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山崎 稜(群馬クレインサンダーズ #30)
3シーズン過ごした宇都宮ブレックスを離れた昨季、シュート力とタフなディフェンスで群馬クレインサンダーズのB1昇格に貢献した山崎稜。このオフに再契約にサインし、再びB1の舞台で戦うチャンスを得た。B1経験者が9人というロスターということもあり、今は出場時間を確保するための競争がチーム内で繰り広げられている。10月1日の夜、山崎は古巣相手の開幕戦で成長した姿を見せたいということでもモチベーションが高い。(8月23日取材)
Q B2を圧倒的とも言える強さで制し、B1に昇格した昨季はどんな1年でしたか?
「B1からB2に行くというところの思いもそうですし、自分なりに最初はプライドとかちょっと気にしていたんですけど、それでも群馬を絶対B1に上げなければいけないというのがありました。そこだけになるべくフォーカスするようにして、それを達成できたのですごくホッとしています」
Q プロとして9年目を迎えるわけですが、2シーズンぶりのB1で山崎選手はどんなチャレンジを楽しみにしていますか?
「またB1の舞台でやれるという楽しみな部分と、本当にB1のレベルが高いと思うので、その中で自分がどこまでスタッツ面で結果を残せるか、楽しみというか結構ワクワクしています」
Q この夏、自身のレベルアップで力を入れていることはなんですか?
「シューティング、3ポイントの部分というのはずっとやってきた部分ですし、自分の武器・強みとしてやっているので、そこは継続していこうと思っています。もっとオンボールのハンドラーとして使ったり、自分で何か動きを起こすという部分がもう少し混ざってくると、シューターとしてだけではなく、クリエイトしていく部分があると守りにくいプレーヤーに変わってくると思います。そこはもう少し自分の中でも簡単に守られるような選手になりたくない、相手からちょっとつくのが面倒くさいなと思われるような選手になっていこうと思って取り組んでいます」
Q 今季のチームで自身の役割は基本的に変わらない感じですか?
「そこまで大きく変わることはないと思うんですけど、その中で使う部分が出てくると思うので、ただ(ボールが来るのを)待っているだけではなく、自分からもらいにいったり、使ったりしていきたいです」
Q 新加入選手と外国籍選手が合流して練習も本格化していると思いますが、出場時間を得るための競争がすでに激しいなという実感はありますか?
「はい。僕は結構練習の中でも競争(レベル)が高いなと思ってやっているので、新加入選手もB1から来ましたし、その中でプレータイムを与えられるだけではなく、自分から勝ち取っていかなければならないと思っています。まずは信頼を得るためにやっています」
Q 東京五輪の映像でオンドレイ・バルヴィン選手を見たと思いますが、一緒に練習してみての印象、チームにどんな利点をもたらすと感じていますか?
「圧倒的な高さがゴール下で生まれるので、去年以上にペイント内での2点とか、リバウンドの数は増えてくると思います。マイケル・パーカー選手が帰化で(実質外国籍選手が)一人多い状態でプレーできるのも強みですので、リバウンドとペイント内の得点というのは上がるのかなと思っています。そこに(相手が)集中してくれると、逆に外から打ちやすくなるという部分があって、中外うまくバランスをとっているのかなと思います」
Q 実際に試合をしてみないとわからないでしょうが、B2からの昇格チームとはいえ、メンバー12人中9人がB1経験者です。チャンピオンシップ(CS)進出争いは最低限の目標ということでしょうか?
「そうですね。みんなまずはそこを目指してやっていこうという共通認識があります。東地区が激戦ですけど、そこから勝ち上がってCSに出ようというのはあると思います」
Q アメリカに留学経験があり、英語を話せると思います。自身がトーマス・ウィスマンコーチや外国籍選手とのコミュニケーションを積極的に行うことは、チームが成功するためのカギになるという認識は持っていますか?
「それを思いながらやっています。去年からそうだったんですけど、ほとんど日本人選手で英語をうまく話せる選手がいなかったので、僕が率先してチームが伝えたいことだったり、コンセプトがうまく伝わっていない時は僕からも言っていました。逆に外国籍選手が言っていることを日本人選手に“こういう風に思っているし、こういう風に動いてほしい”というのを共有してやっていたので、それは今年も引き続き、特にヘッドコーチが外国人になったので、そこをもっと日本人選手に還元できる部分が多いと思って、コミュニケーションをとるようにしています」
Q 高校卒業後にアメリカに渡り、帰国してプロになるという例が最近は増えてきています。自身の経験から、アメリカに行ってよかったことや学びの部分で何かエピソードはありますか?
「(サイズの)高さと身体能力の高さに慣れるのはすごくプラスだったのかなと思います。アメリカは練習中からすごくバチバチやるので、それに慣れていたのも結構プロになってから生きているかなと思います」
Q 今季の開幕戦が古巣宇都宮ブレックスとの対戦になると分かった時、どんな思いが頭をよぎりましたか?
「なんか予想とまではいかないですけど、ちょっと可能性があるなと思っていました。楽しみな面もありますし、逆に(彼らが)僕のプレースタイルをわかっているのでやりづらさとかがあると思います。それ以上に僕が成長した姿を見せる機会でもあるので、楽しみのほうが大きいです」
Q ファンの皆さんに向けて、今季の抱負と群馬クレインサンダーズをアピールしていただけますか?
「B2から上がってきて、今まで結果をしっかり残せたチームはないと思うので、僕たちが上がった初年度でCSに出て優勝争いに絡めるようなチームにしていきたいと思います。それができるメンバーが集まったと思っているので、ファンの皆さんに期待して応援してもらいたいと思います」
Q 最後に、この24時間ちょこっとだけ幸せだったこと、何かありましたか?
「今ちょうどキャンプをしていて、2部練をしているんですけど、朝ゆっくり寝られたことですかね。睡眠時間が短かったので、たくさん寝られたのがささやかな幸せでした」
文:青木 崇
【Bリーガーインタビュー】
群馬クレインサンダーズ 30番/SG 山崎 稜(取材日:2021年8月23日)
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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