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何度もゲインラインを超えたWTB嶋友也
試合を通して多用されたコンテストキックに関しても、再獲得されトライに直結するシーンが2度も見られた。「やられてしまった場面の方が多かったので、継続して練習するしかない」(宮本啓希監督)。キャッチする選手だけの責任ではなく、その後のカバーやサポートに入る選手も含め、もう一度再構築しなければならない。
また「攻撃の継続」もキーワードの1つになる。「自分たちが得たボールを自ら手放してしまった」(宮本監督)。前節では、敵陣22mラインに入ってから試合を通して4度のハンドリングエラーを記録。ラックでボールに絡まれるシーンも頻発し、2人目の寄りが遅く球出しが遅れる悪循環に陥った。
結果的にゲインラインの突破が著しく減り、ミスで攻撃を終える場面が目立った。「何が何でも前に行ってやろうみたいなところが、1人目(のボールキャリアー)には絶対必要だと思う」(宮本監督)。
同時にチーム最多のボールキャリー数12を残し、常に前に出続けたCTB岡野喬吾を例に挙げ、「岡野みたいなアグレッシブさがない」と厳しく指摘した。次戦では1人1人がコンタクトの局面にこだわりを持ち、展開ラグビーに勢いを生み出すことが求められる。
近大対策で特に警戒すべきは、7人制日本代表にも選ばれたWTB(ウィング)植田和磨だ。一昨年は鮮烈デビューを飾り、Aリーグのトライ王に君臨すると、昨年の同志社戦でも3トライを挙げる活躍。リーグ屈指のトライゲッターとして名を馳せ、マークが厳しくなった今季も、開幕節でトライを奪っている。スピードと突破力を併せ持つ彼を自由にさせないことが防御のポイントになりそうだ。
同志社にとって「残り6試合のスタート」(NO8/ナンバーエイト林慶音・スポ2)の位置付けとなる対近大戦。長いシーズンを戦う上で、露呈した課題を1つ1つ修正していくことが成長への近道となる。
一方で、仮に敗れると大学選手権出場にも黄色信号が灯火する大一番。自分たちで目標への道を切り開いていくしかない。「(開幕戦の)反省を生かして、しっかりと準備したい」(FL/フランカー久保太陽・社3)。閉まりそうな扉をこじ開け、目指すべき場所へ一歩ずつ前進していく。
文:勝部健人/写真:番匠麻衣、浅川明日香(同志社スポーツアトム編集局)
同志社スポーツアトム編集局
同志社スポーツアトム編集局は1978年に創刊された同志社大学唯一の体育会機関紙です。年6回の本紙の発行を軸に、号外の発行やHPの管理などをすべて学生の手で行っています。
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