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林翔太郎(滋賀レイクスターズ #33)
林翔太郎が新潟アルビレックスBBから滋賀レイクスターズに移籍した理由は、スペイン代表のアシスタントコーチとして2019年のワールドカップ制覇に貢献したルイス・ギルから学びたいと思いからだった。新型コロナウィルスの影響で2か月以上試合をできないという大変な時期に直面したが、熱血漢のギルコーチからの学んできたことと隔離期間中に映像をたくさん見ることができたことで、バスケットボールIQが上がったと感じている。スキルの部分でもメンタルの部分でも成長し続ける林に、3月30日の群馬クレインサンダーズ戦を前にいろいろ話を聞くことができた。(3月29日取材)
Q 滋賀に移籍しての1年目、序盤は6勝2敗とチームとしていいスタートを切りました。よかった理由は?
「序盤はやっぱり僕たちのバスケットができていたというか、アグレッシブにどんどん攻めるので、僕たちのバスケットはポゼッションが本当に多いんですけど、ディフェンスをハードにやって(ショットを)決められても、すぐにリスタートしてということで相手が対応できてなかったというのが、一番の要因だったのかなと思っています。シーズンが続くにつれてどんどん対策され、そこで僕たちがちょっとアジャストできていないために、ちょっと勝ちになかなかつかない状態になってるのかなと考えてます」
Q その後は苦戦が続いただけでなく、コロナの影響で約2か月試合ができない状況にも直面しました。この状況で自身がオンコート、オフコートの両面で新たなに認識したことや実感したこと、何かありますか?
「コロナの影響でなかなかバスケットボール自体をできない時もあったんですけど、一番は他のチームの試合をしっかり見れるというのが一番大きくて、何か改めて自分たちがどういうバスケットすればいいのかとか、そういうのを再確認しました。コロナの隔離が終わってチームの練習できるようになってからは個人のワークアウトというのに力を入れて、個人がもっとオープンショットの確率であったり、そういうところをしっかり決め切る力をつけていくことを優先し、試合がなかった期間はそういう練習していきました」
Q バスケットボールIQのレベルアップにつながりましたか?
「はい、ものすごく自分の成長にもつながったのかなっていう風には思っています」
Q 滋賀というチームでは、何をもたらすことで勝利に貢献したいと思っていますか?
「今の僕はシューターのポジションをやらしてもらっているので、3ポイントをやはり一番確率よく決めたいというか、外し続けても試合の大事な局面の最後の一本を決められるような選手になりたいです。あとはディフェンスが持ち味だと思っているので、アグレッシブなディフェンスでチームに流れをもたらして行きたいなと思っています」
Q 今季3度の2ケタ得点を記録していますが、チームはいずれも勝利しています。アグレッシブに得点を狙う必要性について何か感じることはありますか?
「序盤は本当に気持ちよくシュートを打てていて、多分京都戦が2試合連続で2ケタ取って(10月16日が11点、17日が9点)、3ポイントを確率よく決めること(2試合で10本中6本成功)ができ、試合にも勝つことができたんです。ただし、ちょっと自分自身シュートが入らない時に、“ここで自分が打たない方がいいんじゃないか?”っていうメンタルになってしまった時期があって、そういう時はチームで打たないといけない時に僕が打たなくて、結局ターンオーバーであったり、味方のタフショットにつながっていた場面があったので、そういう部分を変えていかなければいけなかったと思っています」
Q ルイス・ギルコーチは非常に熱い人ですが、彼のコーチングによって自分が学べたことやレベルアップできている感じることはありますか?
「やっぱりルイスさんはパッションが本当にすごくて、試合中でもものすごくプッシュしてもらえるんですけど、Bリーグを探してもどこのチームにもいないと思うんですよ、あんなに熱い人は。試合中あんなに言われたり指摘されたりしたことがなかったので、そういった意味でもメンタルが強くなったというか、自分がやらないといけないことを明確に遂行する力がついたのかなと思っています」
Q 小澤智将選手やシーホース三河の長野誠史選手と大学で一緒にプレーしていました。東海大学九州でプレーしたことが今のキャリアにどうプラスに働いていますか?
「4年間、本当に日本で一番きついと自分たちで自負できるぐらいの練習をしてきた自信があるので、そういった面では続けるじゃないですけど、(いろいろ)言われることには慣れたのかもしれないんです。そういった面では(滋賀の)他の選手よりは大分言われ慣れているというか、そうなのかなと思うんですけど…」
Q 大学でも川崎ブレイブサンダースでも一緒でした小澤選手はどんな存在ですか?
「僕に持ってないもの持っている選手だと思っていて、(サンロッカーズ)渋谷戦の前半だけで6分の6とかあったんですけど、やっぱり打つと決めたら打つというメンタリティが本当にリスペクトできますし、そういうところを見習わないといけないと思います。プライベートではやっぱり友達であり、ラフに接することのできる親しみやすい先輩なので、仲良くさせてもらっています」
Q 旭川大学高校で全国の舞台は経験しなかったと思いますが、プロとしてやってみたいと思うようになったのはいつごろで、何かきっかけがあったのですか?
「僕がプロ選手になりたいと思った一番のきっかけは、大学の時に(アンダー22の)日本代表に呼んで頂いた時。関東の選手のすごさというか、そういうのを目の当たりにして、僕もこういう世界でバスケットがしたいって強く思いました」
Q 全国大会に縁のない中高校生のバスケットボール選手に向けて、自身の経験からこれは伝えておきたいということ、何かありますか?
「やはり、一番は辞めないで続けることの大切さ、どんな大学でもどの高校でも、僕は絶対にプロになれると思うんです。自分の頑張り次第でどうにかできることと僕は思っていますが、それはやっぱり続けないと絶対に達成できないこと。環境で言い訳をせず、自分の置かれている環境だけで続けていくってのが、僕は一番大切だと思います」
Q 残りのシーズンで自分が選手としてこうなりたいと思えることはありますか?
「もっとエゴを出してチームを勝たせる選手でいたいです」
Q 滋賀でプレーしていてよかったなと思えることは?
「やはり、僕がレイクスを選んだ理由として、ルイスさんのバスケットを教わりたいっていうのが一番大きかったです。そういうスペインのバスケットというか、ワールドカップでも優勝している(スペイン代表の)アシスタントコーチで入っているので、そういうコーチから学べたのは本当に一番良かったなと思っています」
Q 改めてギルコーチのすごいところは?
「レイクスに入って今までしたことのないようなバスケットのプレーというか、ディフェンスであったり、オフェンスのスペイン・ピックアンドロールとか、そういう一つ一つのプレーがまったく自分が知らないものだったので本当に新鮮でした。周りの選手たちからも、例えば川崎と試合した時とか先輩方からは、“本当に滋賀はおもしろいバスケするよね”と言ってもらえるのがすごくうれしかったですし、本当にレイクスに入って教わることができて良かったなと今でも感じてます」
Q 最後の質問になります。この24時間でちょっとだけ幸せだったこと、何かありますか?
「今ちょうど遠征中のホテルにいるんですけど、ご飯がおいしいことですね」
Q 何を食べましたか?
「パスタとシチューがおいしかったです」
文:青木 崇
【Bリーガーインタビュー】
【Bリーガーインタビュー】滋賀レイクスターズ 33番 SF 林 翔太郎(取材日:2022年3月29日)
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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