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【2017-18 B.LEAGUE NOTEBOOK 29】昨年の苦い経験とホームコート・アドバンテージを生かして栃木に雪辱した三河
B.LEAGUEコラム by 青木 崇昨季の王者栃木ブレックスとの第1戦を77対63でモノにしたシーホース三河は、2戦目も2Qから完全に主導権を握り、リードを最大で21点まで広げた。しかし、「劣勢と言いますか、負けている時も常に粘ってくるのが栃木」と鈴木貴美一コーチが語ったように、簡単に逃げ切ることは思っていなかっただろう。
3Qで4ファウルとなった桜木ジェイアールをベンチに下げざるを得なくなった時点で、栃木が差を詰めることはある程度予想がついた。ところが、4Q残り5分24秒でコートに戻った6秒後に、まさかの5つ目を吹かれてファウルアウトは大誤算。栃木の活発なボールムーブからアブレッシグに攻めるオフェンスに対し、三河のディフェンスは後手後手となり、残り31秒に田臥勇太のフリースロー2本で1点差まで追い詰められてしまう。
昨年のセミファイナル第3戦、三河は残り30秒で2点をリードしながら、クロックマネージメントを誤ったことが原因のミスによって、栃木に逆転負けを喫していた。その時に一番悔しい思いをし、「常にちらついていましたし、本当に成長した姿をファンの皆さんに見せたかった」と語る比江島慎は、自分のシュートで試合を決めることしか頭にない。と同時に、「僕らのホームコートでやれたのが一番大きかったかな」と振り返ったように、ホームのウィングアリーナ刈谷での試合ということもあって、冷静に状況を把握していたことも昨年と違っていた。
冷静さを失わなかったという点では、鈴木コーチも同じ。ピック&ロールで攻めると比江島がボールを手離すことを回避させるため、アイソレーションの1対1の指示を出していた。1対1からの得点力はアジアでも屈指の比江島は、時計をじっくり使った後の残り11.9秒、ドライブに行くと見せかけてのジャンプシュートを見事に成功。その直後、右手人差し指を天に向けたのは、4月に亡くなった母に向けたジェスチャーであり、母の日を意識したからこその行動だった。
昨季味わった苦い経験は、比江島の強い気持ちと最後まで冷静さを失うことなく戦えることができたホームコート・アドバンテージによって払拭。B1制覇という大きな目標達成に向けて、三河は一歩前進した。
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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