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「調子ですか? いいですよ! 表彰台ですか? 一番上かもしれないですよ~!!」
レース前、緊張感を感じさせない満面の笑みの伊藤みきが、堂々と優勝宣言をしてみせた。2013年FIS世界選手権ヴォス-ミルクダーレン大会(ノルウェー)において、日本女子のエースは、戦う前から一番輝いて見えた。
まずはシングル戦。
5日に行われた予選を8位と無難に通過。6日に行われた決勝ラウンドは、18人進出のファイナル1を3位で突破。6人進出のファイナル2(スーパーファイナル)では、女王ハナ・カーニー(アメリカ)に次ぐ2位。見事銀メダルを獲得した。
ファイナル1では7.5点満点のスピードを見せた。スーパーファイナルでは、女王に次ぐ速さ。安定したターンが持ち味だった伊藤が、スピードを身につけたのだから、この結果は驚きではなく、順当に思えるものだった。
そして続いて行われたデュアル戦。7日の予選を5位で通過すると、8日の決勝トーナメントは接戦を勝ち抜き、準決勝でハナと対決。ややリードされるが、先行した女王が第2エア手前で転倒。昨季から続く女王キラーぶりを発揮し、決勝進出。最後はクロエ・デュフォー-ラポイント(カナダ)に17対18という僅差で敗れ優勝は逃すものの。これまた銀メダルを獲得した。
宣言通りの「一番上」ではなかったが、レース前に感じた輝きは本物だった。これで2月に行われたW杯猪苗代大会デュアルから「1位→2位→2位」。“表彰台”ではなく、“優勝”を争う存在に成長したのだ。ハナの強さは群を抜いているが、女王の隙あらば勝利は舞い込んでくる実力が付いた。
今回の世界選手権王者は、シングル男子がミカエル・キングスベリー(カナダ)、デュアル男子がアレキサンダー・ビロドウ(カナダ)、シングル女子がハナ・カーニー(アメリカ)、デュアル女子がクロエ・デュフォー-ラポイント(カナダ)。
クロエに関しては、W杯も通じての初優勝となったが、それ以外は順当な結果だったと言える。実はこれが、モーグルの世界選手権では久しぶりのことなのだ。
2005年ルカ大会(フィンランド)男子シングルでは、地元フィンランド勢が予選上位3人を占める展開の中、勝ったのはW杯6連勝中だったジェレミー・ブルーム(アメリカ)でもなく、伏兵のネイサン・ロバーツ(アメリカ)だった。
その後も男子シングルは、2007年マドンナ・ディ・カンピリオ大会(イタリア)はピエール-アレキサンダー・ルソー(カナダ)、2009年猪苗代大会はパトリック・デニーン(アメリカ)が、本命を押しのけての勝利者となった。
女子シングルも、2007年は伏兵クリスティ・リチャーズ(カナダ)が優勝。2009年は上村愛子が圧勝したが、その年のW杯総合優勝はハナ・カーニーだった。2011年ディアバレー大会(アメリカ)も、W杯シリーズは圧勝したハナが、自国の大会でありながらジェニファー・ハイル(カナダ)にビッグタイトルを持っていかれた。
これまでの世界選手権は選手が力みすぎて失敗が目立ち波乱の展開が多かった。ところが今回、ミカエルとハナという大本命が順当に勝利した。アレキサンダーが意地を見せたデュアルも見応えは満点。主役級がきっちりと活躍した点が、今回の大きな見どころだった。
「やっぱり、強い!」
そんなシーンが多かった。実力者がきっちりと強さを見せたという点で、今回は波乱のない強者の世界選手権だったと言えよう。
STEEP
スキー・スノーボードの本質を追いかけるWEBメディア。90年代からフリースタイルスキーを追う編集部による、モーグルW杯の見どころを紹介。サイトでは様々な情報を更新中。https://steep.jp/
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