごしましたが、同じルートで大阪エヴェッサの木下誠選手、高校の先輩に川崎の綱井勇介選手がいます。大阪学院高校出身者でB1選手が3人いることをどう感じていますか?
「少しの時間ではあったんですけど、一緒にバスケットをさせていただいた。正直他人を気にする余裕など僕自身にはないですけど、Bリーグという枠の中で一緒にプレーできているのは素直にうれしいというのがあります」
Q ライバルは西野曜(サンロッカーズ渋谷)とチームのウェブサイトにありましたが、同じ190cm代後半のオールラウンダーとして高校時代に何度も戦ってきたからですか?
「ライバルというか、わかりやすく高校時代から同じくらい身長で、というのが確かにあります。大阪つながりでライバルというのはわかりやすいので、そういう風にさせてもらいました。特にライバル意識というのはなく、お互いにこれから頑張っていければいいなというところではあります」
Q 確か大阪府のウインターカップ予選決勝で対戦しました。あの時に勝てなかった悔しさがモチベーションとして今につながっていますか?
「はい。トータル的にはそうだったんじゃないかなと思います。自分自身で試合を見返しても、まだまだ未熟だったですし、そこが“これから自分自身は大学に入ってうまくなるんだ”と無意識にそう思っていたかもしれません」
Q ファンの方にぜひ見てもらいたい吉井選手の武器とは?
「ずっと言わせてもらっているんですけど、自分の体のデカさから来るフィジカルなバスケットだったり、試合でもダンクを見せること。ダンクは同じ2点ですけど、(決まると)ファンの人たちが盛り上がるので、もっと出していければと思っています」
Q 残りのシーズンで自分が選手としてこうなりたいと思えることはありますか?
「Bリーグが日本人のリーグとはいえ、現状は4番(パワーフォワード)5番(センター)というポジションが外国籍選手と凌ぎを削らなければいけないので、かなり厳しい環境です。そこでも戦いつつ、ポジションをあげて3番(スモールフォワード)でプレーできていければいいなとずっと思っています。そこでの僕自身の技術だったり、考え方だったりがまだ未熟なので、そこをもっと…。試合で披露できるかはちょっと、残りのシーズンでどうなるかわからないです。僕自身は4番でもそうですし、3番でもステップアップできていければと思っています」
Q アルバルク東京でプレーしていてよかったなと思えることは?
「僕自身、バスケットの考え方が成長したと思っていますし、それを魅力的に感じてこのチームに入らせてもらったので、そこは間違いないなと思っています。バスケットの考え方や身体の使い方というのが、このチームに入ってよかったなと思う部分ではありますね」
Q 最後の質問になります。この24時間でちょっとだけ幸せだったこと、何かありますか?
「最近ちょっと寝付きがいいので、昨日もそんなに時間がかからず早く睡眠に、寝床についてから寝ようと決めてから早めに寝られたということですかね」
文:青木 崇
【Bリーガーインタビュー】
【Bリーガーインタビュー】アルバルク東京 8番 SF 吉井裕鷹(取材日:2022年4月8日)
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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