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中村浩陸(大阪エヴェッサ #13)
大東文化大4年生時に特別指定選手として大阪エヴェッサに入団した中村浩陸は、昨年2月8日の秋田ノーザンハピネッツ戦で18点を記録するなど即戦力となった。プロとして1年目を迎えた今シーズン序盤は、出場機会に恵まれない状況に直面。しかし、出番の増えた12月以降、ポイントガードとして貢献していることは、チームもここ15試合で10勝と調子を上げていることでも明らか。チャンピオンシップ進出を目指す大阪が今後勝ち星を重ねていくうえで、カギを握っている選手の一人である中村に、2月2日の練習終了後に話を聞いた。
Q 昨シーズン特別指定ながら即戦力として活躍しながら、今シーズン序盤はなかなか出場機会が得られませんでした。その頃はどんな思いを持ちながら日々を過ごしていましたか?
「序盤は去年と外国籍の構成が変わったので、そこで自分が何をすれば試合に出られるのかというのをとても考える時間になって、何をすればチームで使ってもらえるかというのを考えるというか、悩んだ時期でした」
Q 伊藤達哉の故障・離脱という形で、出場機会が増えるきっかけになりました。12月2日の信州ブレイブウォリアーズ戦から先発していますが、その時に自分はどのようなメンタリティで試合に臨もうと思ったのですか?
「特に何も思わないというか、あまり考えていなくて、ずっとベンチにいる時から試合に出られる準備はしていた。準備してきたものを出すだけという感じで試合に出たので、あまり思っていることはなかったです。今まで通り、いつも通り、自分が悩んで考え出してきたことを出そうということだけを考えていました」
Q 一番悩んだ部分は何でしょうか?
「ポイントガードの外国籍が入ってきたから、同じことをやっていてもずっと出られないままだと思った。そこで何が大事かと言ったら、ディフェンスの部分で自分は評価されていると思ったので、ディフェンスで前からプレッシャーをかけてというのをやらなくちゃいけないと思いました」
Q ディージェイ・ニュービルの存在は、PGとしていろいろ学べることが多い点でもプラスになっていますか?先ほどお話ししてくれた自分の持ち味を出すことに加え、練習でマッチアップした際の印象など、何かいい例がありますか?
「ディージェイはガードとしてのリーダーシップ、まとめる力をすごく持っていて、ボールを持ってもらうと安心感があったりとか、そういうガードとしてまとめる力というか安心させる力を持っていると思う。そこは何回もプレーを重ねて信頼を得ていく部分もあると思うんですけど、そういうところが見習える部分だし、切り込んでいった際のディフェンスとの駆け引き、ぶつかったときの駆け引きというのがすごくうまい。あれは日本であまり見ないようなプレーなので勉強になります」
Q 伊藤が復帰した後も先発として起用され、チームの勝利に貢献する機会も増えてきています。B1で活躍できるという意味での自信がついてきている感じですか?
「そうですね。特別指定で入ってきた頃よりもやれるという自信もすごくありますし、これからどんどん活躍していきたいという風に思っています」
中村浩陸(大阪エヴェッサ #13)
Q 何かこれは行けるというプレーやシーンがありますか?
「オフェンスよりはディフェンスの部分で富樫(勇樹)さんだったり、いろいろなトップの選手についていけるというのは、自信というかやれるのに変わっている。そこは自信につながっています」
Q 富樫の名前が出てきましたけど、今シーズンは東地区の強豪である千葉ジェッツから2勝、アルバルク東京とはアウェイで1勝1敗と、質の高いチームになりつつあります。苦戦していたシーズン序盤との違いは何だと思いますか?
「圧倒的に練習量というか、チームでやる時間が少なかったので、そこが序盤で響いていました。去年と違うガードの外国籍がいたりとか、そこでどういう風に合わせたらいいのかというのがすごく合っていない部分が最初は見られました。練習や試合を重ねていくうちにお互いがお互いのことをわかり合っていったので、今があるのかなと思います」
Q 今後、西地区で上位を行くチームとの差を詰め、チャンピオンシップ進出するためのカギは何だと思いますか?
「細かいチームルールを徹底することと、相手に合わせたプレーをしないこと。どこにでも競るというか、相手に合わせたプレーをするといけないので、自分たちのバスケットというのを40分遂行できれば、どこにでも勝てると思うので、そういう自分たちのバスケットをすることが大切だと思います」
Q 自身のプレーで一番レベルアップしたいと思っている部分は?それを痛感したエピソードがあればぜひ。
「オフェンスでのコントロールというところで、ここでどういうセットプレーが有効なのか、そこで出ているメンバーと違ったりというのがよくある。だれがどこでどのポジションで出ているか、どこかミスマッチかをしっかり考えながらやらなくちゃいけないので、そこはもっとレベルアップが必要かなと思います」
Q 今のエヴェッサは英語を話す選手が非常に多い。彼らとのコミュニケーションで苦労している点はありますか?
「通訳の方がいるので、自分の意見はその方を介して言ってもらったりしているんですけど、試合になると言っている時間があまりないので、そこで向こうからも英語で言われますし、僕からも伝えなければいけない。そこはちょっと困っているというか、難しい部分だなと思います」
Q もう少し英語を上達したいという思いなども出てきていますか?
「去年からそれを思っていて、試合には外国籍と絶対一緒に出るので、コミュニケーションを取れないと、ちょっと違った考えを持っていたらうまくいかないので、勉強は必要だなと思いました」
Q 弟(中村拓人)もレバンガ北海道でB1デビューを果たしました。3月には大阪で対戦する機会があると思いますが、弟は今の中村選手にとってどんな存在ですか?
「ライバルじゃないですけど、少なからず意識はしています。負けたくないので。向こうはどう思っているかわからないですけど、僕は兄として負けたくないので、はい。負けたくないプレーヤーです」
Q 最後に、自身の目標とエヴェッサを応援する人たちに一言お願いします。
「後半戦しっかり勝ちを積み重ねて、チームとしても個人としてもレベルアップできるシーズンにしたいと思っています。チャンピオンシップに出られるようになるにはファンの皆さんの応援が必要なので、よろしくお願いします」
文:青木 崇
【Bリーガーインタビュー】
大阪エヴェッサ 13番/PG 中村浩陸(取材日:2021年2月2日)
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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