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ラグビー コラム 2026年8月24日

【ハイライト動画あり】好機に高い集中力を見せたオールブラックス。第1テストマッチで南アフリカ代表を後半上回る

ラグビーレポート by 田村一博
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約15か月後、オーストラリアでのワールドカップ決勝の舞台にも、両チームが立っているのではないか。
そんな風に想起させるぶつかり合いで、試合内容は濃く、スタジアムの空気は熱かった。

8月7日のストーマーズ戦で始まった『Rugby'sGreatest Rivalry』の中の最初のテストマッチ(全4テストマッチ)が8月22日にヨハネスブルグのエリスパークでおこなわれた。
急勾配のスタンドを6万592人のファンが埋めた光景は圧巻。ピッチを見つめる多くのファンが、愛するダークグリーンのジャージーが快勝するシーンを待っているのは明らかだった。

しかしシリーズの勝利を掴む上でも重要な初戦で白星を手にしたのはニュージーランド代表、オールブラックス。33-16のスコアだった。

南アフリカ代表は、前半4分のペナルティゴール(14番のチェスリン・コルビ)で先制、すぐに逆転されても(前半8分、オールブラックスは14番ウィル・ジョーダンがトライ)、13分にひっくり返す(20番のアンドレ・エスターハイゼンがトライ)。ハーフタイムを1点リードで迎えるも(オールブラックス12点、南アフリカ13点)、後半、漆黒のジャージーに3トライを重ねられた。
終盤の2つのイエローカードも痛かった。

大きな勝利を得たオールブラックスは、よくボールを動かした。前半は相手の強力なフロントロー、オックス・ンチェ、マルコム・マークス、ウィルコ・ロウが牽引するスクラムで圧力を受けて苦しむ展開もあった。また、南アフリカの選手たちはコリジョンが強く、衝突後のゲインメーターは、グリーンのジャージーのほうがスタッツを見ても大きく上回っていた。

しかし、黒衣はその中でも多くのパスを繋ぎ、ボールがエッジまで動くことも多かった。前半22分に11番のジョシュ・モービーが挙げたトライも、左サイドでパスを受けて駆け上がった6番のトゥポウ・ヴァアイのインサイドをサポートして走り切ったものだった。

オールブラックス 南アフリカ遠征 ラグビー グレイテスト・ライバルリー・ツアー 2026(8月22日(現地))

【ハイライト】南アフリカ vs. ニュージーランド

後半に流れを引き寄せて勝利を得たオールブラックスの中で輝いたのが、ベンチから出てきて奮闘したジョージ・バウアー、アサフォ・アウムア、フレッチャー・ニューウェルの最前列だ。
相手の勢いを生む発信源にもなっていたスクラムで南アフリカに圧力をかけられるようになった。

また後半23分過ぎ、この日の相手のキャプテン、7番のピーターステフ・デュトイが受けた猛タックルを見てほしい。
刺さったのは黒いジャージーの16番と17番。アウムアとバウアーのダブルタックルは強烈だった。

5番のファビアン・ホランドもチームへの貢献度は高かった。
後半7分に相手SHグラント・ウィリアムズのキックをチャージ(キッカーの死角から襲いかかった!)、そのボールをインゴールで押さえたトライだけでなく、ブレイクダウンで相手ボールを奪うシーンもあった。ボールキャリーでも、よく働いていた。

9番のキャム・ロイガード、10番のルーベン・ラヴ、12番のジョーディー・バレットが、よくゲームをコントロールした。
ロイガードは的確な判断でトライを呼び、ブレイクダウン周辺でよく動いた。ラヴは5本のコンバージョンキックのうち4本を成功させ、バレットは特にディフェンスで高いワークレートを見せた。相手FWの前進を止め、ボール奪取が何回もあった。アタックにも安定感があった。

試合を終えた後、オールブラックスのデイヴ・レニーHCは現地報道陣に、力が拮抗した80分を「完全なアームレスリング」と表現したようだ。
さらに、「本当に激しい力比べだった。我々はひたすら守り続け、そしてチャンスを得たときには確実にものにした」と振り返った。
また、選手たちが見せた好機での決定力を評価し、ベンチから出場して後半の流れを呼んだフィニッシャーたちの働きも称えた。

敗れた南アフリカのラッシー・エラスムスHCは、「修正すべきことがたくさんある」と話し、優勢で始まったスクラムを例に挙げ、「1つのエリアだけで良いパフォーマンスをすることを目指しているわけではない。いくつものエリアで良いパフォーマンスを発揮したい」と、次戦でのリベンジを口にしたようだ。

第1テストマッチは、これから始まるツアー後半の号砲。残る3つのテストマッチは、さらに濃密さを増すだろう。


文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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