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野球 コラム 2024年11月20日

【広島好き】外国人選手も育成の時代に突入か ロマン溢れるドミニカアカデミー出身選手

野球好きコラム by 前原淳
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ラミレス

M.ラミレス

外国人選手も育成する時代なのかもしれない。J SPORTSでも連日中継されている広島秋季キャンプでは、練習生4選手を含め、カープドミニカアカデミー出身選手が6選手参加している。得点力不足解消が求められる野手陣は、育成選手のラミレスとロベルトに加え、練習生のメヒアの3選手。スイング量が増えた今キャンプでも、日本選手と同じ練習量をこなしている。

今年、広島の外国人野手は誤算だった。新外国人選手として来日したレイノルズとシャイナーは、開幕3戦目にそろって離脱。レイノルズは一軍に復帰することなく、そのまま帰国して退団となった。シャイナーは7月に復帰して同17日のDeNA戦では来日初本塁打を放って勝利に貢献するも、その後は安打すら出ずに再負傷。こちらもシーズン終了をまたずに退団することとなった。

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2年続けて外国人野手が総入れ替えに、球団は7日に新外国人野手エレフリス・モンテロの獲得を発表した。さらにもう1人の外国人野手の獲得を目指しているという。ただ、近年は広島に限らず、“当たり”言える外国人選手が少ない。期待に見合った働きができなかったときに、備えがあれば、これほど頼もしいものはない。

今季、日本で初めて過ごしたシーズンで目立った成績を残せたわけではない。

ロベルト 62試合 打率.203 2本塁打 16打点
ラミレス 43試合 打率.162 2本塁打 11打点

まだまだ発展途上にある。それでも彼らが秘めたパワーは、日本人選手にないものだ。新井監督も彼らに熱視線を送る。

「単純にパワーを比較したら、バティスタとラミレスは同じぐらいの力を持っている」。

現役時代ともにプレーした大砲と重ね、その可能性の高さに期待するラミレスには、秋季キャンプ中に何度も直接指導した。13日のロングティーの際、短い時間で助言を送ると、翌14日は午前中から約80分間、身ぶり手ぶりで熱血指導。「パワーの伝え方、出し方がロスしている。パワーはあるけど、まだ伝え方が分かっていないだけ」。下半身の使い方やタイミングの取り方を指摘し、かかと体重でドアスイング気味な打撃にメスを入れた。ただ、現状はまだ発展途上。課題も多い。

N.ロベルト

N.ロベルト

ラミレスは指揮官からの助言に即、答えを出した。15日の紅白戦の7回無死一塁から、今季4勝の玉村の直球を完璧にとらえて左翼へ弾丸ライナーのホームランを放った。新井監督も「すごい打球でしたね。あの弾道で楽々入るんですから、すごいパワーをしているなと」と目を丸くする弾道だった。確実性などの課題も残るが、期待感を高めるには十分だった。

ラミレスよりも多く実戦経験を積んだロベルトも来日時よりも体が絞られ、野球に取り組む姿勢は関係者も認めるところ。今秋来日したのは彼ら2人とポジションなどが被らないメヒアだったが、まだ現地には彼らと同じように日本行きを目指す大砲タイプもいるという。練習生のメヒアにとっては、昨年のラミレスやロベルトのように、育成契約を勝ち取る戦いだ。だが、育成契約を勝ち取った2選手も、うかうかしていたら現地で控える後輩たちに立場を奪われる可能性もある。この秋、存在感を高めるラミレスは言う。

「毎日、一生懸命練習をしている。日本でジャパニーズドリームつかみたい」

彼らが日本での夢は、広島の夢でもある。20日で秋季キャンプは打ち上げられるが、ドミニカアカデミー出身選手の育成プログラムから今後も目が離せない。

文:前原淳

前原淳

前原淳

カープ取材歴18年。03年に地元福岡の大学を卒業後、上京。編集プロダクションで4年間の下積みをへて、07年に広島の出版社に入社。14年12月にフリー転身。現在は日刊スポーツの契約ライターとして広島担当。日刊スポーツだけでなく、NumberWebにて「一筆入魂」を隔週連載するなど幅広いメディアに原稿を執筆するカープライター。X → @mae_junjun

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