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スキー コラム 2013年12月3日

「五輪で君が代を流す!」 伊藤みきの決意と自信。

ブラボー!!モーグル by STEEP
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12月14日フィンランド・ルカで、2013-2014シーズン(以下'14季)のFISフリースタイルW杯モーグルが開幕する。今季は全13戦、欧州、北米、日本で開催される。 今季のポイントは、なんと言ってもオリンピック(以下五輪)があることだ。モーグルには、1人で滑り採点ポイントで順位が決まる「モーグル」(以下シングル)、2人並んで滑る勝ち抜き戦の「デュアルモーグル」(以下デュアル)、その2種目があるが、五輪で採用されているのはシングル。五輪前までの6戦はすべてシングル戦なのが、例年と違うところだ。

そしてその前半6戦は、各国五輪代表争いの意味合いもある。1月19日に行われる大会までが五輪予選イベントの期限であり、W杯第6戦のカナダ・ヴァルセントカム大会がその最終日。各国五輪代表選考方法は異なるが、日本の代表セレクションはここまでがその対象だ。

「世界で男女各トップ30人、各国最大男女各4人」

これだけしか五輪に出場できないだけに、選手たちの戦い方は特に力のこもったものとなろう。選手層の厚いカナダ、アメリカ、そして日本などは「12月14日から五輪が始まっている」と言って過言ではない。

〔写真1〕遠藤尚の滑りやエアはダイナミック。決して世界トップ3に引けは取らず、五輪メダルもドリームではなくターゲット。(クリックで写真拡大)

今季のW杯、五輪で優勝争いをするであろう、現在の世界トップ選手をざっとラインナップする。

男子は、昨季王者のミカエル・キングスバリーと'10年バンクーバー五輪金ダルのアレックス・ビロドウ。このカナダ勢2強は、揺るぎないだろう。 追うのはアメリカ勢。パトリック・デニーンやブラッドリー・ウィルソンを筆頭にとにかく層が厚い。誰が飛び出してくるかわからない。

そして、米加勢に遠藤尚は間違いなく絡んでくる。金メダルの可能性も含め、彼にはその下地がついてきた。

女子は「絶対女王ハナ・カーニー(アメリカ)を誰が止められるか?」ということにつきる。追う一番手は、次期女王候補の19歳、ジャスティン・デュフォー-ラポイント(カナダ)。そして、3Dエアを操るヘザー・マクフィー(アメリカ)、昨季世界選手権デュアル女王クロエ・デュフォー-ラポイント(カナダ)、さらに日本の伊藤みきが、第2グループから女王の座に迫ろうとしている展開だ。

〔写真2〕ミカエル(中央)、アレックス(左)、パトリック(右)。昨季世界選手権はシングルもデュアルもこの3人だった。果たして五輪では?
〔写真3〕ハナ(中央)、みき(左)、ジャスティン(右)。五輪金メダル争いは、この3人を軸に展開されるだろう。
(クリックで写真拡大)

去る10月30日、「2013/2014 Japan Ski Team TAKE OFF記者会見」が行われた。その会場で伊藤みきは、はっきりと目標を語った。

「世界選手権では流せなかった君が代を、五輪では流したい」

“金メダル宣言”をするほど、力は備わってきた。

「昨季世界選手権の前に初優勝したんですけど、そのW杯までずっと(デビュー以来)79試合全部勝ちたいと思って出て、でも全部負け続けて…。80試合目で初めて優勝した時に、今日の1日が”私の日”なんじゃないかという、素晴らしい気持ちになれた。そんな日が五輪で実現できるように、頑張ろうと思います。その勝ちがあったからこそ今、勝つっていうことに明確に臨んでいけるのかな、と思っています」

今や日本のエースとなった、伊藤みきの決意であり、自信の表れだ。

〔写真4〕「今回は自分がエースとして出場する」。伊藤みきは、3度目の五輪に向け、万全な態勢で挑めそうだ。
〔写真5〕2013/2014 Japan Ski Team TAKE OFF記者会見(クリックで写真拡大)

STEEP

スキー・スノーボードの本質を追いかけるWEBメディア。90年代からフリースタイルスキーを追う編集部による、モーグルW杯の見どころを紹介。サイトでは様々な情報を更新中。https://steep.jp/

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