人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

野球 コラム 2025年4月12日

【広島好き】歴代のカープ打撃コーチを調べてみた

野球好きコラム by 大久保泰伸
  • Line

広島東洋カープ

「変わらなければいけない」と新井貴浩監督が宣言した今季のカープですが、チーム再建に向けての取り組みは、FAやトレードによる戦力補強ではなく、若手を中心とした既存選手の底上げでした。特に貧打に苦しんだ打撃陣は、秋春のキャンプで徹底的に振り込みを行いました。

ここで重要となるのが、選手を指南する打撃コーチの存在ですが、球団の歴史を遡ってみると、リーグ屈指の強力打線をつくり上げ、チームを優勝に導いた様々な『名伯楽』がいました。

J SPORTS 放送情報

  • 広島 vs. 巨人

    4月13日(日)午後1:15 J SPORTS 1で生中継&オンデマンドでLIVE配信

1980年代前半から2010年代中盤まで、長年に渡って多くの強打者を育成してきたのが内田順三コーチです。

現役時代は左打ちの外野手で、ヤクルト、日本ハムを経てトレードで入団したカープでは、同時期にパ・リーグから移籍した正垣宏倫氏とともに「右の正垣、左の内田」と呼ばれる代打の切り札として活躍しました。

内田氏は現役引退後、二軍打撃コーチ補佐から一軍打撃、二軍打撃、打撃統括など様々な名目で最終的には二軍監督を務め、多くの選手の育成に携わりました。カープだけでなく、巨人でもコーチとして何度も招聘され、83年から19年まで一度も途切れることなく、両球団で交互に三度ずつコーチ、二軍監督を務めています。

カープでは緒方孝市、野村謙二郎、金本知憲、新井貴浩など歴代の強打者の育成に力を注ぎ、鈴木誠也も「生涯の出会い」と師事していますが、最も話題になったのは、プロ10年目に首位打者となった嶋重宣を開花させたことでしょう。巨人でも高橋由伸や阿部慎之助など、名だたる選手を手がけた手腕は、球界で高い評価を受けています。

1990年代中盤に『ビッグレッドマシン』と呼ばれた強力打線の礎を築いたのが、水谷実雄コーチです。

現役時代はカープで首位打者のタイトルに輝き、トレードで移籍した当時の阪急ブレーブスでも打点王を獲得するなど、勝負強い打撃で活躍した選手でした。引退後は阪急で二軍打撃コーチを務めた後、89年にカープ初優勝時の盟友だった山本浩二監督の就任にともない、一軍打撃コーチに招聘されました。

水谷氏の教え子でもっとも印象深いのは当時、高卒で入団後まもなくの江藤智と前田智徳で、足の裏で地面を掴む感覚を養うために裸足でティー打撃を行うなど、スパルタ式の指導法も話題になりました。

カープを退団後も4球団で打撃コーチを務め、当時の近鉄バファローズでは中村紀洋を育て、中日では今季から監督に就任した井上一樹が恩師として名前を挙げるなど、数々の強打者を育成しています。当時の福岡ダイエー、阪神でもコーチを務めており、西日本の全球団でコーチを歴任しました。

圧倒的な攻撃力でリーグ3連覇を達成したチームで、欠かせない存在だったのが石井琢朗コーチです。

現役時代は横浜で2000本安打を達成し、晩年に移籍したカープでは選手兼任コーチも務め、引退後は即一軍内野守備コーチに就任。『タナキクマル』と呼ばれた田中広輔、菊池涼介、丸佳浩を指導し、2016年からは一軍打撃コーチを担当してスタメンの作成にも関わるなど、戦略面でも高い能力を発揮しました。

リーグ連覇を果たした2017年オフに家庭の事情でカープを退団し、移籍したヤクルトでは村上宗隆の指導に携わり、2020年に一軍野手総合コーチに就任した巨人はその年、リーグ優勝を果たしました。昨季は古巣のベイスターズで走塁兼一塁ベースコーチ兼任として、下剋上からの日本シリーズ優勝を達成しています。

リーグ3連覇前年までの3年間では、現役時代に当時の近鉄で首位打者のタイトルを獲得、コーチとしてもオリックスでイチローを指導し、福岡ダイエーでも川崎宗則などを育てた新井宏昌コーチが、丸などを指導していました。

近年のカープは「コーチも育成する」という球団方針で、球団生え抜きで他球団の経験がないコーチも増えていますが、現在の歴史的とも言える貧打解消に導くコーチの登場に期待したいところです。

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

  • Line

関連タグ

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
野球を応援しよう!

野球の放送・配信ページへ