ラグビー愛好日記

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

最近のエントリー

カテゴリー

アーカイブ

2019/03

S M T W T F S
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

このブログについて

プロフィール写真【村上晃一】
1965年京都市生まれ。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。
ラグビーの現役時代のポジションは、CTB(センター)、FB(フルバック)。1986年度西日本学生代表として東西対抗に出場。
87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者、ラグビージャーナリストとして活動。J SPORTSのラグビー解説は98年より継続中。1999年から2019年の6回のラグビーワールドカップでコメンテーターを務めた。著書に「仲間を信じて」(岩波ジュニア新書)、「空飛ぶウイング」(洋泉社)、「ハルのゆく道」(道友社)、「ラグビーが教えてくれること」、「ノーサイド 勝敗の先にあるもの」(あかね書房)などがある。

2019年03月07日

正面健司&大橋由和、さよならトークライブ

ラグビー愛好日記 by 村上 晃一
  • Line

20190306-1.jpg

3月6日の夜は、大阪・北浜のラグビー普及促進居酒屋のラグビー部マーラーでのトークライブだった。ゲストは神戸製鋼コベルコスティーラーズを2018年度限りで退団する正面健司選手と大橋由和選手だった。予約受付日で即満席になってキャンセル待ちが出た。それだけファンの皆さんに愛された選手だったということだろう。

大阪工大高から同志社大学に進み、神戸製鋼一筋で12シーズンを過ごした大橋選手は、今後は社業に専念する。ネクタイ姿で現れたこともあってか、少しほっそりしたようにも見える。「胸の筋肉が落ちてきました」とのこと。度重なる怪我もあって3年前くらいから引退を考えていたという。「ウイングに負傷者が出たりして、なかなかチーム事情が許さず、今回はチームと僕の意見が合致したということでの引退です」。復帰を急ぐあまり、肉離れを「こじらせた」など、ここ数年は怪我との戦いになっていた。今後については「オファーを待っているんですけどね(笑)」と、おどけてみせた。「オファーが来たら断ろうと思って待っているのですが、どこからも声がかからないです(笑)。いまのところ、六甲クラブと芦屋クラブでどちらの会費が安いか、コストがかからないか検討中です(笑)」

正面選手は東海大仰星高校から同志社大学、そして、トヨタ自動車ヴェルブリッツでのプレーを経て、神戸製鋼に移籍してきた。10シーズンを過ごしての退団となる。「僕は移籍希望でチームを探しています」とさっそく現役続行を宣言。これまで関西エリア(トヨタ自動車は関西ラグビー協会所属)から出たことがないが、それを超える範囲もふくめて考えているという。
「大学卒業後、実は神戸製鋼に誘っていただいたのですが断ったことがあるんです。社会人では仕事をしようと思って、トヨタで社長になるくらい頑張ろうと思っていました。でも、結局は仕事もラグビーも中途半端になってしまった。ラグビーを思い切りやりたくて、プロになることを決め神戸製鋼に移籍しました」。当時、トヨタ自動車ではプロが認められていなかった。

その後はレギュラーメンバーとしてSO、WTB、FBで活躍したが、ここ数年は怪我もあってメンバーから外れることが多かった。「今シーズンはFBでやっていたのですが、山中亮平もすごく良くなっていたので仕方ないと思っていました。正直、試合に出られないと、ラグビーに対するモチベーションが下がることもありました。でも、自分ではまだできると思っています」

思い出の試合や、対戦したときのことなど、さまざま語ってもらった。大橋選手がWTB、正面選手がFBで出ることがあると、互いに信頼し合ってプレーしたという。「正面さんが頼もしすぎて、タッチキックをキャッチしてクイックスローしたら、ペナルティーキックからのタッチで、相手ボールだったことがあったくらいです(笑)」(大橋)。大橋選手は入部当初の先輩方の名前もあげた。元木由記雄さん、大畑大介さん、南條賢太さん、清水ペペさん、そんな懐かしい名前を聞きながら、大橋選手がいかに長く活躍してきたかを感じた。

今後のことは後輩たちに託すことになるが、期待の若手選手として、正面選手は「井関信介(天理高校→天理大学)」の名をあげ、大橋選手は「山下楽平、落合知之(北越高校→流通経済大学)」の名をあげた。

この直前、山下楽平選手からのビデオメッセージがあった。山下選手がこんなことを言っていた。「僕はずっと正面さんの背中を追いかけてきました。いまも何も勝っていないです。寂しいですけど、本当にお世話になりました。大橋さんはライバルでした。僕の方がすべて勝っています。あとは任せてください」。たしか、こんな感じの内容。もちろん、愛あるエールだ。

ずっと笑っていたトークライブだったが、最後は応援してくれた皆さんに感謝のコメント。大橋選手は翌日ラグビーマガジンのインタビューがあるようで、今月発売の号でいまの気持ちを読むことができる。正面選手は行き先が決まったら、またラグマガなどで心境を聞かせてくれるだろう。楽しみに待ちたい。

お二人とも、ひとまず神戸製鋼コベルコスティーラーズでのプレー、お疲れさまでした。

20190306-2.jpg

  • Line