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歴史的勝利の前哨戦から7週後の再戦。イングランドの雪辱か、フィジーが新たな歴史を創るか。ラグビーワールドカップ2023準々決勝展望
ラグビーレポート by 直江 光信フィジーといえば“マジック”とも称される変幻自在のランニングラグビーでおなじみだが、現在のチームはディフェンスや規律の面で統制がとれていることも大きな強みになっている。1試合平均のターンオーバー数(8.0)は、ベスト8進出チームの中でトップ。エロニ・マウィ、ルケ・タンギと130キロ超の大型PRを擁するスクラムの推進力も強烈で、バックローではFLレヴァニ・ボティアが攻守にわたり獅子奮迅の活躍を見せてきた。BKはプレー、メンタル両面の支柱であるキャプテンのCTBワイセア・ナヤザレヴを筆頭に、チャンスメークからフィニッシュまでこなす好ランナーぞろいで、勢いに乗ればどの相手にも勝利できるポテンシャルを秘める。
それぞれの登録メンバーを見ていくと、イングランドの前節サモア戦からの先発変更は2人。11番に万能BKエリオット・デイリー、15番にはプレーメイカーのマーカス・スミスが新たに起用され、キャプテンのファレルは10番でゲームコントロールを担う構成となった。ジョー・マーチャントが前週の14番から13番、ジョニー・メイが11番から14番にそれぞれスイッチする。SOファレル、FBスミスのコンビがどのように機能するか注目だ。
一方のフィジーは、1週前のポルトガル戦からスターター5人を入れ替える布陣を組んできた。HOはテヴィタ・イカニヴァレがリザーブから繰り上がり、バックローでの起用が多かったアルバート・トゥイスエが右LOで先発。6番レキマ・タンギタンギヴァル、11番セミ・ランドランドラ、15番イライサ・ドロアセセは9月30日のジョージア戦以来2試合ぶりのスタメンだ。また前節11番のヴィナヤ・ハンボシは、右WTBに移ってのスタートとなる。
10月9日発表のワールドラグビーランキングではイングランドが6位、フィジーが10位。8月の対戦時と比較すると、両チームとも当時の先発15人のうち10人を今回のスターターに起用してきた。フィジーとすれば迷いなく挑戦できる状況であり、イングランドは前回敗戦の雪辱に燃えているはず。お互いの意地と気迫がぶつかり合う激戦となりそうだ。
直江 光信
スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。
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