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2021年マイナー契約でブルワーズへ。しかし、メジャー昇格は叶わず4月29日に引退を決意。ところが故障者発生に悩む球団から逆にメジャー昇格を打診され、一時的に引退を撤回した。その後2試合登板を経て、正式に引退した。
松坂 大輔
「平成の怪物」は、その全盛期に渡米しながら、メジャーキャリアは故障もあり尻つぼみだった。ポスティング移籍に当たり、日米メディアによる報道合戦が展開された。レッドソックスがメジャーで一球も投げていない投手にコミットした1億ドル以上の金額や、「ジャイロボール」なる魔球を操るとの噂が、アメリカのファンの妄想を掻き立てた。スプリングトレーニングの段階で、「今年のサイ・ヤング賞候補」にDice−Kの名を挙げるメディアもあった。しかし、最初の2年間こそ33勝(15敗)を記録したが、それ以降はヒジの故障と手術、そのリハビリで、大型契約に見合ったパフォーマンスは披露できなかった。そして、NPB復帰後も故障とリハビリを繰り返すシーズンが続いた。
日米を通じた現役生活は23年にも及び通算170勝だが、プロ入り後の12年で154勝、その後の11年間では16勝、最終2年間の登板は引退試合のみ。あまりにも長い晩年だった。
それでも、日本のファンは彼に対して最後まで声援を送り続けた。それだけ、アマ時代とプロ入り当初の活躍は鮮烈だったということだ。
文:豊浦彰太郎
豊浦 彰太郎
1963年福岡県生まれ。会社員兼MLBライター。物心ついたときからの野球ファンで、初めて生で観戦したのは小学校1年生の時。巨人対西鉄のオープン戦で憧れの王貞治さんのホームランを観てゲーム終了後にサインを貰うという幸運を手にし、生涯の野球への愛を摺りこまれた。1971年のオリオールズ来日以来のメジャーリーグファンでもあり、2003年から6年間は、スカパー!MLBライブでコメンテーターも務めた。MLB専門誌の「SLUGGER」に寄稿中。有料メルマガ『Smoke’m Inside(内角球でケムに巻いてやれ!)』も配信中。Facebook:[email protected]
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