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バスケット ボール コラム 2021年11月5日

全文公開!Bリーガー独占インタビュー:渡邉裕規(宇都宮ブレックス #13)

B.LEAGUEコラム by 青木 崇
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渡邉裕規(宇都宮ブレックス #13)

宇都宮ブレックスでは田臥勇太選手に次いで在籍期間が長く、ここぞという局面や相手に大きなダメージを与える3Pを連発するナベタイムでファンを魅了する渡邉裕規。群馬クレインサンダーズとのホーム開幕戦でまさかの連敗というスタートを切った宇都宮だったが、10月27日に昨季のファイナルで負けた宿敵の千葉ジェッツに大勝するなど、ここ5試合で4勝を調子を上げている。地元でラジオ番組を持つなど抜群のトーク力を持つ渡邉に、今回のインタビューでチームの現状や自身について話してもらった。(11月4日取材)

Q ここまで5勝4敗ですが、ここ5試合で4勝という今のチームの状態はいかがですか?
「よくなっているかなと思います。ジェフ(ギブス)とライアン(ロシター)が長くいた(影響の)ところという部分が出ていましたけど、それもようやくチームのカラーが決まってきたような感じがあります。去年とはまた違うプレースタイルになってきているかなと思います、やっていくうちに…」

Q 千葉ジェッツ戦の勝利は、今後の戦いにおけるパフォーマンスの基準になると思いますか?
「まだ数試合しかしていないですけど、今シーズンのベストゲームというか、モデルになるようなゲームじゃないかなと思います。渋谷の2戦目もだいぶ良かったですけど、ただケガの選手もいたし、正直あちらが万全じゃないというのもあるけど、千葉は全員ベストの選手が残っていてああいう試合ができたのは大きかったのかなと思いますね」

Q 今季のB1はより競争レベルが上がったと感じますか?
「それはもちろん。移籍市場のこともそうですけど、なかなかおもしろい移籍が多くなって、見ている方にとってはすごく刺激的なシーズンになるんじゃないかなとは思います。西のチームとまだやっていないので、西のチームとの戦いは今まで以上に白熱するのかなと思います」

Q 天皇杯期間中のブレイクでチームの練習で重視してきた部分は?
「戦術的なところはほとんど変わっていないですけど、落とさないことですよね。千葉戦のパフォーマンスができたにもかかわらず、ブレイク明けでまた悪い流れになってしまうと、積み上げてきたものを下げることになるので、あの強度を保ちつつとか、ホームでなくアウェイでどこに行ってどんな状況でもあのプレーができたり、あとはもうちょっと劣勢になったりしたときにもう一度全員で上がっていけるような状況というのは今後の試合でも出てくると思う。すべてがああいう試合じゃないから、そういうのにアジャストするようなチーム力だったり、バスケットボールのプレーの質だったり、長年いる選手がうちは多いのでそういうことはわかっていると思いますけど、そこでプチンと糸が切れないようにしないといけない」

Q ライアン・ロシターとジェフ・ギブスが抜けた今季は、比江島慎がスコアラーとして活躍しています。彼のパフォーマンスについての印象と、試合終盤のクラッチタイムにおける勝負強さに対する期待度はいかがでしょうか?
「彼は元々あれができますけどね。できますけど、どっちかというとジェフ? というよりはライアンのほうが長く出ているのかわからないけど、そこら辺の連携。ライアンはインサイドでゴリゴリやるタイプじゃないけど、今のジョシュ(スコット)とアイザック(フォトゥ)はシールをするし、スクリーンをしっかりかける。ライアンはライアンで去年のポケット(ピックのプレーを1回だけで攻めるのではなく、次のプレーをイメージした継続性のきっかけとなるピックのプレー)の良さだったり、アウトサイドのシュートの確率が高かった。僕自身オンボールやオフボールで使うときにしっかりシールしてくれるので、今の2人はね。この前の千葉の試合は特にそうだと思いますけど、比江島のステップがどうだらって言われていますけど、あれはアイザックやジョシュがしっかりスクリーンをかけているからこそ、比江島のセンスみたいなのが生きるという話で、そこら辺はかなり今年の2人と比江島の相性がいいのかなと思います。去年の相性が悪いというわけではないというのはわかっているし、それがライアンとジェフの力。慎のパフォーマンスが上がったというのは、彼の自覚がもちろんありますけど、うちに3~4年いるから結果を出さなければいけないし、もっとスタッツを上げなければいけない状況。今年さらにオリンピックも経験してやらなきゃという本人の意識があるだろうし、なきゃダメだしね…。それにアイザックやジョシュがどちらかと言えば泥臭くて献身的になので、彼に合っているのかなと思います」

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Q 新外国選手が加わりましたが、アイザック・フォトゥ選手の存在がチームにもたらす意味は?
「やはりいいスクリーナーであり、いいファイターであり、いいリバウンダーであるというところが、非常にうちのチームに合っているかなと。性格的にも試合中は熱く戦ってくれるけど、かなり接しやすいので、本当にブレックスに来てくれて、ブレックスのバスケットを楽しんでいて、うちのチームを好きでいてくれるような、すごい短い時間しかいないけどそれを感じるので、すごくうちのチームに適していると思います」

