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野球 コラム 2025年3月31日

ダルビッシュ有、AIが予測する2025年シーズン成績:38歳のベテラン投手の成績は体調面が影響

MLBコラム by J SPORTS 編集部
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ダルビッシュ有(パドレス)

昨シーズンに続き、今シーズンも『Opta』のAIによる成績予測を掲載する。最終回はダルビッシュ有パドレス)だ。

ダルビッシュ有の2024年は試合数が限定されたため、量的には残念なシーズンとなったが、クオリティという意味では充実していたといっても過言ではない。特に、2試合に先発登板して13回2/3を投げ、3失点で防御率1.98、被打率.136、WHIP0.66と圧倒的な数字を残したポストシーズンのパフォーマンスは印象的であった。

そんなベテラン右腕の2025年シーズンに対し、AIがどのような予測を打ち出してくるかは気になるところだが、まずは2024年の成績を振り返っておこう。

登板16 先発16 投球回81.2
防御率3.31 勝利7 敗戦3 奪三振78
与四球22 与死球3 自責点30 失点32
被安打65 被本塁打12 奪三振率8.60
与四球率2.42 被本塁打率1.32 被打率.217
BABIP.248 FIP4.08 WHIP1.07

繰り返しになるが、量的には物足りなさを感じるが、率に関する数字に着目すると、防御率、被打率、WHIPは何れもキャリア平均より優れており、勝率.700に至ってはキャリア2番目の数字となっている。

注目すべきは奪三振率とインプレー被打率を意味するBABIPの関係性で、昨季の右腕による奪三振率8.60はキャリアワーストだったものの、BABIIP.248はキャリアベストだったのである。

これは大ベテランの域に達しつつあるダルビッシュが、奪三振一本槍から、徐々に打たせて取る技巧派の要素を織り交ぜている証左かもしれない。ちなみに、昨季ナショナルリーグでBABIPが最も良かったショーン・マナエアの数字は.246であり、ダルビッシュの.248は、規定に達した投手では3位相当となる。

では、ここでAIの予測するダルビッシュの2025年シーズンを見てみよう。

登板27.20 先発27.20 投球回152.36
防御率4.47 勝利9.29 敗戦10.04 奪三振147.31
与四球52.36 与死球9.45 自責点75.65 失点82.16
被安打139.12 被本塁打21.79 奪三振率8.70
与四球率3.09 被本塁打率1.29 被打率.238
BABIP.295 FIP4.40 WHIP1.26

先発ローテーションの2、3番手という立ち位置ながら先発登板が27試合前後で、3シーズンぶりの規定投球回達成を逃すイニング数になっているのは、恐らくレギュラーシーズンのどこかで2、3週間の戦線離脱を強いられるとの予測に基づいているのだろう。

シーズン中に39歳の誕生日を迎える右腕の年齢を考慮すると、この予測は理解できる。なお、昨季開幕時点で38歳以上だった投手で規定投球回に達したのは、当時40歳だったチャーリー・モートンただ1人である。

実際、その予測は早くも的中となり、ダルビッシュは右肘炎症のため。開幕は15日間の負傷者リストで迎えた。復帰時期は未定だが、現地メディアは「5月の可能性がある」とも伝えている。

ただ、昨季の数字やポストシーズンでのインパクトを考えると、それ以外は防御率(4.47)にしろ勝率(.480)にしろ、首を傾げたくなる数字が並んでおり、昨季のスタッツで注目した奪三振率とBABIPの関係も、奪三振率はほぼ横ばいながら、BABIPは.295とキャリア平均より悪化する見立てとなっている。

また、与四球率も故障に悩まされた2018年以来となる3越えとなっており、その影響からWHIPも1.26と、キャリア平均の1.14を大きく上回っている。

なぜAIはダルビッシュに対し、ここまでの辛口予測を打ち出したのか。その根拠のようなものは、ここ数シーズンに渡り、ダルビッシュが見せてきた傾向に目を向けると、次第に輪郭を帯びてくる。

2020年 防御率2.01 8勝3敗
2021年 防御率4.22 8勝11敗
2022年 防御率3.10 16勝8敗
2023年 防御率4.56 8勝10敗
2024年 防御率3.31 7勝3敗

見ての通り、ダルビッシュは2020年以降、防御率2点台から3点台前半と安定したパフォーマンスで勝ち越したシーズンの翌年は、必ず防御率4点台で負け越すという不思議なサイクルに入っているのである。

それ故に防御率4.47、9.29勝10.04敗という予測が立ったと推し量ると、合点が行く。合点は行くのだが、もし本当にそうだとすると、AIも随分と安直な論法に走ったものである。

J SPORTS編集部

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