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国別対抗戦も無事に終了し、今シーズンもこれで幕を閉じた。2012年から2013年にかけてのこのシーズンでもっとも強く感じたことは、特に男子において、今の採点方式では何が起きてもおかしくない、ということである。
11月の中国杯では、町田樹が高橋大輔を破ってGP大会初優勝を決めた。そしてフランス大会では、フロラン・アモディオ、ブライアン・ジュベールなど地元の強豪を退けて、無良崇人がやはりGP大会初メダルにして初優勝を果たした。
12月の全日本選手権では、小塚崇彦が5位に終って世界選手権の代表を逃すという予想外の結果に。さらに2月に大阪で開催された四大陸選手権では、高橋大輔と羽生結弦の間でタイトルが競われることが予想されていたのに、ふたを開けてみたら優勝したのはカナダのケヴィン・レイノルズだった。
そしてロンドン世界選手権では、優勝を狙っていた日本男子のメダルはゼロという厳しい結果に終った。代わりにカザフスタンのデニス・テンがパトリック・チャンに次いで2位に入り、ハビエル・フェルナンデスが銅メダルを手にした。
どの大会ももちろん、優勝候補だった強豪たちが実力を発揮できなかった理由はそれぞれあった。とは言うものの、6点満点の採点方式だった時代は、ここまで簡単に「格下」と見なされていた選手が上のクラスの選手を追い越すことはあり得なかった。90年代にはミシェル・クワンがSPで3つのジャンプエレメントのうち2つミスしても、まだトップだったという大会もあった。
今の採点方式では、その日にジャンプを成功させたものが勝つ、という傾向が以前よりも強くなった。男子において特にそれが目立つのは、やはり演じられるジャンプの難易度が高く特に4回転という大技のポイントが高いためだろう。ミスもあったパトリック・チャンがロンドンでタイトルを守ることができたのも、フリーで2回成功させたあの4回転があったからこそだ。
レイノルズ、テンなどは、大会前には特にメダル候補のリストにすら加えられていなかった選手である。だが4回転を成功させ、他のミスを最低限に抑えた質の高い演技を見せれば、メダル候補圏外だった選手にも表彰台のチャンスは十分あることが今シーズン証明された。
その意味において、ソチ五輪の特に男子では何が起きるか、最後の最後まで予想がつかない。
田村 明子
盛岡市出身、ノンフィクションライター。1977年留学のため単身渡米し、現在ニューヨーク在住。長い滞米生活と語学力を生かして多様な方面で執筆活動を行う。フィギュアスケートは1993年からはじめ、これまで15回の世界選手権、3度の冬季五輪を取材。選手のみならず、コーチ、ジャッジ、ISU関係者など幅広い人脈を駆使して多面的な視点から執筆。著書に「氷上の光と影」(新潮社)他。
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