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大きく入れ替わっているランキング上位の顔ぶれ
前回は、今季の上位メンバーが固まってきたという話題を取り上げた。ご存知のようにその顔ぶれは、昨季とは入れ替わっている。なぜなら、昨季のポジションから大きく飛躍した“絶好調”といえる選手と、真反対に、不調でランキングをガクンと落とした選手とがいるからだ。
絶好調組の代表格がドミトリー・レイヒャード(KAZ)だろう。過去に優勝経験もある実力派ながら、ここまで安定して上位に入り続けるシーズンはなかった。これまで2位4回で総合2位。W杯キャリア13年目にして五輪メダルを狙える位置に浮上した。
また、韓国のチェ・ジェウは自身最高の戦績を残し、ここ数シーズンは怪我に泣き続けた遠藤尚は完全復活を果たしトップランカーに返り咲いた。
最年長選手・西は全盛期の輝きを取り戻す
もう一人、西伸幸の健闘も目を引く。第6戦では玉砕したが、それまでは決勝に残り続けている。2位になった世界選手権猪苗代大会から9年、右膝靱帯断裂という引退必至の大怪我('16年)を克服し、32歳にして再び世界の第一線に戻ってきたのだ。
一方、女子はジャエリン・カーフ、モーガン・シルドらアメリカ勢の台頭が最大のトピックといえる。昨季の総合ランキングで米女子選手は10位以内に2名しかいなかったが、現在は5名が名を連ねている結果がそれを象徴している。
カナダの三姉妹はこのままで終わってしまうのか?
一方で、不調が続く実力派選手が何人もいるのが今季の特徴だ。
その代表格が、カナダのデュフォー・ラポイント三姉妹だろう。長女・マキシムは絶不調といってもよく、失敗が続きポイントすら満足に得られていない厳しい状況が続く。
'16季総合優勝者である次女クロエの低迷ぶりも目立つ。最高位が第3戦の7位で、ほかは予選落ちが続き現在総合16位。特に大きな怪我をしている様子はなく、まだ、26歳と一気に衰える年齢でもない。一種のスランプなのだろうか?
2人の姉ほどではないが、三女ジャスティン(昨季総合3位)も今季に限っては本来の実力を発揮できておらず、現在総合7位だ。唯一の表彰台となった第4戦では彼女の持ち味である攻撃的な滑りを披露しており、本調子に戻れば、平昌五輪女子モーグルをさらに面白くする存在になるのだが……。
表彰台の常連だったキャベがまさかの低迷
男子で不調ぶりが際立つのが、2年連続総合トップ3に入り、本来は平昌五輪のメダル獲得が有力視されていたベンジャミン・キャベ(FRA)だろう。第5戦で4位に入っているが、ほかは予選落ちが続き現在総合10位。といっても、フランスでは2番目のポジションなので五輪出場は確実。それだけに、次戦トレンブラント大会で再浮上のきっかけをつかみたいところだろう。
さて、泣いても笑っても平昌五輪前最後のW杯が迫ってきた。好調な選手はもちろん、フルアタックをかけてくることが予想される不調の選手たちの奮闘にも注目したい。
STEEP
スキー・スノーボードの本質を追いかけるWEBメディア。90年代からフリースタイルスキーを追う編集部による、モーグルW杯の見どころを紹介。サイトでは様々な情報を更新中。https://steep.jp/
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