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異常気象は日本だけでなく、世界各地で起こっている。1月14日にアメリカ・レイクプラシッドで開催予定だったモーグルW杯がキャンセルされた。寒冷地で知られる地域だけに、深刻な問題。'80年代から毎年のようにW杯が開かれてきただけに残念な結果となった。
そして今週は、1月23日、カナダ・ヴァルセントカムで今季初めてのシングル戦が行われる。ヴァルセントカムのあるケベック州は、カナダチームのホームエリアだ。
絶対王者ミックこと、ミカエル・キングスベリーをはじめ、フィリップ・マーキー、マーク-アントワン・ギャニョンの昨季世界選手権デュアルの表彰台トリオ。女子は、マキシム、クロエ、ジャスティンのデュフォー-ラポイント三姉妹、オードリー・ロビショウ。男女とも世界トップ選手の多くは、ケベック州出身なのだ。他の州出身のカナダトップ選手は、アンディ・ノードだけなのだ。
カナダチームは地元の大会に滅法強い。ヴァルセントカムでも、ミック、ジャスティンの男女王者が力を発揮するのは間違いないだろう。
ちなみに、ケベック州はフランス語圏。'11季世界選手権王者ギルボー・コラ、'15季世界選手権王者アントニー・ベナはフランス人。’10季&’14季五輪連覇のアレックス・ビロドウはケベック出身。近年のモーグル世界シーンのビッグタイトルは、フランス語を主言語としている選手がほぼ独占状態といえる。
その一方で、まったく勢いのないのが、アメリカチームだ。
女子でミカエラ・マシューズが第1戦で優勝したものの、男子は21位のブルース・ペリージュニアが最高。W杯ポイントが入る30位以内に入ったのは1人だった。
カナダvsアメリカという勢力図が続いてきたのだが、今は変革の時期なのかもしれない。
そして、日本チームは、いまや第2勢力になりつつある。
まだ1戦が終わっただけではあるが、男子は、堀島行真(岐阜第一高)が3位、遠藤尚(忍建設)が6位、原大智(チームジョックス)が7位、渡辺大晴(関西大北陽高)が11位、西伸幸(白馬村スキークラブ)が12位。女子は、冨高日向子(白馬村スキークラブ)が6位、伊藤さつき(立命館大)が10位、星野純子(チームリステル)が14位。世界ランク上位にここまで多くが名を連ねたのは過去に例がない。
シングル戦が始まるこれからが真のランク付けとなろうが、自信をつけたいま、日本チームを見るジャッジの評価も変わっていくに違いない。
個人競技のモーグルだが、チーム力が王者を生む。'90年代のカナダ、2000年前後のフィンランド、'00年代中盤のアメリカ、そして現在のカナダがそれを現している。
そして、今後の黄金時代はいよいよ日本に、と期待を抱かずにはいられない内容と陣容! この期待感は決して、夢のまた夢、というものではないはずだ。
STEEP
スキー・スノーボードの本質を追いかけるWEBメディア。90年代からフリースタイルスキーを追う編集部による、モーグルW杯の見どころを紹介。サイトでは様々な情報を更新中。https://steep.jp/
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