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モーグルの世界に、五輪MO金メダル、世界選手権MO優勝、世界選手権DM優勝、W杯MO総合優勝、W杯DM総合優勝に続く、五輪DM金メダルという6つめの世界タイトルが生まれることは、選手の戦い方に大きく影響してくるだろう。輝かしき“初代金メダリスト”という称号の魅力は、特にベテラン選手のモチベーション維持につながるのではないだろうか。また、MOが5戦しかないということは、総合優勝を狙う選手は取りこぼしが許されないことになる。
なお、W杯最終戦翌週にジョージアにてフリースタイルの世界選手権が予定されている。スケジュール的にセパレートされていないので、世界選手権はW杯の流れがそのまま継承されることになるだろう。
3強時代突入も金メダリストの名前は開幕戦にナシ。何が起きた?
すでにW杯は12月3日にフィンランドのルカで開幕している。その結果をチェックしつつ、男子のシーズン全体を展望したい。
■男子MO
1 ミカエル・キングズベリー(CAN)
2 堀島行真(JPN)
3マット・グラハム(AUS)
今季の男子は、キングズベリーと堀島、そして北京五輪金メダリストのウォルター・ワルバーグ(SWE)の3強のバトルとなることが予想された。ところが、開幕戦にワルバーグの名前はなかった。代わりに表彰台に上がったのは、昨季はほぼ姿を消していた実力者のグラハムだ。
さて、ワルバーグはどうしたか?実はこの10月、練習中に左手首を骨折してしまったのである。すでに順調に回復しているようで開幕戦欠場は予定通りの行動。地元スウェーデンで復帰となるか?ただし、前述のようにMOは5戦しかないので、1戦欠場は総合優勝争いにおいてとてつもなく大きなハンディとなることは確かである。
今季、男子に関して特に注目すべきはエアだ。ジャッジの難度点が変わったことに加え、ミラノ・コルティナ五輪からもっとも離れた冬だけに、選手たちが新しいトリックを試しやすい。確実に何かが変わるだろう。
3強の牙城を崩す可能あり。要注目の存在はこの2人だ
30歳になったキングズベリー(中央)の不変ぶりは驚くばかり。堀島は今季こそ追い抜くことができるか?
今季、W杯をかき回す存在になりそうな男子選手の名前を2つ挙げておきたい。
まず、アメリカから久々に登場したニュースター、ニック・ペイジ(USA)だ。昨季はW杯MO総合8位、北京五輪では5位。北京五輪では見せなかったが、彼は1440をマスターしている選手のひとりで、昨季の最終戦でも成功させている。しかも、2002年生まれと若い。その明るいキャラクター魅力だ。
また、クーパー・ウッズ(AUS)も注目に値する。まったく無名の存在だったが、北京五輪でスイスイとファイナルに進出し6位になった選手である。その実績が何よりポテンシャルの高さを証明している。昨季はW杯MO総合では17位ながら、最高位5位。一発屋的な要素があり、サプライズを起こす可能性を秘めている。
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