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スラローム7レースがポイントか?怒涛の連戦に突入する1月のワールドカップ
SKI GRAPHIC present’sアルペンスキーコラム by SKI GRAPHICスーパースター不在ではあるが、その分予想の難しいスリリングなレースが見られ、それはそれで面白い展開といえるだろう。現時点での種目別ランキングは、
シーズン序盤は不本意なレースが続いたヘンリック・クリストッファーセンは、スラローム第2戦で優勝。これを切っ掛けに波に乗れるだろうか
1位:ヘンリック・クリストッファーセン(ノルウェー)140点
2位:マニュエル・フェラー(オーストリア)130点
3位:ラモン・ツェンホイゼン(スイス)120点
4位:アレックス・ヴィナッツァー(イタリア)110点
5位:セバスチャン-フォス・ソールヴォーグ(ノルウェー)109点
6位:マルコ・シュヴァルツ(オーストリア)89点
7位:アレクシー・パントュロー(フランス)64点
8位:リヌス・シュトラッサー(ドイツ)53点
9位:クリストッファー・ヤコブセン(スウェーデン)48点
10位:ジャン・バティスタ・グランジ(フランス)47点
というトップ10だ。昨シーズン大活躍し、今季もタイトル争いの有力候補と見られていたクレモン・ノエル(フランス)とダニエル・ユール(スイス)は、ともに45点で11位タイと、やや出遅れている。1月の7レースで、ふたりがどんな巻き返しを見せるか注目したい。
昨シーズンのスラロームで3勝をあげたダニエル・ユールだが、今季は第1戦7位、第2戦22位と出遅れた。クレモン・ノエルと同様、今後の巻き返しなるかに注目
7レースは、ザグレブの他にアーデルボーデン、ウェンゲン、キッツビュール、シュラドミング、そしてシャモニーで行なわれ、シャモニーではスラローム2連戦だ。それぞれがタイプの異なるコースなので、トータルすればどの選手にとっても公平な条件といえる。中盤に長い中・緩斜面が続くザグレブ、斜面変化が多くしかも超絶急斜面がポイントのウェンゲンとアーデルボーデン、癖のある斜面変化への対応が難しいキッツビュールとシャモニー。そして長い急斜面が特徴のシュラドミング。いずれもワールドカップにふさわしいテクニカルなコースだ。これに、凍ったり湿ったりという微妙な雪質の変化にも対応しなければならず、攻略の難度はさらに上がるわけである。2月以降の男子スラロームは2月のクラニスカ・ゴーラ(スロベニア)と最終戦レンツェルハイデ(スイス)のみ。したがって1月に調子の上がらない選手は、容赦なくふるい落とされるはずで、その意味でも重要な7レースなのである。
ザグレブのスラロームからようやくワールドカップに戻る小山陽平。出遅れは痛いが、ここは焦らず徐々に調子を取り戻してほしい
日本からは小山陽平(日本体育大学)が出場する予定だ。シーズン序盤、新型コロナの影響で練習を休まざるを得ず、なかなか調子の上がらなかった小山。大きな期待を背負って臨んだ今季だけに、不運なスタートとなってしまった。現状では、まだまだ万全な状態とは言えないようだが、ここは焦らず7レース全体をひとつのサイクルと考えてマネージメントすることが大切だろう。荒れたコースを攻めに攻めて22位となった、昨シーズンのヴァル・ディゼール1本目のような滑りを取り戻すことを信じて、応援したいと思う。
文・田草川 嘉雄
SKI GRAPHIC
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