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プロ野球2022公式戦
【ハイライト】広島 vs.阪神(7月20日)
数字以外でも、代打で今季1号本塁打を放った松山竜平と“夏男”長野久義の両ベテランが要所で渋い働きを見せています。さらに22日の試合では9回に値千金の勝ち越し本塁打を放った小園海斗と、23日には三塁打と二塁打で打撃をアピールし、外野を守った24日にはライン側の打球を好返球で二塁封殺した羽月隆太郎の高卒4年目コンビも躍動しました。
開幕当初に見せた打線のつながりに加え、一発の魅力も加わった感もある現在の打線ですが、その原動力となっている秋山が「前の打者がいい働きをしている」と名前を挙げた菊池涼を今回の野手MVPに選出したいと思います。
投手陣で先発で勝ち星を挙げたのは23日の森下暢仁のみ。打線の大量援護をバックに6回103球を投げて被安打7、与四球2とやや苦しんだ投球でしたが、3失点でまとめて自身4連勝、今季8勝目をマークしました。森下はコロナ禍で前述した2選手が緊急離脱となった20日の試合では二軍の事情もあり、今季打率2割台の打撃を買われて野手としてベンチ入りしました。
20日に先発した床田寛樹は8回3失点と先発の役割は果たしましたが、打線の援護がなく今季阪神戦初黒星。22日の大瀬良大地も6回2失点と試合はつくりました。アンダーソンが5回3失点で降板した20日には、3番手で登板した薮田和樹が1イニング無失点で今季初勝利をマーク。薮田は18日に先発予定も雨天中止となり、リリーフでようやく片目を開けました。
クローザーの栗林良吏が2試合登板で無失点、きっちりと2セーブを挙げていますが、投手の週間MVPに選出したいのが2試合登板で1勝1ホールドをマークした森浦大輔です。20日は逆転した直後にリードを守り、22日は同点の場面を三者凡退で直後の勝ち越しにつなげています。
いずれも8回の登板でチームの勝利に貢献した2年目のサウスポー。これまでなかなか確立できなかった“8回の男”定着を願って、前半戦最後の投手週間MVPとします。
文:大久保泰伸
大久保泰伸
フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。
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