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【Bリーグ 2017-18 チャンピオンシップ 準々決勝 三河 vs 栃木 プレビュー】ここから先は結果こそすべて
B.LEAGUEコラム by 片岡秀一リーグ最高勝率(48勝12敗)のシーホース三河がホームに迎えるのは、ディフェンディングチャンピオンであり、ワイルドカード2位(34勝26敗)でCSに挑む栃木ブレックスだ。
昨季CSセミファイナル、1勝1敗で迎えた運命のGAME3を覚えているだろうか。三河#14金丸晃輔の驚異的なシュート力を武器に三河が優勢に進めるも、ホームアリーナを埋めた黄色いファンと声援を受けて栃木が喰らい付く。終盤、僅かなミスを見逃さずに栃木が追撃。最後は、祈りを捧げるファンの前で、栃木#32ライアン・ロシターが決勝シュートを沈めて試合を決めた一戦だ。
悔しい形で終えた昨季の幕切れを大きな教訓としたのだろうか。今季は例年以上の堅実さと勝負強さを見せた。序盤の16連勝、中盤の17連勝とは圧巻の一言。勝ち続けても気を緩めず「やるべき事をやり続け、目標とする場所へ向かい続けるだけ」と試合後のコメントで語り続ける#0橋本竜馬の表情や言葉からは決意や覚悟が見て取れた。
栃木#4ジェフ・ギブスのリバウンド力や、三河#5アイザック・バッツの圧倒的なパワー、両チームの特色ある控え組など、非常に注目点の多いが、本稿では、3つの観点から試合の行方を考えてみたい。
1つは、三河#32桜木ジェイアールのポストプレーへの対応である。意外にも、昨季のGAME3の10分間は試合に出場せず、ベンチでシーズンを終えた。今季は例年以上にコンディションが良く、ポストからの攻撃は対戦チームへの脅威は増している。老獪な駆け引きで仕掛けるゴールへのアタックの威力を大きくするのは、正確無比なパスである。
インサイドへ飛び込む味方のノーマークを見逃さない「目」は勿論ながら、アウトサイド選手のディフェンスが寄ってきた瞬間には寸分の狂いもない見事なパスを通す。そうであるからこそ、ボールのレシーバーは安定したシュートを放つ事が出来る。#0橋本、#14金丸、#4狩俣昌也らが多くの3Pシュートを沈める要因となった。マッチアップが予想される#10竹内公輔だけではなくチーム全体で守備の意識統一の必要性がある。
2つ目は、両PG陣のディフェンスだ。栃木#0田臥勇太、三河#0橋本は共に強力なプレッシャーをマッチアップに与えるディフェンスの名手。一瞬の隙を見逃さずにボールを奪う、または、ルーズボールに誰よりも早く飛び込んでマイボールにしてファーストブレイクに持ち込む事を得意とする#0田臥に対し、#0橋本の特徴は、相手に圧力を与え続ける執拗さ。圧力に負けて悪いパスを出させる、プレッシャーに押しやられてサイドラインを越える。ディフェンスが成功した瞬間の雄叫びを見ると、彼がディフェンスに注ぐ情熱の度合いが分かり、その熱はチームに伝播して勢いを与える。
開幕節での対戦では、栃木#46生原秀将からも連続でミスを誘い、勢いづけた。PGのミスは両チームのゲームプランに大きな影響を与えるもの。#46生原も粘り強いディフェンスを武器にチームの中で役割を増やしてきた選手。PG陣の攻防が試合の命運を握ると言っても過言ではない。
3つめは、三河の絶対的なエースである#6比江島慎へのディフェンスだ。昨季の雪辱に燃えるエースの勝負強さはリーグ屈指。FIBAワールドカップ予選、フィリピン戦、オーストラリア戦と、屈強なフィジカルコンタクトや高さに苦しむ日本代表の中にあって、#6比江島の得点力は頭一つ抜けていた印象を受けた。ショットクロックが残り少ない場面、膠着状態の中で、三河がボールを託すのは#6比江島だ。そのプレーの成否は勝敗に大きく直結してくるはず。
昨季の悔しさを胸に、勝負強さに磨きをかける事でさらなるステップアップを見せた三河。序盤こそ黒星が続いたが、困難に立ち向かい、勝ち星を積み上げた栃木。共に、目の前の勝敗に一喜一憂せず、やるべき事をやり続け、チームが掲げる目標や、チームのカルチャーやカラーを色濃くしたシーズンと言えるのではないか。
そういう意味で、どちらもGoodなシーズンを過ごしたはずだ。しかし、GoodをGreatにする為の最後のピースは勝利であり、優勝となるだろう。
『ここから先は結果こそすべて』
リーグが掲げるスローガン通り、結果が求められる一戦だ。
Bリーグ 2017-18 チャンピオンシップ準々決勝 放送予定
5月12日 (土) 午後5:00 生中継アルバルク東京 vs. 京都ハンナリーズ
5月13日 (日) 午後2:00 生中継
シーホース三河 vs. 栃木ブレックス
☐Bリーグ 2017-18 チャンピオンシップの放送予定
☐ お申込みはこちらから
片岡秀一
埼玉県草加市出身。1982年生まれ。 ゴールドスタンダード・ラボの編集員としてクリニックレポート、記事の企画・編集や、クリニックなどの企画運営をし、EURO Basketball Academy運営も務める。一般社団法人 Next Big Pivot アソシエイトとして、バスケを通して世界を知る!シリーズ 第1回セルビア共和国編では、コーディネーターとして企画運営に携わりモデレーターも務めた。
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