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野球 コラム 2020年4月14日

メジャーはキャンプ地での無観客試合も、マイナーはそうも行かず

MLB nation by 豊浦 彰太郎
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思い出して見れば、ロブ・マンフレッド・コミッショナーが3月12日にその後のスプリングトレーニングゲーム全試合のキャンセルと開幕の延期を発表した際も、「国として非常事態下」であることを強調していた。労使契約上、コミッショナーは「国家が非常事態下」であれば試合の開催を停止する権限を持つ。このことは、球団がサラリー支払い義務を免除されることを意味している(マンフレッドの発表の翌日にドナルド・トランプ大統領の「宣言」がなされている。コミッショナーはこれが発出される確証を掴んでいたのかもしれない)。

しかし、メジャーとは異なり、全米とカナダに広がる約250のマイナーリーグ&独立リーグ球団はそうは行かない。彼らには高額な放映権収入はない。提携関係にあるMLB球団からのサポート(独立リーグ球団にはそれもない)を除くと、独自の収入源はチケット売り上げだ。

ESPN電子版は、マイナーリーグ・コミュニケーション・ダイレクターのジェフ・リンツのコメントを引用し、「主催が年間70試合のマイナー・リーグ球団の場合、シーズン5〜6試合の雨天中止のリスクは年間経営計画に織り込んでいるが、それが7〜9試合になると黒字を確保きできるかどうかの瀬戸際になる」と報じている。中止試合は翌日にダブルヘッダーとして消化されるケースが多いが、その場合チケットは、メジャーとは異なり、2試合共通券になる。とてもではないが、無観客試合を開催する体力はない。

それでなくても、マイナーリーグは、42球団が昨年オフMLBから2020年シーズン後の提携解消を通告されている。マイナーリーグは米国人の生活に深く根差したナショナルパスタイムを草の根で支える存在だ。人々は、夏の日に球場で家族や友人との絆を確認し、明日のスーパースターに熱い視線を送る。しかし、それは現在大きな危機に瀕している。

文:豊浦彰太郎

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豊浦 彰太郎

1963年福岡県生まれ。会社員兼MLBライター。物心ついたときからの野球ファンで、初めて生で観戦したのは小学校1年生の時。巨人対西鉄のオープン戦で憧れの王貞治さんのホームランを観てゲーム終了後にサインを貰うという幸運を手にし、生涯の野球への愛を摺りこまれた。1971年のオリオールズ来日以来のメジャーリーグファンでもあり、2003年から6年間は、スカパー!MLBライブでコメンテーターも務めた。MLB専門誌の「SLUGGER」に寄稿中。有料メルマガ『Smoke’m Inside(内角球でケムに巻いてやれ!)』も配信中。Facebook:[email protected]

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