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野球 コラム 2025年4月1日

【広島好き】手術から165日、復帰ではなく成長して帰ってきた守護神・栗林良吏とともに開幕

野球好きコラム by 前原淳
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公式戦のマウンドに帰ってきた守護神・栗林良吏

公式戦のマウンドに帰ってきた守護神・栗林良吏

人生初めて右肘にメスを入れてから165日、広島の栗林良吏が公式戦のマウンドに帰ってきた。開幕2連敗で迎えた3月30日、マツダスタジアムでの阪神戦。2点リードの9回に、守護神として登板した。

中野拓夢に投じた1球目は147km/hを計測し、1ストライクを奪った。2球目フォークで遊撃へのゴロに打ち取り、先頭を切った。

続く佐藤輝明には1ストライクから3球続けて球がばらつき、3-1とカウントを悪くした。それでもフォークをストライクゾーンに落としてフルカウントとし、内角にフォーク、カットボールを投じてファウルを打たせると、最後も内角低めに落とすフォークで見逃し三振に切った。

最後は前日決勝弾の森下翔太を初球カットボールで左飛に打ち取り、自身の復帰登板を完全救援で飾った。「本当に開幕に間に合って良かったというのが一番です。ああいう場面で自分のところに(登板機会が)回ってきて、チームが勝てた。それだけかなと思います」。試合後は復帰登板の感傷に浸ることなく、守護神として役割を果たした安堵感がにじんだ。

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シーズン初登板での無安打無四球無失点は、セーブシチュエーションでの失敗が1度もなかった1年目の21年以来2度目の好発進となった。完璧な火消しにも、反省を忘れない。1死から佐藤輝に対してボールが先行した投球を挙げた。「ストライク先行で行かないといけない。ストライク先行で行くことでこちらのペースで投球できるので、しっかり反省していきたい」。この日先発した森翔平、バトンをつないだハーンの投球から課題を見いだした。

昨年10月、栗林が手術することを選択したときから描く道筋は復帰ではなく、投手として成長して帰ってくることにあった。昨年中は投球再開のGoサインが出てもリハビリに時間を費やした。1月の自主トレ期間に投球を再開も、ひじに負担のかからない体の使い方を追求した。セットポジションの構えから、左足を上げたときの姿勢、踏み出す左足の動かし方……。細部にわたる動き、意識に神経を張り巡らせた。

試合は、やるかやられるかの戦い。自分の体の使い方を考えることなどできない。トレーナーとの二人三脚で自分自身と向き合う日々を越え、戦場のマウンドに帰ってきた。

「ここがゴールじゃなくて、ここからがスタートだと思う。1年間しっかり戦い抜くために。体のケアをして1試合でも多く投げられる準備をすることが、ここからの自分の役目だと思うので、集中してやっていきたい」

投球フォームからは大きな変化は見られなかったかもしれない。だが、栗林は変わった。強くなった守護神とともに、広島の25年シーズンが幕を開けた。

文:前原淳

前原淳

前原淳

カープ取材歴18年。03年に地元福岡の大学を卒業後、上京。編集プロダクションで4年間の下積みをへて、07年に広島の出版社に入社。14年12月にフリー転身。現在は日刊スポーツの契約ライターとして広島担当。日刊スポーツだけでなく、NumberWebにて「一筆入魂」を隔週連載するなど幅広いメディアに原稿を執筆するカープライター。X → @mae_junjun

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