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野球 コラム 2021年3月26日

「1275人から満員OKまで」それぞれの観客数制限で迎える2021年MLB開幕戦

MLB nation by 豊浦 彰太郎
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新型コロナウィルス感染対策を行いながらのスプリングトレーニングも終盤だ。4月1日には、全球団一斉に開幕を迎える。今季は2年ぶりに観客を入れてのペナントレースとなるが、受け入れる観客数はMLB全球団一律ではなく、州ごとに定められている基準を踏まえた上での設定となる。アメリカはもともと「合衆国」だし、広い国土での感染状況やワクチン接種の進捗状況が異なるため、当然だとも言えよう。

昨年は、各球団原則60試合の公式戦は全て無観客だった。レンジャーズの新本拠地グローブライフ・フィールドでのナ・リーグのチャンピオンシップシリーズとワールドシリーズのみ有観客で開催されたが、各試合とも収容能力の3割弱となる1万1000人程度だった。

ここでは、開幕時点での各球団の観客受け入れの傾向や特徴を紹介しよう。ただし、それらはあくまで「開幕時点」でのものだ。日々変化する可能性はある。シーズンが深まるにつれ、ワクチン接種の拡大等により各種の制限が緩和される方向に向かうことを期待したい。

各球団の観客受け入れは、収容人員の25%程度、約1万人前後が多いが、かなり差がある。入場制限を実施しているなかでは、最少はブルージェイズの1,275人(キャパの12%)だが、ロッキーズのように21,363人(46.2%)というケースもある。ブルージェイズの数値が極端に低いのは、本拠地ロジャース・センターの使用をカナダ政府がまだ許可しておらず、キャパわずか8,500人のフロリダの春季キャンプ施設TDボールパークで開幕を迎えるからだ。ちなみに、同地の日差しと湿度が厳しくなる6月頃には、昨季使用したニューヨーク州バファローの3A本拠地に移動すると見られている。

テキサス州は、すでにマスク着用とスポーツイベントでの入場制限を解除している。レンジャーズは、最終のオープン戦2試合(キャンプ地ではなく本拠地開催)と開幕戦に関しては入場者数を制限しない方針を打ち出したが、それ以降は独自の上限を設定する予定で、マスク着用は全ての観客に義務付けるという。同じテキサス州のアストロズは「検討中」としてたが、どうやら50%(2万人強)あたりに落ち着く模様だ。州が認める最大キャパを敢えて下回る球団は他にもある。メリーランド州は収容能力の50%までの観客を認めているが、同州のボルティモアに本拠を置くオリオールズは、その半分の25%となる11,000人で開幕を迎えることを表明している。

ニューヨークの2球団、ヤンキースとメッツの本拠地では、入場に際し72時間以内のPCR検査での陰性証明、もしくはワクチン接種済の証明が必要だ。

パイレーツのケースもちょっと変わっている。PNCパークにはその20%である7,600人まで受け入れるが、この人数には観客だけではなくスタッフも含まれるという。したがって、ファンは何名まで入れるのかは未定だ。

ちょっとシニカルな興味は、不入りで知られるマーリンズの動向だ。上限はマーリンズ・パーク収容能力の25%の9,200人だが、2019年の1試合平均の動員実績は10,016人でしかない。同年には、9,200人以下の観衆だったケースが、主催81試合の半分以上となる46試合もあった。今季の入場者数制限の影響をもっとも受けない球団だと思えるが、昨季の17年ぶりのポストシーズン進出が、どれほどの変化をもたらすだろうか?

また、各球団とも感染拡大防止のため、観戦チケットのモバイル化、場内での飲食やグッズ購入の際のキャッシュレス化を打ち出している。駐車場でのテールゲート・パーティ(ワゴン車のテールゲートを開け、BBQなどを楽しむ行為で、スポーツイベント前の楽しみのひとつ)を禁止する球団も多い。

個人的にちょっと注目しているのが、アスレチックスの本拠地オークランド・コロシアムの名物である外野席の鳴り物応援団がどうなるかだ。日本の球場の応援団とは比べものにならない小規模だが、両翼スタンドに陣取り、カネやラッパ、巨大フラッグなどで個性的な応援を繰り広げている。大声を張り上げることもあるので恐らく全面的に禁止されると思うが、正直なところ少々寂しい気もする。

前述の通り、ここに紹介した各種の制限や制約は、感染状況が改善されれば緩和や解除される可能性もある。1日も早く、通常の観戦スタイルが戻って欲しい。

文:豊浦彰太郎

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豊浦 彰太郎

1963年福岡県生まれ。会社員兼MLBライター。物心ついたときからの野球ファンで、初めて生で観戦したのは小学校1年生の時。巨人対西鉄のオープン戦で憧れの王貞治さんのホームランを観てゲーム終了後にサインを貰うという幸運を手にし、生涯の野球への愛を摺りこまれた。1971年のオリオールズ来日以来のメジャーリーグファンでもあり、2003年から6年間は、スカパー!MLBライブでコメンテーターも務めた。MLB専門誌の「SLUGGER」に寄稿中。有料メルマガ『Smoke’m Inside(内角球でケムに巻いてやれ!)』も配信中。Facebook:[email protected]

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