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バスケット ボール コラム 2022年1月18日

全文公開!Bリーガー独占インタビュー:熊谷航(信州ブレイブウォリアーズ #11)

B.LEAGUEコラム by 青木 崇
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熊谷航(信州ブレイブウォリアーズ #11)

今季から信州ブレイブウォリアーズでプレーしている熊谷航は、武器のスピードを生かした得点とゲームメイクで存在感を示している。特に古巣のシーホース三河を倒した天皇杯4次ラウンドでは、16点を奪って勝利に貢献。B1のレギュラーシーズンでも10月24日の大阪エヴェッサ戦での19点を最高に2ケタ得点を7度記録するなど、今季の信州にとって重要な戦力になっているのは明らかだ。熊谷はケガ人が多くチームが苦しい状況であっても、ポジティブにサポートしてくれるファンの温かさを体感しながら、一生懸命にプレーし続けている。(1月14日取材)

Q シーホース三河から信州ブレイブウォリアーズに移籍しての1シーズン目、ここまでのパフォーマンスをどう評価していますか?
「序盤戦の10月と11月は、同じポイントガードの西山(達哉)さんがケガをしていたこともあり、すごくプレータイムをもらいました。自分自身、最初の何試合かはあまり納得のいくパフォーマンスができていなかったのですが、その中でもチームは勝っていました。自分としては悔しさもあり、満足もありという序盤戦でした。その後はだいぶ自分のよさを出せるようになってきました。ケガ人も多く万全のメンバーでやれていないんですけど、その中で勝てる試合を落としていたので、ちょっと苦しい(シーズン)前半戦だったかなと思います」

Q 三河の選手として見ていたときと現在を比較してみて、自身で感じた信州というチームの印象で“これは違ったな”と思える部分、何かありましたか?
「やはりシステムの多さということで、信州は特別に多いのかなと思います。スペーシングをすごく大事にするチームなので、そういった細かいところやディフェンスの約束事が多いことが、こっちに来てからすごいなと思いました」

Q 勝久マイケルコーチからどんなことを求められていて、自身の役割で最も重要視している点はどんなことですか?
「オフェンスとディフェンスの両方あるのですが、オフェンスに関してはペイントにアタックすること。スピードとかドライブは上位のチームとやってみても通用するなと思ったので、そこは求められています。あとはディフェンスのプレッシャーで、前から常に当たって、相手のガードにとって嫌らしいことをするということ。この2つは最低限求められているなと思っています」

Q 岡田侑大とまた一緒にプレーできることは、司令塔としてよりゲームを楽しめる要素になっていますか? 
「本当にそうですね。得点力に関しては彼の右に出る者がいないじゃないかなと思っています。そのよさをいかに出せるか、気持ちよく彼をプレーさせられるかというのは、試合のノルマじゃないですけど、一緒に出ている以上そういった気持ちを持ってやっています」

Q ウイングアリーナ刈谷で古巣と対戦して勝った天皇杯は、熊谷選手にとってどんな試合だったか話していただけますか?
「キャリアをスタートさせたチームでありますし、ましてはウイングアリーナでやるということで、かなり気合が自分の中で入っていました。ただ、冷静にやらなければいけないと思っていて、そのバランスを取ることがうまくできた試合でしたし、なおかつ勝てて自分のいいプレーもたくさん出たので、一つ恩返しができたんじゃないかなと思います」

Q 無観客になりますが、沖縄アリーナで琉球ゴールデンキングスと対戦する天皇杯の準々決勝、信州が勝利するためのカギはどんなことでしょうか?
「リバウンドは大事なキーになります。琉球はリバウンドが非常に強いチームですし、オン・ザ・コート3もやってくる時間帯もあると思います。リバウンドを一発で取れれば、信州の展開になっていくんじゃないかなと思っています」

Q チームが天皇杯で勝ち上がることの意味をどう捉えていますか?
「難しいですね。レギュラーシーズンに持っていくのか、それともこの天皇杯に意識を向けるのか…。今のコロナの状況でみんななかなか難しいと思いますが、まずは一発勝負でやれるということは、後々のチャンピオンシップに向けた前段階じゃないですけど、いい(予行)練習になると思いますし、同じ地区で首位の琉球とやれることはレギュラーシーズンにも生きてきます。やるからには無観客ではありますけど、ここまで勝ち残れているチームとして権利がもらえているわけですので、その後のことを考えず、まずは目の前の試合に集中してやりたいと思います」

Q 今季を戦い抜くうえで熊谷選手にとって最大のチャレンジだと思えることは?
「チャレンジかどうかわかりませんが、信州に来てから結構大事な場面でシュートを打つことは、昨シーズンまでと比べて多くなってきています。ということは、ビッグショット、ウィニングショットを決めるくらいの力が毎試合ないと勝ち上がれないですし、自分のパフォーマンスでチームの勝ち負けも少なからず大きい(影響がある)とは思っています。そこでいかに自分が100%の力を出せるかというのは、今シーズンのチャレンジでありますし、自分自身シーズン前から(そうなると)少し予想していて、こういう風にいい場面で決めたいと思って臨んでいます」

Q やりがいとワクワク感が上がっていますか?
「本当にワクワクもありますが、バランスが大事になってきます。緊張しなさすぎてもダメですし、逆に緊張しすぎてもダメなので、試合前のメンタルコントロールは大事だと思います」

Q 学生時代に自身のキャリアに影響することになった学びや気づきのエピソードはありますか?
「考えると言いますが、そういった力は今の自分のキャリアに生きています。大学時代は終わった後に自主練習を結構やっていて、だれかに言われて“これをやろう、あれをやろう”というのではなく、自分や同じポジションの人と今苦手なことだったり、何が足りないか、試合中にミスしたシュートを反復してやるなど、自分で考えてメニューを作っていました。そういった準備としてまずは映像を振り返ったり、今で言うとレギュラーシーズン。他のチームもそうですし、自分のチームの試合も振り返って、“ここはこうできたらよかったな”という考える力は、大学時代に学びました」

Q バスケットをやっている中高生にアドバイスをするならば、どんなことを伝えたいですか?
「今の中学生とかはいい環境と言いますか、レベルも上がっていますし、映像をすぐに見られるのはいいと思います。その中で、例えば同じシューティングにしても、右利きの選手だったら左から右でもらうのが多分得意な人が多いと思いますが、それを同じリズムではなく、逆足の右・左でもらったり、ジャンプストップでもらったりとか、同じ練習をするにしても考えて工夫をすれば、自分が苦手なことを得意になっていくと思います。僕が小学生に戻ったら、そういったことをやりたかったなと思います」

Q 信州を応援する皆さんに何か伝えたいことがあれば、一言お願いします。
「街もスーパーに行っているときに声をかけてくださる方がたくさんおられますし、本当に温かいファンです。チームが何連敗しているときにネガティブな発言をしたくなるはずですけど、その中でもポジティブな声を耳にしますし、何よりも地域密着でやっているチームだと思うので、今から後半戦が始まりますので、応援よろしくお願いします」

Q 最後の質問になります。この24時間でちょっとだけ幸せだったこと、何かありますか?
「家に帰ってきたときに自分の目の前のところも雪かきをしてくれていたのが、この24時間でちょっとうれしかったですね。昨日から1日中降っていて、住民の方が自分の駐車場のところまで雪かきをしてくれたことにすごく温かいなと感じられたのは、この24時間でちょっとハッピーなことでした」

文:青木 崇

【Bリーガーインタビュー】

【Bリーガーインタビュー】信州ブレイブウォリアーズ 11番/PG 熊谷 航(取材日:2022年1月14日)

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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