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バスケット ボール コラム 2021年4月8日

全文公開!Bリーガー独占インタビュー:藤井祐眞(川崎ブレイブサンダース #0)

B.LEAGUEコラム by 青木 崇
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藤井祐眞(川崎ブレイブサンダース #0)

川崎ブレイブサンダースの大黒柱は、今もニック・ファジーカスであることに変わりはない。しかし、違いをもたらす選手ということでは、藤井祐眞も存在感を増している。緊迫した場面における得点力だけでなく、チームが苦しい局面から抜け出せるきっかけとなるハッスルプレーを何度も連発しているのがその理由。攻防両面で素晴らしいパフォーマンスを発揮すれば、川崎はより強いチームへと変貌する。天皇杯とB1制覇の2冠を目指すチームの中心選手となった藤井に、4月7日の練習後に話を聞くことができた。

Q 自身としては初の天皇杯制覇。あの大舞台で結果を出し、ポイントガードとしてチームに貢献できたことをどう捉えていますか?
「本当に、素直にうれしかったですけど、個人的にはもっといいパフォーマンスをしたかったのはあります。ただ、準決勝なんかはJ(ジョーダン・ヒース)だけが一人調子良くてスリーを決めてくれましたし、決勝も、いつも宇都宮(ブレックス)とやるときはロースコアゲームになるんです。ああやってお互いディフェンスを頑張ってシュートが入らないみたいな展開なので仕方なかったんですが、ディフェンスは本当にすごくよかったかなと。もう少し相手のスウィッチ・ディフェンスをシンプルに攻略できれば、もっとスムーズなオフェンスができたかなと思います。そういう中でもアグレッシブに攻めてドライブしたり、シュートを打ったりして、そういうところでリバウンドが取れたり、ターンオーバーで終わらないオフェンスができていたので、あとは決め切る力とシンプルな組み立てができればもっとよかったかなと思います」

Q 天皇杯とB1の2冠を成し遂げる可能性があるという今のチーム状態はいかがですか?
「非常にいい状態だと思っています。チーム内でもいいコミュニケーションが取れていますし、シーズン前半で苦しんだところというのがしっかり修正できていて、ビッグラインナップもようやくチームの武器として形になってきているので、本当に自信を持ってやれています。ケガ人が、熊さん(熊谷尚也)とマティアス(カルファニ)の2人いるので、そこが帰ってきてチームとして全員揃った状態で戦っていけたらなと思っています」

藤井祐眞(川崎ブレイブサンダース #0)

Q 中止になる試合が増え、川崎は60試合できない可能性が出てきたため、東地区優勝へもう負けられない状況です。今後の試合はチャンピオンシップを戦う時と似たメンタリティ、危機感がチーム内にありますか?
「正直、この前の(アルバルク)東京戦も出発前くらいまで試合があるという想定で僕らも準備していましたし、そういう中でいきなり中止になってしまったり、他のチームで陽性者が出てしまったり、濃厚接触の扱いで試合が中断してしまったりというのは、モチベーションとして保つのが難しい状況であると思うんですけど、僕らは1試合1試合をやって、ホームコート・アドバンテージを得るというのを目標にしています。地区優勝もまだまだ目標としてやっているので、そういう意味では1試合1試合を大切に、他力本願というか、宇都宮さんと千葉(ジェッツ)さんの結果次第になってしまうんですけど、僕たちは勝ち続けるしかそのチャンス、可能性が残っていない。チャンピオンシップの緊張感とは違うんですけど、一つの目標に向けて1試合1試合を大切に戦っていきたいと思います」

Q ブレサンファミリーの皆さんで埋まるとどろきアリーナでCSを戦いたいというのは当然ありますよね?
「そうですね。ここでアドバンテージを得たいですし、ホームのほうが勝つ確率というか可能性が大きくなるので、なんとしてでもホームでやりたいという気持は強いです。そこは宇都宮さんと千葉さん次第という…はい」

Q 藤井選手のパフォーマンスを振り返ってみますと、4月4日の三遠ネオフェニックス戦(9点)まで15試合連続で2ケタ得点を記録していました。その間に3Pを50%(60本中30本成功)の確率で決めています。天皇杯ではショットが少し入らなかったという印象をお持ちかもしれませんが、レギュラーシーズン後半はシューティング・スランプに陥ることなくいいプレーができているのでは?
「そうですね。シュートに関しては自信を持っていますし、(シーズンの)前半入らなかったですけど、打ち続けることは大切だと思っています。自信を持ってプレーする。チームの調子も上がってきていますし、個人的にも悪くないというか、いい感触があったので打ち続けていたんです。三遠の1戦目が終わって15試合連続2ケタ得点継続中みたいな話をどこかにインタビューされたんですけど、それを言われたからもう終わるなと正直思ったんです。意識すると終わっちゃいません?それまでずっと言われていなかったのであまり意識せずというか普通にやれていたんですけど、そう言われたから“WOW、これ多分もう終わるな”と思ったら、本当に終わりました」

