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2月17日から、いよいよ台北市で2011年四大陸選手権の競技が開始する。1999年に創設されたこの大会は、ISUチャンピオンシップとしては、もっとも歴史が新しい。欧州選手権に相対する大会として設置されたものの、米国などは長い間国内のトップ選手を派遣せずに、一時はISUもこの大会の格を上げるために試行錯誤した。だが今年は、ヨーロッパ勢を除いたトップ選手がほぼ全員顔を揃える、見ごたえのある大会となるだろう。
男子は高橋大輔、小塚崇彦、羽生結弦の3人が表彰台を独占する可能性もありうる。だがそれを阻止しようとチャレンジしてくるのは、米国のジェレミー・アボット、アダム・リッポン、アルミン・マサヌザディーの3人だ。本来なら世界選手権の代表チームになっても少しもおかしくない顔ぶれだが、いずれも全米選手権では不調で表彰台を逃した。彼らにとって、おそらく今季最後の国際大会になるだけに、ここで最高の滑りを見せたいという意気込みは高いだろう。特にリッポンは、タイトル保持者として挑む。
女子はやはり、日本チーム対米国チームで表彰台を競うことになるだろう。浅田真央、安藤美姫、鈴木明子とバンクーバー五輪代表だった3人に、GPファイナルチャンピオンであるアリサ・シスニー、レイチェル・フラット、長洲未来が挑戦する。特に長洲は、東京世界選手権の代表を逃しただけに、この大会に全力をかけてくることだろう。
ペアは中国のパン&トンに、日本の高橋&トランがどこまで迫ることができるかが注目される。アイスダンスは、今季負傷のためずっと欠場していた五輪チャンピオン、ヴァーチュー&モイアの復帰に注目。彼らの不在中に優勝を独占してきたデイビス&ホワイトと、どのような勝負を繰り広げるのかで、東京での展望も見えてくることになる。
田村 明子
盛岡市出身、ノンフィクションライター。1977年留学のため単身渡米し、現在ニューヨーク在住。長い滞米生活と語学力を生かして多様な方面で執筆活動を行う。フィギュアスケートは1993年からはじめ、これまで15回の世界選手権、3度の冬季五輪を取材。選手のみならず、コーチ、ジャッジ、ISU関係者など幅広い人脈を駆使して多面的な視点から執筆。著書に「氷上の光と影」(新潮社)他。
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