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12月のインカレで大学のシーズンが終わったこともあり、特別指定としてBリーグにやってくる選手が増えてきている。ただし、シーズン途中の加入ということもあり、指揮するコーチもすぐに試合で起用するのは勇気がいるところだろう。しかし、低迷から脱却したい、成績が伸び悩んでいるチームからすれば、特別指定選手の若手にもチャンスを与えやすい。
B1の第21節と第22節は、特別指定選手のステップアップがチームの勝利につながった例が2つあった。シーホース三河の岡田侑大は、27日の琉球ゴールデンキングス戦で32分18秒間プレーし、B1デビュー後最多となる15点をマークした。鈴木貴美一コーチが「若い選手を思い切って使ってミスもありましたが、しっかり攻めて結果を出せてプラス材料がたくさんあった試合でした」と語ったように、岡田はアグレッシブにゴールへアタックする姿勢を見せ、B1でも得点力を発揮できることを示した。
もう一人は横浜ビー・コルセアーズの中村太地(法政大3年)。過去2シーズン三河、富山グラウジーズで特別指定選手として在籍したこともあり、B1のレベルを体感していた点で、他の選手よりもアドバンテージがあるのはまちがいない。それでも、B1の試合で初先発となった27日の秋田ノーザンハピネッツ戦は、FGが11本中4本成功だったといえ、今季2度目の2ケタとなる11点を奪い、アウェイでの貴重な勝利に貢献した。
秋田は激しくプレッシャーをかけるディフェンスをやるチームだけに、中村の存在はボールをコントロールすることの多い田渡凌、川村卓也の負荷を軽減できる点でもプラス。アシストこそなかったが、ターンオーバーは1本のみ。ミスの少なさとアグレッシブに得点を狙いに行った姿勢が、横浜にとって大きな活力となったのはまちがいない。
岡田や中村以外でも、秋田の長谷川暢も4度目の先発となった横浜戦で今季最多となる18分31秒間出場して7点、3リバウンド、2アシストを記録。能代工で後輩となるサンロッカーズ渋谷の盛實海翔も3試合目の出場となった滋賀レイクスターズとの初戦で今季最多となる8分33秒のプレータイムを記録。大阪エヴェッサの吉井裕鷹も26日のアルバルク東京戦でデビューし、195cmのスイングマンとして活躍できそうな雰囲気のあるプレーをしていた。
大学生世代である18?22歳のレベルアップは、日本のバスケットボール界が長年抱えている課題。ヨーロッパを筆頭に、多くの国ではこの年代の選手たちがすでにプロとして活躍している。B1のチームに入るだけでなく、出場時間を得て活躍する特別指定選手が増えることは、日本のバスケットボール界にとってプラス。試合でインパクトを残すということで、岡田や中村に続く選手がこれから登場するかは、シーズン後半を楽しめる要素の一つとしてあげておきたい。
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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