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【2019-20 B.LEAGUE NOTEBOOK 5】大型補強の三河が予想外のスロースタート。最大の問題はディフェンス
B.LEAGUEコラム by 青木 崇昨季チャンピオンシップ進出を逃したシーホース三河は、B1得点王のダバンテ・ガードナー、長年得点力の高い日本人選手として活躍してきた川村卓也を補強。相手からすれば脅威でしかない金丸晃輔、堅実なプレーをするベテラン桜木ジェイアール、スコアラーとして成長著しい岡田侑大を擁することもあり、どんなチームになるのかで注目していた。
9月のアーリーカップ2019東海制覇は、チームがいい方向に進む前兆になるかと思われた。琉球ゴールデンキングスとの開幕戦を71対61でモノにしたものの、ディフェンスで相手をなかなか止められない事態に直面し、ここまで3勝9敗で中地区5位と低迷している。
ガードナーを軸にしたオフェンスに関しては決して悪くない。ケミストリー構築には時間を必要するものの、チームとしてのFG成功率がB1で最も高い51.2%という数字でも明らか。しかし、10月14日の千葉ジェッツ戦で107点、11月2日のサンロッカーズ渋谷戦で104点を献上するなど、ディフェンスはかなり深刻な状況にある。
ジェフ・ギブスと竹内公輔を故障で欠いていた宇都宮ブレックスには92点、90点を奪われての連敗。10月26日のアルバルク東京戦後、桜木が「あまりにも簡単に90点取られてしまっている」とディフェンスへの危機感を口にしたが、なかなか改善の方向に進んでいない。ここ7試合中の6敗は、いずれも90点以上を奪われている。
現代バスケットボールでは、ペイント内と3Pシュートによる得点が勝敗を大きく左右する。開幕から12試合の数字を見ていくと、相手の3Pシュート成功数がB1ワースト2の1試合平均9.7本と、昨季よりも2.6本も増加。三河は伝統的にインサイドアウトのオフェンスが武器のチームであり、今季もガードナーを軸にペイント内での攻防で優位に立てると想定していたはずだ。しかし、相手よりもペイント内の得点が上回った試合が6度あるものの、失点が40を超えた試合も8試合を数える。
ペイント内と3Pシュートによる失点を減少させることは、三河が勝ち星を手にするための絶対条件。そのカギは、ヘルプとローテーションの質を高めることだと見ている。得点は個人の能力でなんとかなる場合もあるが、ディフェンスはミスショットからリバウンドを確保するまで5人の連動性と意思統一が欠かせない。次の島根スサノオマジック戦は、ディフェンスの向上と浮上へのきっかけにできるかという点で、三河にとって大きな意味を持つ試合になるだろう。
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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