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狩野祐介(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ #32)
今季滋賀レイクスターズから移籍してきた狩野祐介は、出場時間が5分半ほど減少しながらも、高確率で3Pシュート決めることやリーダーシップの発揮という部分でチームへの貢献度が高い。オフコートでは起業し、母校への恩返しから地域活動にも関わろうとしている。自身初となるB1チャンピオンシップ進出に向けて気合十分の狩野が、3月18日の練習後にJ SPORTSのインタビューに応じてくれた。
Q 名古屋に移籍して1年目、これまでの自身のパフォーマンスをどう評価しますか?
「最初は移籍してきたということで慣れない部分もいろいろあったんですけども、チームメイトのおかげで自分のシュートだったり、役割を果たせるようになってきていているので、そういった部分は成長できているのかなと思います」
Q 出場時間は滋賀時代よりも少なめですが、3Pの成功率46.4%は自己最高です。シュートに関してはシーズンを通じて手応えを感じているのですか?
「手応えを感じているというのはあまりないですけども、滋賀の時よりも本数が少ないので、自分は当然だと思ってやっているという感じだけです」
Q 少ないチャンスを着実にモノにしている感じでしょうか?
「それが今の役割だと思います」
Q 東海大学時代からリーダーシップには定評がありました。移籍1年目から副キャプテンという役目を遂行していく中で、名古屋に来た当初と今を比べてみて、いい意味での変化は起きましたか?
「あまり変わっていないと思います。自分のやっていることとかも、最初と今では変わってない気がします。チームの雰囲気が悪くならないように、コート外でのコミュニケーションといったところを重視というか、意識はしていないんですけど、特にコート外のところでコミュニケーションをとるというところを積極的にやっています。最初からやっていたことなので、変わっていないと思います」
Q チームメイトたちの反応も特に変わっていないと…。
「そうですね」
狩野祐介(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ #32)
Q B1残留争いが続いた滋賀時代など、これまで様々な経験をしてきたと思います。狩野選手が持つ強いメンタリティの原点はどこから来ているとですか?
「原点は全部ですね。小学校、中学校、高校、大学と本当に恵まれたところを通ってきたと思っていますし、素晴らしいコーチや監督に出会ってきています。それこそ小学校、中学校の時はきつい毎日を過ごしてきて、メンタル面と体力面とすべて鍛えられました。高校も今は強豪となっている福岡第一ですけども、井手口孝先生からいろいろなことを学んで、大学で陸川章監督からプレーもそうですけど、人としてだったり、メンタル面を本当に鍛えてもらっていますね。それがあっての今だと本当に思います。プラス滋賀で残留争いを毎年毎年、辛かったですけど、それを経験したからこそ、今は何があっても奢らないメンタルがついたんじゃないかなと思います」
Q ポルトガル語で『信頼』という意味を持つアクレジーチという名前を使ったAcredite株式会社の経営をしています。練習と試合以外の時間で業務に関わっている感じですか?
「今はそこまで僕が業務に関わることはないんですけども、会社のマネージャーさんがいるので、その方がほとんど動いています。例えば、お金のかかることだったり、次に何をしようだとかといったところは、休みの日や時間のある時にミーティングをしたり。あと僕ができることは世の中の情報を収集して、次に何をしたらいいのかなとか。例えばグッズ、これが次に売れそうだなとかを考えてマネージャーさんに伝えたり、そういったところをやっている感じです」
Q アスリートのマネジメントとプロモート業務という内容がありますけど、引退後エージェントになるという考えはありますか?
「僕がなるというのは多分ないと思います。英語が喋れないので、外国人の多いチームもありますので、そこはちゃんとしたプロを会社として雇ってですね、お任せしようかなと思っています」
Q 母校の福岡第一にボールをプレゼントしたのも活動の一環ですか?
「そうですね。活動の一つだと思いますし、今回第一高校じゃないですけども、恩師が今教えている子どもたちに何かをプレゼントしようかなと、個人では考えています。そういったところをやっていきつつ、今までお世話になっているので返していきたいなと思います」
Q 小中学校の恩師ということですか?
「そうですね、どっちにするかは決めていないですけども、多分小学校からはじめると思います」
Q シーホース三河、大阪エヴェッサとの2位争いがそのままチャンピオンシップ進出を争うという状況です。チームがこの競争に勝ち残るカギはなんだと思いますか?
「残念ながら大阪戦で2敗してしまったんですけど、ディフェンスがやはりあれだけ外国籍選手に走られてしまったり、好きなタイミングで(得点を)取られてしまったりとか、そういったこと(止めること)ができなかった。オフェンスは日によって入る時入らない時がありますけども、ディフェンスでそういった日があってはいけない。東の上位を争っているチームは、やはりディフェンスが強いので、そういったところを真似しつつ、自分たちが目指しているバスケットができていけば、価値につながるという風に思います」
Q 狩野選手がB1でプレーするようになってからは初めて、チャンピオンシップ進出に前進している現状にあります。モチベーションはかなり高いレベルにありますか?
「楽しみですね。今までは辛いシーズンだったんですけど、今は楽しくやれていますので、早くCS(進出)を決めて、CSに向けて準備したいという思いがあります。ワクワクしています」
Q 残り20試合強で自身が成し遂げたいことは?
「3ポイント王は獲りたいと思っていますけど、自分個人の目標ではなくチームの目標を達成することが第一です。できる役割・仕事をしっかりとやっていきたいと思います」
Q 今の名古屋のスタイルだと持ち味を出しやすい環境にはありますか?
「もちろん、あります。どんどんシュートを打っていいと言われていますので、隙あらばスリーを打っていきたいなと思います」
Q 最後に、ドルフィンズファンにメッセージを。
「残り20試合くらいになりましたけど、本当に最後まで名古屋ダイヤモンドドルフィンズの応援をお願いしたいとともに、皆さんが最後笑えるようCSに出場して、そこでまた勝てるように僕たちも頑張っていきたいと思いますので、引き続き応援のほど、よろしくお願いします」
文:青木 崇
【Bリーガーインタビュー】
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ 32番/SG 狩野 祐介(取材日:2021年3月18日)
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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