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バレーボール コラム 2026年10月20日

昔と今で見るバレーボール 〜時代とともに変わる競技の魅力〜第4回:「高速化するバレー」

バレーボールコラム by J SPORTS 編集部
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バレーボールの高速化は定期的に議論されるトピックの一つと言える。1996年、2000年、2004年とオリンピックに出場できなかった男子日本代表は、ストップウォッチで計りながらの練習でトスのスピードアップを目指した。Aクイックをおとりにした時間差攻撃としてのバックアタック(パイプ攻撃)を繰り出した1990年代ブラジル男子のインパクトは大きく、高速パイプ=bick(ビック、back row quick)といった用語が広がったこともある(現在の日本ではあまり聞かれない)。

だとすれば、どの時代と比べれば高速化したと言えるのか? 1970年代の女子では日立や日本代表が「ひかり攻撃」という高速平行トスからの攻撃を武器にするなど、現代のバレーボールが必ずしも「以前より速い」とは限らない。

 

 

そして、ここまではトスのスピードを議論してきたが、そもそもバレーボールにおける高速化とは何か、という問題がある。トスのスピードを上げようとする場合、その最大の目的は相手ディフェンス、特にブロックを分断して、スパイク得点に結びつける確率を上げることである。そして時間差攻撃や移動攻撃、現代のシンクロ攻撃といった各種の戦術は、すべてこの目的のためにこれまで変遷を続けてきた。攻撃戦術が進歩すればブロック戦術もそれに合わせて発展し、またそれを攻略する攻撃戦術が生み出され…、という繰り返しがバレーボールの歴史を刻んできたわけで、トスの高速化はその中における、あくまで一要素なのである。いくらトスが速くても、同じ選手が同じように打つばかりでは、いずれ対応されて目的は達せられなくなる。セッターは単にスピードだけではなく、リズムやモーションの変化などさまざまな技巧をこらすことでも相手ブロッカーの反応を遅らせて、目的へと近づくことができる。

 

 

一方、そういった歴史の中で、以前より確実にスピードが上がったものもいくつか存在する。まずはリードブロックの普及・発展にともなう、ミドルブロッカーの反応とネット際での移動速度。そしてアナリストの重要性が増したことによる、相手の戦術への対応速度。またSVリーグでは、強力な外国籍選手が増えたことでサーブやスパイクのトップスピードは上がっているだろう(ショートサーブ戦術の普及により、サーブの平均速度が上がっているかどうかは何とも言えない)。

ラリーにおいては、絶対的なスピードよりも「速く見える」「速く感じる」という状況が発生することがある。相手ディフェンスが整わない状況で、複数のアタッカーが絡んで思うような攻撃が完成したとき、美しい“バレーボール”がコート上で輝きを放つ。それは瞬間の芸術なのである。

原稿提供:月刊バレーボール

J SPORTS編集部

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