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試合は1-1のまま延長戦に入り、JFE西日本は2番手に右腕・谷中文哉を起用する。さらに12回二死からは今大会で好リリーフを続けている左腕・中川一斗が登板した。
三菱重工名古屋も11回から4番手の右腕・萩原大起が登板し、試合は総力戦の様相を呈する。
試合の均衡が破れたのは13回表。三菱重工名古屋は5番・山田が二死1、3塁から三遊間に「ぎりぎり」の打球を放つ。ショートの二塁送球が間一髪セーフとなり、内野安打で三塁走者の生還が認められた。
山田は13回裏にも左中間の大飛球をダイビングキャッチするビッグプレー。萩原がラスト3イニングを締めて、三菱重工名古屋が逃げ切った。MVPには3試合で2勝を挙げ、計19回3分の1を投げて1失点と好投した勝野が選ばれた。
悲願の「ダイヤモンド旗」を獲得した三菱重工名古屋は、山田の好守や安田亮太キャプテンによる好リードなど「数字に出ない」プレーと粘り強さが光った。
勝野の他にも新日鐵住金鹿島の4強入りに貢献した大貫晋一(DeNA3位)や、近本光司(大阪ガス/阪神1位)など、今大会の出場選手は10名以上がドラフトの指名を受けている。
また、計27イニングを1失点で投げ切ったJFE西日本の河野、高卒2年目の150キロ右腕・立野和明(東海理化)など「2019年の候補」がブレイクする大会にもなった。
第44回日本選手権は決勝戦の激闘以外にも、みどころが多い12日間だった。
大島 和人
1976年神奈川県で出生。育ちは埼玉で現在は東京都町田市に居住。早稲田大学在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れた。卒業後は損害保険会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。現在はサッカーやバスケ、アマチュア野球など多彩なボールゲームの現場に足を運んでいる。Twitter(@augustoparty)
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