Q チェイス・フィーラー選手は開幕当初苦戦していましたが、徐々にプレーの質が上がってきています。彼をより生かすうえで何が重要だと渡邉選手は考えていますか?
「あまり考えさせすぎないことかな。あとは期待を持たせすぎない。彼ができるのはわかっていますけど、過度に”ああしろ、こうしろ”と言うのも…。戦術の中ではもちろん僕なんかよく言いますよ、一緒に出ることが多いので…。もっとファストブレイクが彼の中で出れば。どうしても重くなっちゃうので、あいつのミスマッチを突くとかで…。シュートが入る入らないはみんなあると思うから、そこは打ち続けてほしい。やはり自信を持ってプレーをすれば、渋谷の2戦目だったりこの前の千葉戦でいいプレーをしていた。そこら辺の実力というよりは、あまりいろいろなことを背負わせすぎないこと。ブレックスの何がこうでってわかっている選手なわけじゃないですから、まずは彼の良さ、ウイングスパンの長さだったり、あとはドリブルもつけるから、点をとってというよりも、まず思い切りプレーしてファウルをもらったり、自分の良さが試合の中で出てくれば、気持が乗ればすごくいいプレーができると思う。そこら辺はあまり心配していないですけどね。みんなでダメなときはダメだし、チェイスもプレーしてみて違うと思うはずだから…。そこはそこで実力がある選手なので、自信を持って自分の良さを出し続けてくれればいいなと思います」

Q トップリーグでプレーするようになって12シーズン目です。先発でもバックアップでもローテーション選手としてチームに貢献し続けられる理由はありますか?
「ネガティブな意味じゃないですけど、自分に自信があるからだと思います。それは自分のすべてにおいてではなく、適材適所で自分が活躍する場所とか、活躍する場面とか、自分をどういう風に見せるかという場面をわきまえてプレーしているつもりでいます。例えば、なんと言えばいいのかな、難しいけど…。あまり自分に過度な期待をしていないです。そういうところだと思います。“これくらいだろう”という限界を決めてはいけないとよく言われますけど、できることはできるし、できないことはできないけど、そのできることをどこで発揮するかとか、インパクトを与えるかとか、あとは一生懸命にやるのは当たり前なんだけど、それの場面というか、みんな能力あふれるメンバーがいるんだから、それを生かす。でも、自分のいいところは誰もが持っているはずだから、そこだけブレなければ長く続くはずですけどね。もちろん、ケガもありますけど、それは個性だから。何か自分だけのものがあれば、うちなら(喜多川)修平さんもそうだし、(竹内)公輔さんもそうだし、長くプレーしている選手は何かそういうのがある気がします。もちろん、メンタルやキャラクターだけではなく、何かこう自分の中の芯みたいなものがある選手が長いのかなと思います」

Q チーム在籍が田臥勇太に次ぐ長さになっています。経験豊富なベテランとして今季、ブレックスに何をもたらしたいと思っていますか?
「優勝をもう一度したいのはもちろんあります。やはり栃木県というところは大きいわけじゃない。例えば東京とか大阪とか沖縄とかビッグシティがあるわけで、札幌もそうだし。そういうところ(栃木県)でもバスケットボールが盛り上がっているという事実をもうちょっと、県内でもそうだし、全国的でもそうだし、栃木県と言えばブレックスがあるというようなもの。それはユースの体制も然り、地域貢献も然り、チーム体制も然り。地域には根付いているんですけど、もっともっとブレックスというものを知ってもらう。この体育館(ブレックスアリーナ宇都宮)に県外から来ていただいている方もたくさんいますけど、やはり“栃木と言ったら宇都宮ブレックスというチームがある”というのを、もっと伝統的なものにしていけたらいいなと思いますし、それを担えればいいかなと。栃木県のよさがどうこうではなく、栃木県という場所で体育館に行ったら、これだけ盛り上がっているスポーツがあることを知ってもらえれば、一番僕はうれしいですけどね。もうちょっと街を歩いていて声をかけられるようになりたいですね」

Q 渡邉選手にとってブレックス・ネイションとは?
「他では味わえないものだと思いますね。他のチームは在籍していないからわからないですけど、このプレーオフの雰囲気も然り、ホームゲームに来るとうちの体育館では絶対にやりずらさがあると思うし、僕の体感では他のアウェイであまり感じないかな、この雰囲気は。もちろんコロナで抑えられている部分がたくさんあると思いますけど、その中でもこの場面場面での盛り上がりもそうだし、本当に会場が一体になって相手を倒しにいっているというものは、他のチームにないのかなという自信はありますね。うちのチームメイトへの自信がありますし、ファンの皆さんも、フロントの方々も、スポンサーの方々も一体になって、1勝を取りにいっているという感じが僕にはある。それが他にはないかなと思います」

Q この24時間でちょっとだけ幸せだったこと、何かありますか?
「車で曲を流すんです。ちょっとの時間しか運転しないけど、いつもシャッフルにしているんですよ。何十曲と入っている中でシャッフルのボタンを押したら、“これがかかってほしいな”という曲が一発でかかったことかな。たまたまなんですけどね(笑顔)。あまり行儀のいい曲じゃないので言いたくないです」

文:青木 崇

【Bリーガーインタビュー】

【Bリーガーインタビュー】宇都宮ブレックス 13番/PG 渡邉 裕規(取材日:2021年11月4日)

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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