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平昌五輪のリザルトを記録面から分析する
日本のモーグルファンには嬉しい結果となった平昌五輪が終わった。改めて、メダリストの顔ぶれを確認してみたい。
金:ペリーヌ・ラフォン(FRA)/ミカエル・キングズベリー(CAN)
銀:ジャスティン・デュフォー-ラポイント(CAN)/マット・グラハム(AUS)
銅:ユリア・ガリシャバ(KAZ)/原大智(JPN)
意外なようだがキングズベリーの五輪金メダル獲得はこれが初めて(ソチでは銀メダル)。絶対王者は男子で初めて、W杯総合優勝、世界選手権モーグル優勝、世界選手権デュアルモーグル優勝、そして五輪金メダルという世界4大タイトルをすべて手にしたことになる。フランス選手の金メダル獲得は、’92年のアルベールビル五輪でのエドガー・グロスピロン以来のこと。カザフスタン選手のメダル獲得はこれが初。五輪モーグルの歴史上、アメリカの選手がメダルを獲らなかったのは今回が初めてだった。
今回のキングズベリーのように、過去の五輪でも男子金メダルは本命視された選手が獲得している。銀メダルも金メダリストに迫るポジションの選手が手にすることが多かった。ところが、銅メダルは事情が違う。なぜか毎回、ランキング的にナンバー3の選手ではなく、ダークホース的な選手がゲットしているのだ。長野=サミ・ムストネン(FIN)、ソルトレークシティー=リチャード・ゲイ(FRA)、トリノ=トビー・ドーソン(USA)、バンクーバー=ブライオン・ウィルソン(USA)、ソチ=アレキサンドル・シュミシュヤエフ(RUS)……そして平昌=原大智(JPN)。今回もその伝統は守られたといっていいだろう。
絶対王者の連勝を堀島が止める。女子は空前の大混戦
五輪が閉幕し、いよいよ中断されていたW杯が再開される。まずは3月3~4日の秋田たざわ湖大会の2戦(第8戦MO、第8戦DM)からだ。後半戦を展望する前に、前半戦のおさらいをしておこう。
男子は開幕戦ルカ大会で優勝したキングズベリーが以後も連戦連勝。昨シーズンからの連勝記録を13まで伸ばした。また、ドミトリー・レイヒャルド(KAZ)(KAZ)が2位のポジションを堅守し、グラハム、遠藤尚らがこれに追随。そして第7戦トレンブラント大会で堀島行真(JPN)がW杯初優勝し、絶対王者の記録にストップをかけた……。ここで、中断期間に入っている。
一方、女子は全7戦でなんと5名の優勝者が生まれている。現在、総合ランキング1位はジャエリン・カーフ(USA)で、以下、アンディ・ノーディ(USA)、ペリーヌ・ラフォン(FRA)、ブリトニー・コックス(オーストラリア)、ユリア・ギャリシェバ(KAZ)、ジャスティン・デュフォー-ラポイント(CAN)と続く。1位のカーフと6位のジャスティンの総合ポイント差は142しかなく、上位の誰が総合優勝してもおかしくない状況だ。まさに、史上空前レベルの大混戦の状態で平昌五輪を迎えたのである。
後半戦は日本でスタート。五輪の熱気が秋田へ
4度目となる秋田たざわ湖大会は、五輪の熱気をそのまま感じられる大会となるだけではなく、総合優勝の行方を左右する重要なレースだ。といっても、男子は総合ポイント680点のキングズベリーが圧倒的に有利なのは動かない。2位のレイヒャルドが残る4戦ですべて優勝しても820点。キングズベリーは4戦かけてじっくり141点を稼げば総合優勝ができるのだ。逆に考えると、秋田たざわ湖大会2日目で総合優勝が決まる可能性も十分ということになる。
女子はまったく状況が違う。仮にカーフ(436点)が2戦連続優勝したとしても、残る2戦で他の上位選手に逆転のチャンスがあるのだ(秋田たざわ湖大会の戦績にもよる)。カーフが圧倒的に強いわけではないので、2戦を終えてランキングが大きく変動することもありえる。
平昌五輪閉会から1週間。五輪で好成績を挙げた選手は勢いに乗っており、涙を飲んだ選手はW杯でのリベンジを誓っている。モーグルの’18シーズンはまだまだこれからなのだ。
STEEP
スキー・スノーボードの本質を追いかけるWEBメディア。90年代からフリースタイルスキーを追う編集部による、モーグルW杯の見どころを紹介。サイトでは様々な情報を更新中。https://steep.jp/
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