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救援投手を「オープナー」起用するなら、勝利の方程式(陳腐な表現だが)の1人であるジューリス・ファミリア(メッツ所属の16年にセーブ王)あたりを起用する手もあったと思う。しかし、正捕手のジョナサン・リクロイが地元紙「サンフランシスコ・クロニクル」に語ったところによると、「投手というのは、本来の役割以外の起用を強いられるのはハッピーではないんだよ」ということになる。確かにそうだ。現時点ではまだ「オープナー」は「貧乏人の知恵」であり、「奇策」の域を出ない、ということなのだろう。思わぬ劣勢のもと6回から起用した、クローザーのブレイク・トライネン(レギュラーシーズンではサイ・ヤング賞ものの大活躍だった)が2回3失点と、今季唯一とも言って良い背信投球に終わり、敗戦を決定的にしてしまったことがそのことを象徴していた。
今季のA’sはメジャー3位の227本塁打を叩きだした長打力と、これまた同3位の防御率3.35を記録した強力ブルペンが原動力だった。しかし、まともな先発投手が8月に加入のマイク・ファイアーズ以外はほぼ皆無の状態では、仮にワイルドカードゲームをクリアしたとしても、その先の強豪たちとのし烈な戦いを勝ち抜いて行けただろうか。やはり、このあたりが奇策の限界だったのかもしれない。
来季の展望は判断の分かれるところだ。打線はクリス・デービス(30歳)、マット・チャップマン(25歳)、マット・オルソン(24歳)ら若い選手が中心で、彼らにはまだ伸びしろがありそうだ。しかし、3年連続40本塁打&100打点を記録し、自身初の本塁打王(48本)に輝いたデービスはすでに年俸調停権を取得しており、引き止めには今季1050万ドルの年俸に更なる上乗せが必要だ。また、ビーン副社長お気に入りの3番打者ジェド・ラウリーとリクロイはこのオフFAだ。
先発投手陣も根本的に再編成しなければならない。トレバー・ケイヒルやブレット・アンダーソン、エドウィン・ジャクソンら他球団で見切りをつけられたロートルの「意外な健闘」が来季も再現されるとはチト思えない。今季ノーヒッターを達成しながら、左肩の故障で離脱し手術を受けたショーン・マネイアの復帰は来年後半のことだ。
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