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MLBでは、年々スタッツの細分化が進んでおり、選手たちの様々な能力を数値に置き換えて可視化している。
『チェイス・レート』(Chase Rate)もその1つであり、これは“振らなければボールと判定されるであろう球をスイングする確率”の意である。
打者であれば、この数字が低ければ低いほど選球眼があるということになり、投手であれば、この数値が高いほど制球力と技巧に長けているということになる。
『CBSスポーツ』は現地3日付で、MLBにおいてこの能力に秀でた3人の投手にスポットライトを当てる記事を電子版に掲載し、その1人としてヤンキース・田中将大のずば抜けて高い、ボール球をスイングさせる能力に注目している。
記事によると、田中は「速球の球速は平均的で、ここ数シーズン、ナックルボールを持っていない投手の中では、速球を投げる割合は比較的低い」とコメント。
その上で、「スライダーとスプリット、そしてたまにカーブを程よく織り交ぜることで打者を翻弄していると」と右腕の強みを分析。「この質の高い変化球により、タナカは傑出してチェイス・レートの高い投手となっている」とした。
記事によると田中は2015年以降、この数値を39.0%(MLB2位)、37.8%(MLB4位)、42.2%(MLB首位)、40.7%(MLB首位)、39.9%(MLB首位)としている。
そして、ここ5シーズンの平均40.0%は、MLB全体で2位のカルロス・カラスコによる37.5%を大きく引き離す断トツのトップであり、「この1位と2位の差は、2位と12位の差と同等」とのことである。
こうして見ると、如何に田中がこの能力で傑出しているかが分かるが、記事では昨季の数値が落ちたことに着目し、その理由を公式球の変更により、田中のスプリットの威力が半減したのではないかと分析。
実際、昨季の田中はスプリットの握りをシーズン途中で変えており、記事によると、「昨季のタナカはスプリットを従来の握りで投げた最初の21試合では、防御率4.79だったのに対し、握りを変えた最後の10試合は防御率3.79だった」とのこと。
その上で、田中の2020年シーズンのパフォーマンスは、「ボールが最も大きなファクターとなるだろう」と結論付けている。
今季開幕後は、田中が如何にスプリットの切れを取り戻し、チェイス・レートを高水準に維持することができるかどうかに注目したい。
J SPORTS 編集部
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