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バスケット ボール コラム 2018年5月28日

【2017-18 B.LEAGUE NOTEBOOK 31】一発勝負のビッグゲームでは期待を裏切る大差の決着も珍しくない

B.LEAGUEコラム by 青木 崇
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アルバルク東京が千葉ジェッツ相手に、25点の大差をつけてB1チャンピオンシップを獲得すると予想した人はほとんどいなかっただろう。2Q途中から完全に試合の主導権を握り、ハーフタイム寸前にジャワッド・ウィリアムズがハーフラインの内側からブザービーターを決めるなど、A東京は肝心な局面でことごとくシュートを成功。一方の千葉はギャビン・エドワーズのファウルトラブル、持ち味のトランジションに持ち込もうとした際にターンオーバーを犯すなど、一度崩れたリズムを取り戻すことができないまま試合が終わってしまった。

千葉の選手たちは試合後、A東京の出来がすばらしかったことを称賛する一方で、シリーズでまた試合が行われた場合、「逆の結果になることもあり得る」と口にしていた。NBAのプレーオフを見ている方なら理解できると思うが、大敗した後の試合で大勝するというパターンは、実力が拮抗するチーム同士の対戦でもしばしば起こる。それは、前の試合からの修正が機能し、プレーの質も上がったことによるところが大きい。

逆に、B1ファイナルのような一発勝負の場合、一度悪い流れに突入してしまうと、そのまま時間だけが経過して大差がついてしまいやすい。さいたまスーパーアリーナで行われた2006年の世界選手権決勝、準決勝でアメリカを倒した勢いを理由に、ギリシャが有利という味方も多かった。しかし、スペインがパウ・ガソルを準決勝のアルゼンチン戦で足を故障して欠場を強いられながらも、チーム全体で戦う姿勢と多くの選手がステップアップしたことでギリシャを圧倒し、70対47というスコアで世界の頂点に立っている。

今年のNCAAトーナメント決勝も、ビラノバ大が前半の終盤からミシガン大を一気に引き離し、最大で22点差をつけての勝利で優勝。一発勝負の試合では、シュートが大当たりしたチームと逆にまったく入らないチームが出てしまうなど、一つの要素で試合の流れが決まってしまい、一気に点差が開いてことも決して珍しくないのである。

A東京が大勝したB1ファイナルは、2Q残り3分を切ったところから千葉がポストへのエントリーパスを難しい角度から試みたことによって2度のターンオーバーにつながってしまう。そこであっさりと失点したことで点差が広がり、ハーフタイム寸前でウィリアムズに長い3Pを決められたのもダメージが大きかった。馬場雄大のテクニカルファウルで3Qに5点差まで詰めた千葉だが、3点差にするチャンスが3度ありながらも生かせなかったのは、正に一度崩れたリズムを取り戻すのが非常に難しいという、一発勝負の怖さを象徴するものだった。

どのチームが勝ち上がったとしても、来季のファイナルは実力が拮抗したチーム同士の対戦となるに違いない。しかし、今回のような展開になったとしても、ガッカリするよりはこういうことも起こりうると認識してもいいのではないか? もちろん、富山グラウジーズと熊本ヴォルターズによるB1・B2入れ替え戦のような土壇場まで勝負の行方がわからない戦いなれば、Bリーグの盛り上げていくうえで大きなプラスになることは、重々承知している。残り1秒の攻防で決着がつくスリリングなところは、正にバスケットボールというスポーツの醍醐味なのだから…。

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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