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バドミントン コラム 2026年7月7日

【バドミントン ジャパンオープン2026 開幕まであと7日】男子シングルスは「21歳世代の波」を見逃すな

バド×レポ by 平野 貴也
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バドミントン ジャパンオープン2026 開幕まであと7日

バドミントン ジャパンオープン2026 開幕まであと7日

バドミントンの国際大会「ダイハツジャパンオープン」が、7月14日に東京体育館で開幕する。世界ランキング上位者に出場義務が課せられる、BWFワールドツアースーパー750の大会。過去の五輪や世界選手権のメダリスト、2028年ロサンゼルス五輪の注目株ら強豪選手が世界中から集結する。

男子シングルスでは、ロサンゼルス五輪に向けて存在感を増している「21歳世代の波」が注目どころだ。2024年パリ五輪で連覇を成し遂げたビクター・アクセルセン(デンマーク)がけん引役だったが、26年4月に現役引退を発表した。次の主軸となっているのは、2025年世界王者の石宇奇(シ・ユーチー=中国、30歳)と24年パリ五輪銀メダルのクンラブット・ヴィティドサルン(タイ、25歳)の2人だが、この種目は混戦化している。大ベテランの周天成(チョウ・ティエンチェン=台湾、36歳)、ベテランの域に入って来たアナス・アントンセン(デンマーク、29歳)、ジャパンオープンで2度準優勝の経験があるジョナタン・クリスティ(インドネシア、28歳)といった馴染みのある顔ぶれも上位候補となる。

今季の成績で言えば、昨季少しずつ上昇の兆しを見せていた林俊易(リ・チュンイ=台湾、26歳)が、インドオープン(スーパー750)と全英オープン(スーパー1000)で優勝と大躍進しているのも気になるところ。「左手重砲」のニックネームを持つ、左利きのアタッカーだ。上位候補が乱立するが、注目したいのは、台頭が目立つ2004年~05年生まれの21歳世代。28年ロス五輪に向けて、さらに存在感を増す可能性が強い。

25年世界選手権で銅のビクター・ライ、1年で世界ランク72位→9位

ビクター・ライ

ビクター・ライ(カナダ)

代表格と言える選手が2人いる。まず、25年世界選手権でカナダ勢初の銅メダルを獲得したことで注目度を一気に高めたビクター・ライ(カナダ、21歳)。世界選手権前は、25年7月のカナダオープン(スーパー300)準優勝が主な成績で、当時の世界ランクは72位。まだ競技に本格的に取り組み続けるか悩んでいる大学生だった。しかし、1年後の今年6月には、世界ランクを9位まで上昇させ、インドネシアオープン(スーパー1000)優勝も果たした。この1年で一気にブレークした選手だ。身長184センチと恵まれた体格で、返球範囲の広さをベースに戦う。戦うステージを上げて、上位クラスの打球に慣れてきたことで、着実に成績を上昇させている。27年の五輪レース、そして28年のロス五輪へ、まだまだ力をつけそうな選手だ。

3年連続のジャパンOP決勝を狙う、アレックス・ラニ

アレックス・ラニ

アレックス・ラニ(フランス)

もう一人は、24年パリ五輪翌週に19歳でジャパンオープンの覇者となったアレックス・ラニ(フランス、21歳)。前年に世界ジュニア選手権で銅メダルを獲得していた若者は、横浜アリーナで次々とシード選手を破って初優勝を飾り、世界を驚かせた。まだシーズンで安定して上位に入るには至らないが、25年は全英オープン(スーパー1000)で4強入りし、ダイハツジャパンオープンでは2年連続の決勝進出。今季は、オルレアンマスターズ(スーパー300)とシンガポールオープン(スーパー750)で優勝を飾っている。ジャパンオープンとの相性の良さは言うまでもなく、東京体育館に会場が変わった昨季も準優勝。今大会では、3年連続の決勝進出を狙う。

インドネシア、タイ、インドにも新星

アルウィ・ファルハン(インドネシア)