Q 2月28日の横浜ビー・コルセアーズ戦で決めたブザービーター。勝利に導いたのははプロ初ということですが、ガードとしても小さい藤井選手がポストアップからのフェイドアウェイというのは、相手も驚いたと思います。ボールをもらうところから改めて振り返ることはできますか?
「あのシーンは練習でもやっていたというか、練習でもあのセットプレーでローポストまたは裏パス。相手がフロント側、ボールサイド側に被ってきたら裏パスを狙って、裏についてきたらポストアップを狙って、それがダメだったら次という展開だったんですけど、相手がシンプルについてくれたので、ポストでもらおうと思って(ボールを)もらいました。最初もらった時にスピンか普通に行くかの2択だったんですけど、ディフェンスがギャンブルせず普通についてきた。押し込んで中にステップインしてついてきたから、フェイドアウェイで打ちました」

Q ポイントガードのポストアップはなかなか見られないですよね。
「そうですね。僕もあまり回数をしていないですし、身長のアドバンテージというのは逆に僕のほうが小さかったので、向こうからしたらあまり想定していなかったと思うんです。ただ、練習であのプレーをやったりしていましたし、シチュエーションゲームみたいなのも練習をしていました。そこで賢次さん(佐藤賢次コーチ)がセットプレーを選択してくれたので僕は自信を持って最後打ち切ろうと思って打ちました」

Q 何度か川崎戦の解説をしていますが、川崎のクローザーは藤井選手という話をしたことがあります。ニック・ファジーカス選手が今もオフェンスの核だと思いますが、横浜戦のように勝負を決めるプレーがこの2シーズンで増えてきたなという印象を持っていますか?
「個人的にも4クォーターのほうが足が動くというか、試合の終盤、勝負どころにつれて体がなんかどんどんどんどん動いていく。そういうところで4クォーターに相手が一番疲れている時に僕は逆にアドレナリンが出ているのかわからないですけど、どんどん動けているので、試合の終盤にいい仕事ができているのかなと思います」

Q チャージングを取ることやルーズボール争いの強さと反応の早さは藤井選手の持ち味です。ハッスルプレーを数多く決めるようになったは自然と身についたのか、それとも何かに影響されてできるようになったのでしょうか?
「どうなんですかね…。元からというか感覚的なことで、あまり考えない。僕のプレーがそういう感じなので、野生的というか直感でやるタイプ。そういうルーズボールだったり、球際のところは、東芝入ってから僕に何が必要かなと思った時に、そういうところで一番頑張るべきじゃないかなと思ったんです。その時はあまり試合に出るような感じじゃなく、(篠山)竜青さんや山下(泰弘)さんがケガしてプレータイムが増えましたけど、それまで全然もらっていなかったですし、そういう時に点取る仕事は僕でもなかったですし、起点となって何かをやるのも僕ではなかったので、チームに何が必要かと考えた時にそういうところだったのかなという風に思います」

Q シーホース三河戦でアリウープを阻止してのスティールは、自身が決めたハッスルプレーの中でもNo.1、もしくは最高レベルだと思いますか?
「戻ってよかったなというか、ああいうのが持ち味というか、そういうことだと思う。本当にあきらめない、最後までボールに対して少しでも…。いつもJのチェイスダウンのブロックだったり、Jが一人で戻って止めているシーンを見ているので、僕も戻って止めたいという気持もありましたし、あそこは戻って止められることができてうれしかったです」

Q 最後に、残るシーズンに向けた意気込みをお願いします。
「この先どうなるかわからないというか、残り10試合くらいですか、中断があったり、コロナがどのチームに出てもおかしくない状況、中断になってもおかしくないですけど、今はチャンピオンシップに向けて僕たちはやるだけだと思います。一番こうなっちゃいけないのは、チャンピオンシップの時にコロナだったり、濃厚接触が出て試合ができないというのがダメだと思うので、そのためにもしっかり安全対策をして、いい準備をしていきたいです。一番は2冠を目指すことなので、そこに向けて川崎、ファンも含めて川崎ブレイブサンダースが一丸となって今シーズンの優勝に向けて頑張っていきたいと思いますので、今後も応援よろしくお願いします」

文:青木 崇

【Bリーガーインタビュー】

川崎ブレイブサンダース 0番/PG/SG 藤井 祐眞(取材日:2021年4月7日)

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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