人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

野球 コラム 2020年5月20日

MLB機構の「サラリーキャップ提案」が象徴する労使蜜月の終焉

MLB nation by 豊浦 彰太郎
  • Line

1994年8月、労使交渉のもつれから、MLB選手会はストライキに突入した。スト自体はそれ以前にも数度あり、中でも81年のそれはシーズン途中の49日間という長期に亘るものだった。しかし、94年のストはそれどころではなく、シーズン残り全試合とポストシーズンも中止に追い込まれた。

労使の論争の焦点は、オーナー側が前年に導入を提唱したサラリーキャップ制だったが、年俸調停制度の撤廃も追加提案してきた。「年俸が高騰しすぎて経営が成り立たない」というのがオーナー側の主張だったが、選手会側も年俸調停の資格取得までの期間短縮や最低年俸の引き上げを要求し対抗した。

94年7月末、平均観客動員数が史上最高を記録する中、選手会は8月12日をスト突入期限とすることを発表し、当日を迎えると選手は職務を停止した。交渉は膠着状態のままで、9月中旬にはバド・シーリグ・コミッショナー(当時は代行)がポストシーズンを含めたシーズンの再開断念を発表した。

その後、当時のビル・クリントン大統領が仲裁に乗り出すも効果はなく、年を越し春が近付くにつれ、怒りを露わにするファンの声を労使双方とも無視できなくなってきた。3月末にはニューヨーク地裁がシーズン再開を勧告。4月初旬に労使ともそれを受け入れ、4月26日にやっと開幕した。

しかし、ファン無視のストライキはその後の観客動員にも影響を与えた。95年の総観客数は約5046万人で、スト前年の93年の7025万人に比べ3割近く減少した。開幕が遅れ総試合数が1割以上少なかったことを考慮しても大きな落ち込みだった。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
野球を応援しよう!

野球の放送・配信ページへ