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絶対王者ミック、屈辱の連敗!
2月4日と6日に行われたW杯アメリカ・ディアバレー大会の2戦は、ミックことミカエル・キングスベリー(カナダ)がどちらも勝てず。
衝撃的な展開となった。昨季は9戦7勝、今季は開幕3連勝中だった。
そして負け方がまた、印象深いものであった。
4日のシングルでは、予選から危なげなく勝ち上がり、スーパーファイナルは当然のごとくラストに登場。ただひとり、ダブルフル&コーク1080の最強エアを重ね、タイムもまずまず。しかしターンは、減点要素もあり伸びなかった。結果は超完璧なターンを披露したマット・グラハム(オーストラリア)に届かず。ターン点の差が2.4もあり、「力負け」のようにも見えた。
6日のデュアルでは準々決勝で波乱が。第一エアで先行したジミ・サロネン(フィンランド)に王者がなかなか追いつけない。最後にはなんとか差し切ったが、有利なはずのエアで負け。ほぼミスのなかったミックがやぶれるという、ここ数年見なかった光景となった。
「絶対王者でも、倒せないわけじゃない」と信じる選手が登場してきた。今回のマットやジミのような選手が、モーグルW杯をますます盛り上がる。
女子は、ソチ五輪女王ジャスティン・デュフォー-ラポイント(カナダ)が連勝。姉クロエ・デュフォー-ラポイント(カナダ)を抜き、総合ランク1位に立つことにも成功した。総合優勝大本命の本領発揮だ。
またディアバレーでは、ユリア・ガリシェバ(カザフスタン)が、2戦とも2位表彰台。デュフォー-ラポイント姉妹の対抗馬として、確固たる存在となった。
なおカザフスタンは、男子も好調だ。デュアルの3位決定戦はカザフ対決。勝ったドミトリー・ライヘルは今季初表彰台。W杯優勝経験もある実力者だ。敗れて4位のパベル・コルマコフは、19歳の伸び盛り。ド迫力のフロントフリップを得意とする。
そして今回女子で最も驚かせた新人が、ジャエリン・カウフ(アメリカ)だ。今シーズンW杯デビューの19歳。参戦3戦目のシングル戦は、なんとファイナル1でトップ通過。スーパーフイィナルに進出を果たした。さらにデュアル戦では、準決勝まで進出。3位決定戦を勝ち、W杯4戦目で初表彰台獲得となった。今後、トップを争う1人になる可能性は高い逸材だ。
さて、いよいよ今週末には、たざわ湖にW杯がやってくる。
昨季はシングルで星野純子(チームリステル)が2位、デュアルで伊藤さつき(立命館大)が2位。2人が表彰台を獲得した。今季の日本チームはどうか?
日本チームは地元開催のW杯で毎回、力を発揮する。
W杯日本開催は'98長野五輪翌年から恒例化。'99季以降'15季まで行われたレースは35本。そのうち23本で誰かしらが、表彰台に上っている。全く誰も上らなかったシーズンは、'04季だけなのだ。きっと今年も誰かがやってくれるはず!
と期待したいが、今の日本チームは危機的状況だ。
1月に膝靱帯断裂で戦列を離れた西伸幸(白馬村スキークラブ)と星野純子に加え、ディアバレーではエース遠藤尚(忍建設)が肩を骨折。たざわ湖には出場できない。
そんな中でも、伊藤さつきは2年連続で表彰台を狙う。伊藤みきもそろそろ調子をあげてくるだろう。原大智(チームジョックス)、堀島行真(岐阜第一高)、渡辺大晴(関西大北陽高)の10代トリオが、どんなチャレンジを見せてくれるか? 特に原は、ここまで全戦予選通過。堀島は開幕戦で表彰台に上がっている。将来を見据える意味でも、今回のたざわ湖大会は楽しみな点は数多いのだ。
STEEP
スキー・スノーボードの本質を追いかけるWEBメディア。90年代からフリースタイルスキーを追う編集部による、モーグルW杯の見どころを紹介。サイトでは様々な情報を更新中。https://steep.jp/
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