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橋本竜馬(レバンガ北海道 #0)
レバンガ北海道で2年目を迎える今シーズン、橋本竜馬は昨シーズンと違って心身両面でいいコンディションで開幕を迎えた。宮永雄太新ヘッドコーチが目指すハードなディフェンスの遂行という点で、橋本のプレースタイルは見事にマッチする。長年武器としてきたアグレッシブなディフェンスに加え、ゲームを組み立てる司令塔として成長することにも貪欲。激戦続きの東地区で北海道が勝利を積み重ねるうえで、シーホース三河時代にNBLや天皇杯の頂点を経験している橋本のリーダーシップはチームに欠かせない。
Q アウェー4連戦を2勝2敗で終えました。チームとしてのパフォーマンス、結果についての印象を話していただけますか?
「名古屋との開幕戦で大敗したんですけど、自分たちのバスケットをやろうとしてうまくいかなかったことによる結果ですから、僕たちの中で解決していかなければことなんじゃないのかなと1試合目で感じました。2試合に臨んだとき、選手一人一人がコーチの出したことに対してしっかりとしてエクスキューション(遂行)をできたんじゃないかなと思うので、それが結果として勝利できたことが次の富山戦にもつながったと思いますし、今のチームの状況としてはいいのかなと」
Q 宮永新コーチが一番重視していることが何で、現時点でどのくらいの遂行レベルにあると感じていますか?
「やはり40分間のハードディフェンス、オールコートということを今シーズンやり続けるということをおっしゃっていますので、そこに対して、さっきの答えを被ってしまうんですけど、富山戦に関しては自分たちの中でできていなかった部分が多かったなという印象が僕の中であるので、本当に1試合1試合で変わっていくところがまだまだ若いチームなので、そこを60試合の中で常にやり続ける、どんな状況でも僕たちが他の方が見ても、そして他のチームが見ても『レバンガはこういうチームだよね』という風に(思われるよう)やっていかなければいけないなとすごく感じています。それを1シーズンで作っていかなければという使命感はあります」
Q 昨シーズンは故障に悩まされましたが、今シーズンは橋本選手らしいアグレッシブなディフェンスが見られています。納得いく状態でプレーし、レバンガの勝利に貢献できる機会が増えるという感触はありますか?
「(チームの)スタイル自体が僕のプレースタイルとすごくマッチしている部分があると思うので、やりやすい部分もありますし、さらにオフェンスの面ではプレーメイカーとして1番(ポイントガード)を使っているので、新たなチャレンジとして両方があるので悩むときもありますけど、すごくポジティブに失敗も、トライ&エラーを繰り返しながらやっていかなければいけないなと思っています」
橋本竜馬(レバンガ北海道 #0)
Q プレーメイクということでは、ここまでの4試合で14本のアシストに対してターンオーバーがわずか2本。名古屋との初戦を除き、スティールも3試合連続で最低1本記録するなど、今まで言ってきたことができているのでは?
「本当にニック(メイヨ)選手のところ、相性もよくなってきていると思いますし、それ以外のところでももちろん技だったりスキルだったりというのは、もっともっと上げていかなければならないというのをわかっています。まず、一つ一つをこなしていきながら、これができるようになったら次のステップというちゃんと順序立てて自分の中でプレーできているのは、すごいいいのかなと思いますし、32歳になってもそういったところを任せていただいている分、自覚と責任を持ってしっかりプレーしている部分は、本当におっしゃっているようにターンオーバーとアシストの比率を考えても、いいところに来ていると思います」
Q 折茂さんが引退したことやチーム在籍2年目ということもあり、より声を出すスタイルのリーダーシップを発揮することで、チームの一体感を高めたいという思いはありますか?
「もちろんあります。そういったところが若い選手にも浸透してほしいですし、リーダーシップをとれる人間が増えていくということは、日本全体にもあまりいないと思うので、レバンガ北海道からそういった選手が出ていきながら、継承していくという僕の一つのこれからの課題というか、何かを伝えていく年齢に差し掛かっていると思うので、自分がやってきたことをたくさんの選手に伝えていきたいですし、それが少しでも選手たちに伝わっていけばいいなとすごく感じています」
Q 外国籍のポイントガードとプレーする機会は多分なかったと思いますが、ジョーダン・テイラーがチームにもたらすもの、橋本選手にとってはどんな刺激や期待がありますか?
「本当にこの1、2週間で一緒に練習したんですけど、スキルもすごい、パワーもあって、フィニッシュ力もある。それを肌で感じていることは僕にとってワクワクする挑戦が毎日待っているので、マッチアップするのがすごく楽しみでやっています。僕が見えている景色と彼の見えている景色は少し似ている部分があるんですけど、何が違うと言ったら、そこを出したり、そこに入っていく力というのがやはり長けているなと、一緒にやっていて肌で感じるので、どう行ったら自分の形でそれができるのかというのを毎日研究していきながらやれるというのは、本当に自分自身にとってプラスになってくると思うので、本当にポジティブに彼とのマッチアップを楽しみながら、試合になると仲間になるので信頼して、そして心強いなと思っています」
Q チームとしてはこれからだと思いますが、個々の選手ということでは経験豊富なベテランが多い中、シュート力のある中野司、内田旦人、葛原大智という20代前半の選手たちの活躍は、今シーズンのレバンガが成功するうえで欠かせない要素では?
「間違いないと思います。そういった選手たちが殻を破って、きつい時間にもう一歩足を動かして、リングにアタックするという姿がレバンガ北海道を1つも2つも大きくしていくと思っています。本当にそこは責任を感じてほしいですし、でも失敗を恐れることなく、そこに関しては自分たちがしっかりケツを拭いていくという風に思っているので、大きくチャレンジしてほしいと思っていますし、この1シーズンがあったからこそ自分が伸びたと思ってもらえるようなシーズンにしてほしいなと思います」
Q 改めて、レバンガが成功のシーズンを手にするために必要なことは何ですか?
「1シーズン自分たちのバスケットをやり続けるというメンタリティ、さらに自分自身をそれぞれの選手がプッシュし続けて、どんなチームに対してもアタックして、そしてやり続けること、見せ続けることが絶対に必要だと思います。このベースができてくれば、来年再来年とすごくいいチームに絶対なっていくと思っているので、そこのベースは必ず全員に求めていきたいですし、これがレバンガなんだというのをこのシーズンでしっかり作っていきたいなと思っています」
Q 最後に、島根スサノオマジックとのホーム開幕戦、勝利へのカギは何になると思いますか?
「間違いなく死に物狂いで相手に向かっていくディフェンスをやり続けることが、今シーズン我々が掲げていることであり、作っていかなければならないことなので、それをやり続けて相手を苦しめ続けて勝利するというところを見せて、(ファンの)皆さんに帰ってもらいたいなと思っています」
文:青木 崇
【Bリーガーインタビュー】
レバンガ北海道 0番/PG 橋本 竜馬(取材日:2020年10月15日)
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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