アルウィ・ファルハン(インドネシア)

この世代には、ほかにも存在感を増している選手がいる。アルウィ・ファルハン(インドネシア、21歳)は、2023年の世界ジュニア選手権で、インドネシア勢初の優勝を果たした選手。スピードがあり、早いタッチの返球でラリーを組み立て、チャンスを作る。今季は、インドネシアマスターズと豪州オープン(ともにスーパー500)で優勝。スーパー750でもシンガポールオープンで4強入りを果たしており、今大会でも躍進が期待される一人だ。

パニッチャフォン・ティーララッサクル(タイ、21歳)は、元タイ代表選手の父の下で育った双子の弟。21年のワールドユニバーシティゲームズで銀メダル、22年の世界ジュニア選手権で銅メダルと才能を示してきた、スピード豊かな長身サウスポー。今季は、インドネシアマスターズとマレーシアマスターズ(ともにスーパー500)で準優勝。6月のインドネシアオープン(スーパー1000)で4強入りと活躍のステージを上げている。

五輪王者のアクセルセンと同じ194センチの長身を誇る、アユシュ・シェティ(インド、21歳)も印象的な選手だ。一撃必殺の強打が最大の武器。何しろ、振り下ろして来る強打の角度が別格だ。23年世界ジュニア選手権の銅メダリスト。上記4人と比べると、まだシニアでの成績面は安定感を欠くが、4月のアジア選手権(世界ランキングポイントは、スーパー1000相当)では、準優勝と躍進。彼ら21歳世代が、今後どこまで存在感を強めて、ロス五輪レースを迎えるか。その変化によって、ロス五輪の展望も変わって来るだろう。

初出場の沖本も21歳世代、日本勢も躍進なるか

そして、もちろん、日本勢にも注目してほしい。初出場となる沖本優大BIPROGY)は、2005年生まれで、今回紹介した21歳世代。日本からも新世代の波を起こしてほしい。直前のカナダオープン(スーパー300)では、地元で優勝を狙ったビクター・ライを破って勝ち上がり、初優勝。大きな可能性を示した。ダイハツジャパンオープンでは、早期にシード選手と対戦する組み合わせが予想されるが、アップセットが期待される。

沖本優大(BIPROGY)

沖本優大(BIPROGY)

日本勢は、自国開催の国際大会で好成績を挙げている。西本拳太(ジェイテクト)は22年にこの大会を優勝。渡邉航貴BIPROGY)は、前回大会でベスト4に入った。奈良岡功大NTT東日本)は、昨年の熊本マスターズジャパン(スーパー500)で初優勝を飾っている。奈良岡は「5月から状態が良くなかった。試合数も多く、疲れていて、集中力が足りなかった。ここから、1000とか750の大会でもっと勝ちたい。今は、誰が勝ってもおかしくない感じ。ジャパンオープン、中国オープンは、ベスト4とか8とかには絶対に行きたい」と巻き返しを誓っていた。

今季は、渡邉と田中湧士NTT東日本)が好調だ。渡邉は、シンガポールオープン(スーパー750)で4強入り。帰国時には「ジャパンオープンは、昨年がベスト4なので、もっと上を目指して、決勝の舞台に立てるように、優勝できるように頑張っていきたい」と話していた。田中は、インドネシアマスターズ(スーパー500)やインドネシアオープン(スーパー1000)で8強入り。「ちょっと、自信はついてきている。日本でやる大会。簡単ではないけど、声援の力を借りてベストパフォーマンスを出したい。来年は、五輪レース。直接対決じゃないけど(日本で)誰よりも成績は上に行きたい」と意気込んだ。

西本や奈良岡は、まだ復調途上でコンディション次第の部分はあるが、日本勢全体で上位の一角に食い込む活躍を見せてもらいたい。

文:平野貴也

平野貴也

平野 貴也

1979年生まれ。東京都出身。
スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集・記者を経て、2009年に独立。サッカーをメーンに各競技を取材している。取材現場でよく雨が降ることは内緒。

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