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ラグビー コラム 2026年9月28日

劇的結末のラグビー国際試合。オーストラリア代表が世界王者に勝利!

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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こんな展開を誰が予想できただろうか。9月27日、オーストラリアのパースで行われたオーストラリア代表ワラビーズ対南アフリカ代表スプリングボクスの戦いは、終盤、イエローカードが4枚出る荒れた展開となった。最後はスプリングボクスが3連続トライをあげて迫ったが、ワラビーズが相手より4人少ない窮地を耐え抜き勝利した。ワラビーズは両国の戦いの勝者に贈られるマンデラ・チャレンジ・プレートを2022年以来の奪還。5万5000人の観客席を熱狂させた。

この夜のスプリングボクスは、9月12日にニュージーランド代表オールブラックスを43-28で下したメンバーから先発15人中13人を変更して臨んだ。大幅なメンバーチェンジが細かなミスを生んだのは確かだが、それよりもワラビーズのパフォーマンスを称えるべきだろう。ラグビーワールドカップ連覇、世界ランキング1位の王者に対し、フィジカルバトルで真っ向勝負。激しく前に出てくるディフェンスをかいくぐって、タッチライン際のスペースを攻略した。

先制したのはスプリングボクスだった。前半4分にSOハンドレ・ポラードが約45mのロングPGを決める。直後、ワラビーズもSHライアン・ロネガンのPGで同点とするが、10分、スプリングボクスがトライライン直前のラインアウトからモールを押し込んで、HOヨハン・フロベラーがトライ。3-10となる。その後も一進一退の攻防は続き、トライを取り合い、前半28分の時点で17-17の同点。圧巻のトライは前半終了間際に生まれた。スプリングボクス陣22mラインの左ラインアウトからの攻撃で、WTBマックス・ジョーゲンセンが右コーナーに迫り、止められるも攻撃を継続。キャプテンのNO8ハリー・ウィルソン、FLフレイザー・マクライトらがトライラインに向かって縦突進し、最後は素早いパスワークでボールを動かし、左タッチライン際にいたSOベン・ドナルドソンがトライ。前半を24-17とリードで折り返した。

後半、反撃に出るスプリングボクスだが、ワラビーズはマクライトのスティール(ジャッカル)でPKを得ると、ロネガンのPGで、27-17とする。スプリングボクスはHOマルコム・マークス、PRオックス・ンチェ、SOサシャ・ファインバーグ=ムゴメズルら強力なリザーブ陣を次々に投入。ムゴメズルはロングタッチキックやスピードある突破で何度もチャンスを作ったが、ワラビーズはロネガンがさらにPGを追加して、30-17とリードを広げ、後半19分にはトライライン前のPKからタップキックで攻め、波状攻撃の末、マクライトがトライ。37-17とした。さらに4分後、スプリングボクスのハンドリングエラーでこぼれたボールを、ジョーゲンセンが拾って約60mを独走。42-17として25点差をつけた。ほぼ勝利を確実にするトライにワラビーズのサポーターが歓喜する。

しかし、後半29分、キャプテンのハリー・ウィルソンが、マルコム・マークスへのハイタックでイエローカードを受けたあたりから暗雲が垂れ込める。直後にはトライライン直前のスクラムを押し込まれ、ペナルティトライを献上。このときオフサイドを犯したロネガンがイエローカードを受ける。スコアは、42-24。さらにWTBジョセフ=アウクソ・スアリイもイエローカードを受け、その3分後、スクラムで圧力を受け、交代出場のSHモルネ・ファンデンバーグにトライを奪われ、42-31に迫られる。さらにCTBハンター・パイサミも危険なタックルでイエローカード。11人になってしまう。終了間際には、スプリングボクスのンチェにトライを追加され、42-38となったが、最後の攻撃でオブストラクションの反則があり、ワラビーズが逃げ切った形になった。

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勝ったワラビーズのウィルソンキャプテンは「最後の10分はクレージーだった。しかし、そこまでの70分は狙い通りのラグビーができた。フィジカルの勝負でもしっかりと前に出ることができた」と胸を張った。就任以来負けなしのレス・キスヘッドコーチは「心臓に悪い試合だったが、試合をコントロールし、勇気を持って仕掛け続けることができた。チームにとって次のレベルに進むための重要な一戦だった」と語った。ワラビーズは、10月10日、17日にオールブラックスと戦う。この連戦がさらに楽しみになる勝利だった。

対するスプリングボクスは大幅にメンバー変更しての敗戦だったが、ラシー・エラスマスヘッドコーチは潔く敗北を受け止めた。「25点のリードを許したのだから、責任は自分たちにある。今夜は相手が優れていた」。ただ、来年のラグビーワールドカップで3連覇を狙うスプリングボクスにとって、学びの多い試合でもあっただろう。「決勝トーナメントで当たる可能性のある相手を少し経験出来て良かった」とも話し、前を向いた。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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