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全日本大学野球選手権ハイライト
準決勝 明治大学vs.東京農業大学北海道
しかし、明大打線も2回以降無失点に抑えられ、7回まで1-1の状況を打破できない。
「もう、どっちに転んでもおかしくない試合。その中で伊勢がしっかり投げてくれましたし、この回が勝負だなとベンチでも話していました」(喜多)。
8回1死から、丸山和郁外野手(商2=前橋育英)が右翼への二塁打を放つ。続く、内山竣外野手(商4=静岡)は進塁打で二死3塁の好機を作ると打席には4番の北本。
スタンドも大きな期待を寄せる中、2球目。変化球が逸れ、それを捕手が止められず。丸山が本塁を踏み、ガッツポーズ。思いがけない相手のミスで勝ち越しに成功。
ここで完璧に明大に流れが傾いた。ここから四球と盗塁で二死2塁の好機を作ると打席には喜多。
「ここで1本打って試合を決めてやろうと思った」とアウトコースよりの直球を弾き返し、バックスリーン直撃の2点本塁打。その後も陶山勇軌(商2=常総学院)の適時二塁打も飛び出し、8回に4点差をつけ、突き放した。
写真:バックスリーンに2点本塁打を放った喜多
9回のマウンドには、もちろん伊勢が立った。明大のエースナンバーである「11」を今季から託されるも、リーグ戦では先発機会は1度もなかった。
「調子が上がらず、チームにも迷惑をかけて」と任されたリリーフでも満足のいく結果を出せなかった。優勝後も自分の貢献度が低かった分「複雑な気持ちだった」。
しかし、「今大会は先発もさせていただいて、期待してもらっていたので、その期待に応えよう」と調子を上向きにして挑んだ大会だった。
9回、ギアを上げ先頭打者を三振に切ると、最後の打者も変化球で空振り三振。試合が終わるとグラブを力強くたたき、少しほっとした表情も見せた。
38年ぶりの悲願達成まで、あと1つのところまで上り詰めた。伊勢の好投により、この試合で登板機会がなかった森下暢仁主将(政経4=大分商)は決勝戦での先発登板が予告された。
対する決勝の相手は佛教大学。ここまで3点差の逆転を3試合積み重ねるなど、下馬評を幾度となく覆してきた勢いのあるチームだ。
「みんなの思いを乗せた球を放り込んで欲しい」(善波監督)。森下主将を中心にリーグ戦を積み重ねるごとに強さを増してきた今季の明大。春シーズンの最後は笑って終われるか。決戦は明日の13時プレイボールだ。
第68回全日本大学野球選手権の決勝戦、明治大学vs.佛教大学は、6月17日(月)午後0:45から、J SPORTS 3で生中継、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信される。
文:丸山拓郎(明大スポーツ)
明大スポーツ新聞部
1953年(昭和28年)創部。現在明治大学において唯一の学生新聞部。明治大学体育会43部の競技成績や、学内外の話題を幅広く紙面・WEBサイト上にて掲載、発信。 現在の部員数は56名。
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