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スキー コラム 2019年3月1日

遂に「1440時代」到来! 総合優勝争いも決着か!?

ブラボー!!モーグル by STEEP
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大きな波乱ナシも、歴史に残る出来事アリ。秋田たざわ湖大会をプレイバック

たざわ湖の黒森山コース

たざわ湖の黒森山コース。斜面のクオリティの高さは選手たちからも好評だ

W杯終盤戦秋田たざわ湖大会が終わった。同地で5シーズン目となる今回もMO、DMの計2戦が行われた。過去4大会は、必ずと言っていいほど表彰台経験のなかった新鋭や意外な選手が表彰台に上がる傾向があったが、今回に限ってはその例に当てはまらず、順当すぎる結果が続出となった。

キングズベリー&堀島が1440にトライ! 男子モーグルが新次元に本格突入

負傷で引退説もあったフィリップ・マーキー(CAN)の復活表彰台(2位)も大きなトピック

負傷で引退説もあったフィリップ・マーキー(CAN)の復活表彰台(2位)も大きなトピック

初日MOでは、女子はその時点で総合1位のペリーヌ・ラフォン(FRA)が、唯一の80点台(82.97点)で、79.87点の2位ジャカラ・アンソニー(AUS)を引き離し、今季3度目の優勝。全7戦すべてで表彰台に上がる安定感を見せ、トップの座を堅守した。ターンの完成度も特筆モノだが、今季よりコークを取り入れたエアの進化が強みとなった。一方、アンソニーはラフォンとの総合ポイント差が開いてしまったものの、今季3度目の2位で総合優勝の可能性を残した。

期待された日本勢はスーパーファイナル進出がなく、7位の 住吉輝紗良が最高位。星野純子が10位、冨高日向子が11位、また、強化指定選手を外されたが、別枠で出場権を得た伊藤みきは決勝に進出し15位。

一方、男子はモーグル史に残るような大きな出来事があった。スーパーファイナルで、5番目に滑走したミカエル・キングズベリー(CAN)が、史上初となる1440を成功させた上で、完璧なターンでゴール。86.40点の高得点をゲットした。そして、最終滑走者の堀島行真は、キングズベリーと同じく、新次元トリックに挑んだが、残念ながら失敗し転倒。これが響いて6位に。いずれにしても、4回転時代の到来を決定づけたレースとなった。これでキングズベリーは今季6戦目の優勝。8年連続となる総合優勝に王手をかけた。

他の日本勢ではスーパーファイナル進出の原大智が4位と安定した実力をアピールした。

DMは採点方法変更の影響大か!? ランキング上位選手が表彰台を独占

堀島は2年連続優勝はならずも、2位表彰台。これは堂々の結果だ

堀島は2年連続優勝はならずも、2位表彰台。これは堂々の結果だ

2日目のDMは、ある意味でMO以上に順当な結果に。何しろ、男女ともにビブナンバー1~3の選手が表彰台に上がったのだ。本来、DMはトーナメントの組み合わせの妙でサプライズ的な結果になるケースが多かった。ところが、今季から採点方法が変更となり、MOと同様のリザルトが残りやすくなったと考えられる。

ここで、新しい採点方法「直接比較採点方式」について簡単に説明しよう。

ターンは50点満点(全体の50%)で、ターンジャッジ(3名)が、レッドコース、ブルーコース両選手の滑りを採点し、それを3で割った数字をターン点として採用。

エアは、4名のエアジャッジのうち2名が第1エアではレッドコース、第2エアではブルーコースを、他の2名はその逆を採点するというスタイル。第1エア、第2エアともに、各ジャッジが25点満点(全体の25%)で採点し、そのうえで、それぞれ2名のジャッジの得点の合計を2で割り、さらに第1エアと第2エアの得点を足して2で割った数字がエア点となる。

スピード点は 25点満点(全体の25%)で、滑走タイム差、100/1秒ごとに0.04ポイントの差をつけ、 同点の場合は両者が25点となる。

以上、ターン点、エア点、スピード点の合計により勝者が決まる。ターン点、エア点、タイム点の比率は異なるが、シングルを2名同時に行うような感覚に近くなったといえるだろう。

この変化が影響しているとは断言できないが、秋田たざわ湖大会DMにサプライズはなく、ビッグファイナルは、ランキング上位選手同士の順当すぎる対決となった。

女子はラフォンが、対戦相手のジャエリン・カーフ(USA)の失敗もあり2日続けての優勝(3大会連続)。2年連続となる総合優勝にまた一歩近づいた。

男子はキングズベリーvs堀島という昨季の同大会と同じ顔合わせとなったが、キングズベリーが雪辱を果たしまたも優勝。堀島との差を見せつけた。

絶対王者が8連覇を達成! ラフォンも2連覇に限りなく近づく

総合優勝者は男女とも、昨季と同じ顔ぶれになる可能性が高い

総合優勝者は男女とも、昨季と同じ顔ぶれになる可能性が高い

さて、最後に総合優勝争いについて整理しておきたい。男子は、キングズベリーが日本での連勝により200点を加算し745点。仮にカザフスタンでの残る2戦に欠場し、総合2位のベンジャミン・キャベ(FRA/450点)が2勝しても追いつけない。つまり、早くも総合8連覇が決まったことになる。前人未到の記録を達成した絶対王者は、今季もまったく衰える様子はなく、9連覇、10連覇の可能性を感じさせるに十分だった。

なお、現在3位の堀島は417点と、総合2位のチャンスを残した。自らが昨季、記録した日本人男子選手の最高位記録(3位)を更新することはできるのだろうか?

女子は数字の上で優勝の可能性を残しているのは3名。1位のラフォン(700点)、2位のアンソニー(645点)3位のカーフ(525点)だ。ただし、残る2戦で連勝してもアンソニーは745点、カーフは725点なので、ラフォンが1度でも5位(50点獲得)以上に入れば、その時点で総合2連覇が決まる。

と、このように最終戦を前に優勝争いの緊張感はやや薄れたが、その分、選手たちは新たにエアにトライしたり、一か八かのフルアタックをかけてくる可能性も考えられる。もちろん、日本人選手の活躍に期待がかかっていることも事実。カザフスタン大会も見逃せないのだ。

北京五輪までの新たなドラマの序章は、最後エア、最後のターンまでエキサイティングな展開が続く!

STEEP

スキー・スノーボードの本質を追いかけるWEBメディア。90年代からフリースタイルスキーを追う編集部による、モーグルW杯の見どころを紹介。サイトでは様々な情報を更新中。https://steep.jp/

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