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【2018-19 B.LEAGUE NOTEBOOK 25】スモールフォワードでの起用できっかけをつかんだ野本建吾
B.LEAGUEコラム by 青木 崇4年間過ごした川崎ブレイブサンダースを離れ、秋田ノーザンハピネッツで心機一転を図った野本建吾。200cmの身長で機動力のあるフォワードという点は大きな魅力だが、秋田でもなかなか能力を生かし切れずにいた。
3月下旬まで出場時間が10分未満の試合は27回を数えたが、27日の栃木ブレックス戦から状況が一変する。それは、これまでのパワーフォワードではなく、スモールフォワードとして起用するとジョゼップ・クラロス・カナルス(ペップ)コーチが決断したからだ。
このポジション変更で出場機会が増えた野本は、ボールに触る機会が増えたことでプレーがよりアグレッシブになっていた。「1か月半くらい前の栃木の試合で3番ポジションに移ってからは、自分のいいプレーが出てくるようになった。元々1、2年前にやってきてはいるので、そういったところも含めて、ペップが僕の長所をすごく生かしてくれるプレーとかも入れてくれています。そこからだんだんチームにとってもいい影響を与えるようになったかなと思います」と語ったように、4月3日の千葉ジェッツ戦では今季ベストとなる10点、9リバウンドと奮闘。今季最後の試合となる栃木ブレックス戦での野本は、リバウンドを奪うと自分でプッシュするシーンを何度か見せていた。
シーズン終盤までなかなか一貫した出番がない中、野本は我慢強くチャンスを待っていた。「ペップが激しいことを全員、100%妥協なしで練習からやっている。それを含めてチームメイトとの絆もできてきましたし、僕もみんなの姿を見ていると、絶対途中で投げ出したり諦めたりしたくないと思う。コーチが練習からチームにハッスルを常にやり続ける習慣を作ってくれたことで、僕も諦めずに毎日頑張ることができたと思います」と語ったように、ラスト11試合の出場時間が今季平均を大きく上回る18分まで伸ばすことができたのは、指揮官にハードワークの成果を認めさせたことが大きい。
今季終盤のパフォーマンスを土台に、来季の野本はスモールフォワードの先発定着という期待が寄せられる。それが野本自身の望みでもあることは、「ディフェンスは最低限、もっとボールプレッシャーとかしっかりしながら、抜かれないようにすること。あとはスクリーンをすり抜けてしっかりシューターを守れるディフェンス力を当たり前のようにつけていきたい。少しウイングやガード陣が疲れてきたときに、少しでもユーザーができる時間帯を自分でクリエイトできるようにオフシーズンも練習して、そこで苦しい時間帯につなげられるようなプレーヤーになっていきたいなと思います」という言葉でも明らか。120%出し切ったという今季を糧に、野本は来季でさらなる飛躍を目指す。
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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