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長年ドラゴンズを引っ張ってきた右のエース吉見一起。ここ数年は苦しんでいる。
2012年まで5年連続2桁勝利。しかしこの年を最後に勝ち星は伸び悩んでいる。右ひじにメスを入れた。トーミージョン手術からの復帰は容易ではない。
手術後の2013シーズンから7シーズンで合計19勝。今シーズンは1勝にとどまった。シーズンオフに入った吉見は連日ナゴヤ球場で汗を流す。そして大きなテーマを掲げた。
“フルモデルチェンジ” 吉見は大幅な投球フォーム改造に着手した。
吉見といえば左の前足が上がった後、沈み込みながら溜めを作る。長くボールを持ち低い姿勢で前に体重移動しリリースに入る。
10月初旬、ブルペンで投げる吉見には、トレードマークである溜めがなくなっていた。とてもシンプルに見える。
吉見は「歩幅を狭くして、今は長く溜めるというか、足が地面についたら、すぐに背中を折るイメージでフォームを作っています」と説明する。
さらに吉見は「僕自身、長く溜めて投げる部分は一番大事にしてきた所。こだわって作ってきた所です。でも、僕の中で何かを大幅に変えないとダメな時期に来ましたね」。
一番大事にしてきた部分を捨てる。なぜ吉見はそこまでの決断に迫られたのか。
「はっきりと結論付けてはいないんですが、マウンドの硬さですかね。硬くなると言われていたナゴヤドームのマウンドはそこまでではなかった」。
「でも、東京ドームや2軍戦の球場でも、投げている最中に今まで感じた事のない張りが出て5回途中でもうピッチングにならなかった」。
「特に脛の筋肉がパンパンになってしまう。4回途中で足が使えない。これは投げ方を変えないとダメかなって」。
マウンドの硬さに合わせスパイクを変える工夫もしたが、最後まで改善策は見つからなかった。10月に入りさっそく取りかかった新フォーム。吉見には考えがあった。
「ルイス(通訳兼ブルペン捕手)に聞いたんです。ドミニカとかは基本的にマウンドが硬いでしょ。向こうのピッチャーはどうやってフォームを作るのか、どんなフォームが一般的なのかを聞いたんです。それをヒントに今の形にしようと思いましたね」。
吉見は今、ボールを受けてくれるキャッチャーに、隔たりなく意見を求める。自分がどうなっているのか、捕手にはどう見えているのか。その意見を素直に聞き入れる。
簡単ではない。頭のイメージを体に染み込ませていく。フォームの大幅な改造は気の遠くなる作業だ。
吉見は前を見つめはっきり言う。「長年やって来たフォームなんで、どうしてもダメなら戻せばいい。でも、何かを変えないと本当にダメ。だから挑戦しますよ。来年が最後だと思ってやります」。
もう一度、あのマウンドで躍動する吉見一起をファンは待っている。
文:森貴俊
森 貴俊
1976年愛知県出身。東海ラジオ放送スポーツアナウンサー。ドラゴンズ戦中心のガッツナイターをはじめJリーグ、マラソン等スポーツ実況を担当。原点回帰を胸に、再び強き竜の到来を熱望する43歳。日々体力の衰えを感じるがドラゴンズへの喜怒哀楽は衰え知らず。今年もマイクの前で本気で泣いて怒って笑います!
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