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大きな悔しさからのスタートを、エネルギーに変えて進む。バドミントン日本代表、男子ダブルスの保木卓朗/小林優吾(トナミ運輸)は、パリ五輪出場権獲得レースが始まった5月、4週目に迎えたシンガポールOP(BWFワールドツアースーパー750)で約1年ぶりとなるワールドツアー優勝を飾った。保木は「スディルマンカップで悔しい負け方をした。そこから(自分たちの心境が)どうなるのかと思ったけど、奮起できた。やってやるぞという気持ちになれて、一つひとつの試合に気持ちを込めてやることができています」とその前にあった悔しいスタートに触れた。
保木/小林ペア
■スディルマン杯で味わった「あと1点」届かぬ悔しさ
五輪レースの初戦だったスディルマン杯は、男女混合の国別対抗戦。5種目を戦い3勝を競う方式だ。日本は、準決勝で中国と対戦。2-1で回った第4種目が、男子ダブルスだった。この種目のエースとして起用された保木/小林は、世界ランク5位のリュウ・ユチェン/オウ・シュァンイを相手にファイナルゲーム19-13とリード。追い上げを受けながらも20-16でマッチポイントを握った。4点リードの中、1点取れば、日本の勝利。勝算の高い状況になったが、徹底して前に出てきた中国ペアに押し込まれ、まさかの6連続失点で20-22の逆転負け。勢いを失った日本は、最終種目の女子ダブルスも敗れて2-3で逆転負けを喫した。相手は昨年に組み替えたペアだが、リュウは、18年の世界選手権金メダリスト。21年東京五輪でも銀メダルを獲得している実力者だ。小林は「あの場面で思い切りできなかった自分たちにも課題は感じましたけど(193センチの長身を誇る)リュウ選手があの場面でも冷静に前に突っ込んできて、自分たちのサーブ周りをいなしながら、次の球を狙ってきた。場数を多く踏んでいる選手に及ばなかったなと感じました」と中国のトップクラスの底力を感じさせられた瞬間を振り返った。
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