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■世界選手権を制した21年は「別の人がやっていたのかなという感覚」
保木/小林の「ホキコバ」は、東京五輪後の21年秋に急激に台頭したペアだ。同年12月にはBWFワールドツアーファイナルズと世界選手権で優勝。世界に名前を売った。しかし、22年は苦しみながらも大混戦の男子ダブルスで上位生存競争に耐える格好となった。2つの経験を経て、今季は自然体で自分たちの力を信じて五輪レースに臨んでいる。保木は、4月のインタビューで以下のように振り返った。
「21年後半は、今になると、自分たちがやっているような感覚ではなくて、別の人がやっていたのかなという感覚。あの時は何をやってもうまく行ったし、どんな相手にも勝てると思った。あそこで株を上げ過ぎた分、22年は皆さんが期待してくれたほどの結果が出なくて、ダメだなって思われていたかもしれない。でも、22年に我慢してコンスタントにベスト8に入ろうと考えながらやっていたのが、多分、どのペアにとっても普通(の状態)。21年は、本当に奇跡。そこを考えずにコンスタントに行くことがレースの中で一番大事と思う。勝って満足していたら、レースはあっという間に終わる。それが東京五輪のレースだった。前半にインドネシアOPでベスト4に入って、世界選手権で2位になって。どこか安心して、急激に結果が出なくなった。勝っても負けても、もう1回という気持ちが大事」
■7月の3大会でも安定感ある戦いを見せられるか
7月は、3つの国際大会に出場する。初戦は、4日開幕のカナダOP(スーパー500)。中国や韓国、マレーシアなどの上位ペアが不在で、第1シード。保木は「500のグレードでほかの国の上位選手が出てこないドロー。優勝を全力で取りに行きたい。『全集中』で向かっていければ」と意気込みを語った。続いて18日開幕の韓国OP、そして25日開幕のダイハツジャパンOPと続く。保木は、連戦でコンディション調整が課題になると指摘しながらも「競技をやっている中で、取ってみたいタイトルの一つ。狙っていきたい」と自国開催の大舞台に意欲を示した。着実に一歩一歩、たくましく、初の五輪出場へ歩を進めるつもりだ。
平野 貴也
1979年生まれ。東京都出身。
スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集・記者を経て、2009年に独立。サッカーをメーンに各競技を取材している。取材現場でよく雨が降ることは内緒。
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